2012年12月6日

勘三郎他界でもまねき看板は賑々しさを失っていなかった

まねき看板  南座(京都市東山区四条通大和大路西入る)Fujifilm Finepix X100

十八代目中村勘三郎が今月5日、他界した。やはり幼いころにデビューした、かつての中村勘九郎を思い浮かべてしまうので、正直言って未だに勘三郎の名がピンとこない。とはいえ時代は変わった。先月の末、30日に南座の「當る巳歳吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎」が初日を迎えたが、それに先立つ26日の「まねき上げ」に子息が登場した。前回の出演は平成18(2006)年だったが、その時は中村勘太郎と書かれていた。そして今回は中村勘九郎。勘太郎改め六代目勘九郎の襲名披露興行なのである。たいへんおめでたい興業の最中の訃報、人間の命の儚さを痛切に感ずるが、芸がその命を継承すると思うと何故か心の隅に安らぎの灯がともる。日は差していたが風は冷たい師走の京だったけど、まねき看板は賑々しさを失っていなかった。

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