2016年9月24日

小池劇場の幕が降ろされるとき

建設中の豊洲市場(2016年5月中旬)©東京都中央卸売市場

9月17日、18日に実施されたFNN世論調査によると、小池都知事の働きぶりについて、評価するが86.3%、評価しないが8.0%だったという。築地市場の新しい豊洲市場への移転を延期したことについては、妥当だと思うが88.2%、思わないが7.1%だった。豊洲市場問題が「小池劇場」の幕開けとなった。土壌汚染問題の議論はまさに液状化状態だが、簡単に終止符を打てない状況になっている。移転やむなしとすれば、期待を抱いた人々を裏切ることになり、人気が失墜する可能性がある。逆に移転は白紙撤回と結論したらどうだろか。
築地市場は、東京の台所である。その台所をベンゼンやアセンといった危険極まりない物質を含んだ土地に移すことは、率直に一生活者として不安である(中略)工法を工夫しながら、現在の場所(築地)で建物だけを建て直すのが一番妥当と思われる。
私は知らなかったのだが、小池都知事は市場移転問題に関して2008年に出版した『東京WOMEN大作戦』(猪口邦子・佐藤ゆかりとの共著)で、以上のように明言しているそうだ。8年前の提言だが、これが可能なら賛同する人が少なくないと思われる。しかし竣工前ならともかく、ほぼ出来上がった豊洲市場、もう後戻りできないと、何が何でも移転を進めようとする力学が加わるだろう。もし踏み切れば、莫大な額の税金が費やされことになり、小池叩きの雪崩現象が起きるかもしれない。つまりどっちに転んでも「小池劇場」の幕が降ろされる。私個人としては白紙撤回案に賛成、可能ならそうしたほうが良いと思う。そもそも生鮮食品を扱う市場の移転先を豊洲にしたのが間違いだったのである。今後の展開をを見守りたい。

2016年9月23日

雷ガード付タップは電子機器を守ってくれるか

雷ガード付電源タップ(京都市内)

景観を守る電線地中化を歓迎するが、デメリットとして、架空地線の存在が無くなるため、沿道の通行人や建築物への落雷の危険性が増すそうである。意外な指摘だが、裏返せば電線は落雷し易い存在とはいえないだろうか。電線に落雷すれば、その周辺に短い時間で強い電気の力や大きな電流が発生することがある。これを「雷サージ」と呼ぶそうだ。近くに落雷があると発生し、電話線、電源線、アンテナ、大気中を通って家の中に進入し、テレビやパソコン、電子レンジなどの電子基盤を壊してしまうことがあるという。私はマンション住まいで、避雷針があるから安心と思っていたが、雷サージに対しては効果がなく、しかも雷サージはブレーカが働く前に家の中にある機器に到達してしまうという。電源タップが必要になり、電気製品量販店に出かけたら「雷ガード」と記した製品が大半を占めていた。雷サージの侵入による被害を受けた経験はないが、万が一電子機器が壊れたら困る。特にパソコンのクラッシュ、光回線ルータの破損は怖い。割高感はなかったので購入、さっそく設置してみた。ところでこの電源タップ、本当に雷サージを防いでくれるだろうか。ネットのQ&Aサイトを覗いたら、この質問が一番多かった。万全ではないという返答が大勢を占めているが、「効果がなかったら詐欺だ」という助言には思わず吹き出してしまった。私見では雷の被害は複雑な要素が絡むので、完全防御は難しいのではないかと思う。備えあれば憂いなしというが、憂いが晴れるわけではない。従って過大な期待は避け、うまく作動して大切な電子機器を守ってくれたら褒めてやろうと思う。

2016年9月19日

第48回京都野外彫刻展

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日 時:2016年10月1日(土)~16日(日)9:00~17:00
会 場:京都府立植物園京都府立陶板名画の庭(京都市左京区下鴨半木町)
主 催:京都府・京都彫刻家協会

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2016年9月17日

党内抗争の泥沼化で枯れそうな民進党の蓮華

蓮の花托(京都市上京区一番町の立本寺

かれこれ5年前、野田佳彦氏は「どじょうはどじょうの持ち味がある」と演説、旧民主党代表の座を得た。16日の民進党の両院議員総会で、蓮舫代表から指名を受け幹事長に就任した同氏は「蓮の花を下で支える蓮根になった気持ちで徹底して下支えする」と語ったという。よほど泥の中がお気に入りのようだ。野田氏の過去の詳細はここでは触れないが、巷間語られてるように、旧民主党が政権から転落した「戦犯」である。一昨日書いたばかりの「民進党新代表蓮舫氏の危うさ」という杞憂がいきなり現実を帯び、唖然としている。選りに選ってと嘆息したのは言うまでもない。蓮華は仏教を象徴する花である。泥に染まらないことから、昔から珍重されてきたが、野田氏は蓮舫氏と「一蓮托生」の気構えなのだろう。しかしすでに党内に反発が広がり、両院議員総会に出席した国会議員は半分以下だったという。週明け以降、党内抗争の泥沼化が予想される。蓮は咲いた後、花托が肥大して写真のように蜂の巣に似た形、すなわち蜂巣となる。実はこの蜂巣、蓮の古名である。「ハチス」の真ん中「チ」を抜いて「ハス」となったそうである。どうやら党内抗争の泥沼化で泥の中の蓮根がダメージを受け、蓮華が一旦花開いたが、蜂巣になる前に枯れ落ちそうな気配だ。

2016年9月15日

民進党新代表蓮舫氏の危うさ


民進党の蓮舫氏が15日、新代表に選ばれた。旧民主党の政権運営失敗に呆れて以来、同党は私の視界からほぼ消え去ったと言ってよい。だから今回の代表選に興味を持っていなかった。ただ「二大政党復活」を標ぼう、野党共闘を避けようとする前原誠司氏はマズイなとは思っていた。しかし途中、日本外国特派員協会の記者会見で岡田克也代表(当時)について「大好きだが、1年半一緒にいて本当につまらない男だと思った」と述べたという報道に接し、危うい人だなと感じた。でもこれは内輪の冗談話だからと看做したが、日刊ゲンダイ9月12日付け電子版の記事「辺野古移設『結論守るべき』蓮舫氏“負のレガシー”に固執」という記には目を疑った。蓮舫氏は候補者討論会「辺野古移設は旧民主党政権時代に米国と合意した」と前置きした上で「結論は基本として守るべきだ。どんなに米国と話をしても、選択肢は限られてくる。基軸はぶれるものではない。それが外交の基本戦術だ」と訴えたという。米国と合意したのは旧民主党のであって、日本国民の総意ではない。米軍基地で苦しめられている沖縄県民の民意を裏切っている。調べてみたところ野田佳彦氏が率いる「花斉会」のメンバーである。発言にはこの背景があると思われる。所謂「野ダメ」と揶揄された野田氏の影響下にあるのだろう。民進党は実に危うい新代表を選んでしまった。

2016年9月14日

続・アナログレコードプレーヤーのカートリッジを交換してみた

DENON のヘッドシェル PCL-310-SP に付けた SHURE M44G

2013年の暮れ、当ブログに「アナログレコードプレーヤーのカートリッジを交換してみた」という一文をポストした。新しく購入した DENON のプレーヤーに古いカートリッジを付けた話だった。文末に「昔の普及機用とはいえ、やはり格段に音が良いことに驚いた。これはちょっとヤバイ、物欲が頭をもたげ、他のメーカーのカートリッジも試してみたくなったからだ」と書いている。いくら安物集めをしているとは言え、お金はハードにつぎ込むよりソフトに回したほうが良い。にも関わらず別のカートリッジを試したくなった。そこで値段が手ごろな SHURE M44G を購入した。元々 DJ 用に開発されたが、無論 Hi-Fi に対応しているロングセラー製品である。カートリッジ交換で意外に難しいのがヘッドシェルに取り付ける作業である。ネジ、ナット、ワッシャーが極めて小さく、老眼にはキツイ。それでも前回経験しているので何とか作業を終えた。リード線をピンに接続する際は先の細いペンチを使うようにと説明書にあるが、私はピンセットを使った。ペンチを使うとリード線の接続部分を潰す可能性があると思ったからだ。作業を終え、さっそくイーグルスの名盤「ホテル・カリフォルニア」を聴いてみた。安価とは言え、流石に評判が高いカートリッジ、歯切れの良い音が流れてきた。なお下記リンク先は SHURE M44G/M447 のカートリッジ取り付け方法を解説したページである。

WWW  今さら聞けない?!ヘッドシェルにカートリッジを取り付ける方法(SHURE M44G/M447編)

2016年9月9日

せめて従量制なら納得できるNHKの受信料


朝日新聞9月9日付け電子版によると、NHKの籾井勝人会長は9月8日の定例記者会見で「ワンセグ携帯も受像器の一つだ」として、これまで通り受信料を徴収する考えを示したという。放送法第64条には「(日本放送)協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」とある。これに対しテレビを見ることができるワンセグ付き携帯電話の所有を理由にNHKから受信料を要求されるのは不当だとして、埼玉県朝霞市議の男性が受信料契約を結ぶ義務がないことの確認を求めた訴訟を起した。判決が8月26日、さいたま地裁であり、大野和明裁判長は契約義務がないとの判断を示した。つまり携帯電話の所持は放送法上の受信設備の「設置」に当たらないとし、契約義務はないとしたわけである。これに関してはNHKはすでに控訴しているので、今後の裁判を注視したいと思う。そもそも受信設備を持ってるだけで契約をしなければならない、というのは実に不可解な法律である。契約というのは当事者の意思表示が合致することによって成立する法律行為のことであるからだ。過去に何度も聞いたことだが、NHKは公共放送であるから、受信料が入らないと国営放送になりかねない、という主張。御説もっともと聞こえるが、不可解なのは定額制であることだ。今やディスプレーはテレビ受信だけのものではないし、見ても見なくても決まった料金を徴収されるのは理不尽である。公共放送なら、その料金は公共料金ということになる。電気や水道などの公共料金は従量制である。NHKの受信料もせめて従量制なら納得できるのだが。

2016年9月7日

西陣の喫茶店「静香」の復活

静香(京都市上京区今出川通千本西入る)

古い栓抜きやマッチ(クリックで拡大)
確か6月の半ばだったと記憶しているが、西陣の喫茶店「静香」の前を通ったら、ドアが閉まっていて「しばらく休みます」という意味の張り紙が貼ってあった。もしかしたら女主人のKさんの身体の具合が悪いのかと心配した。ところがその一か月後だっただろうか、工事用のシートがかかっていたので、中に入ったら作業員が「天井と壁の傷みが酷いので改装しています」とのことだった。今日、そのことを思い出して寄ったら一か月前に新装開店したという。椅子やテーブルは前のままだが、天井と壁は真っ白に塗り替えられている。ドアの枠など赤いペンキが古い建物にマッチしている。ただKさんはやはり体調が思わしくないらしく不在だった。私がこの店に最初に入ったのは余りにも古い話で、何時だったか思い出せない。1980年代の中頃、週刊誌『アサヒグラフ』で京都の古い喫茶店を特集、掲載したところKさんに喜んで貰ったことを覚えている。今でも健在な河原町通界隈にある「フランソワ」「ソワレ」「築地」「六曜社」、京大前の「進々堂」、そして聖護院近くのジャズ喫茶「YAMATOYA」などが私のお気に入りであるが、とりわけ好きなのがこの西陣の「静香」である。外資系の喫茶店の進出はまさに雨後の筍のごとき感があるが、私は滅多に入らないことにしている。特に20店以上あるスターバックスは、遺伝子組み換え作物の種で悪名高いモンサント社との黒い関係が取り沙汰されているので、絶対に入らない。それはともかく、京都には高田渡さんの歌『珈琲不演唱』で全国的に有名になった「イノダコーヒ」の存在など、喫茶店文化が深く根付いている。そのことをこの街に住む誇りにしたい。

2016年9月5日

日本で捕獲されたイルカがロシアの水族館に

安倍首相と朴槿恵大統領を案内するプーチン大統領 ©РИА Новости/Алексей Дружинин

完成したロシア沿海地方海洋水族館
最近は怒りのアンテナの感度が鈍ったせいか、安倍首相が何処の国に出かけ、何を喋ろうが関心を持たなくなってきたが、9月4日付の読売新聞電子版の「露唯一の国立水族館で首相『イルカも日本から』」という記事はちょっと気になった。ウラジオストクに建設された沿海地方海洋水族館開館式に3日、ロシアのプーチン、韓国の朴槿恵両大統領とともに出席し、水族館建設に日本企業の技術が導入されたことを説明して「水族館で活躍するイルカも日本から来たものだ」と自慢したという。ロシアは北方領土問題に歩み寄りを見せ、歯舞群島と色丹島返還に関し柔軟な態度を取り始めているそうである。何とか返還の約束を取り付け、それを手柄にして人気浮揚を狙う安倍首相は、イルカであれ何であれ貪欲に利用したいのだろう。水族館の巨大な窓に使われる分厚いアクリルパネル製造は日本の得意技術である。ショーのためのプールがあり、そこで「芸」を披露するイルカは日本から輸入、とのことなら、和歌山県の太地で捕獲されたイルカだろう。ベルーガはロシアの近海、北極海で獲った可能性があるが、ゴンドウクジラは何処からだろう。同水族館の公式サイトには詳しい説明はない。水族館における海洋哺乳類の展示やイルカショーは世界の環境運動団体から強い批判を浴びている。欧米では野生捕獲のイルカ類の展示が例外的となっている。プーチン大統領は同じく極東沿海地方に棲息するアムール虎の保護に熱心なことで知られるが、海洋哺乳類についてどう思っているか知りたい。ロシアのニュースサイトを数か所訪れてみたが、この点の記述は見つからなかった。なお同水族館の公式サイトにはロシア語の他に英語版もあるので、興味のある方はアクセスすることをお勧めしたい。

WWW  ロシア沿海地方海洋水族館「Primorsky Aquarium」公式サイト(英文)

2016年9月3日

レコードジャケットをめぐる仮想時間旅行

BEFORE

私は別途「アメリカンルーツ音楽」というブログを持っている。手持ちの LP レコードや CD のデーターベースを作ってみようということで始めたもので、当然のことながらジャケットの写真が必要になる。コンビニの複合コピー機で複写するのだが、LP レコードはおおむね 310mm 四方あり、短辺 297mm の A3 の枠からはみ出してしまう。仕方ないので2分割スキャンし、1枚に合成している。写真は 1961年に米国でリリースされたレコードで、1970年代初頭に入手したものだ。約45年経過しているので、傷みが酷く、汚れと変褪色がやはり気になる。オークションに出品するなら、このままのほうがいいのだが、データベースとなると別である。

AFTER

そこで時間旅行、つまり購入時に近づけようとすることが習わしになってしまった。まず下地を漂白、黄色い帯も汚れを落とす。次に一部が欠けた文字を復原、さらに写真の色かぶりを除くため黒白変換した。出来上がって見ると、まるで新品のレコードのようだが、実はこのまま掲載していいものやら、ちょっと躊躇わないでもない。つまり購入時に複写したものならともかく、経年変化したものから作り出したものだからだ。時間は非可逆的であり、あくまで仮想の時間旅行の産物、つまりこの世に存在しないものの写真だからだ。ネット上で古いレコードの写真を見ると、不鮮明で汚れたものが多い。そんな現状から始めた作業だが、さて?

Fiddle Girl  The New Lost City Ramblers Vol. 3 (American Roots Music)

2016年9月1日

第46回京都写真芸術家協会展


日 時: 2016年9月6日(火)~11日(日)10:00~18:00(最終日17:00まで)
会 場: 京都府立文化芸術会館(京都市上京区河原町通広小路下る)

日 時: 2016年10月14日(金)~16日(日)9:00~17:00(最終日16:00まで)
会 場: 八幡市文化センター(京都府八幡市八幡高畑5番地3)

日 時: 2016年11月11日(金)~20日(日)9:00~17:00
会 場: 京都府丹後文化会館(京都府京丹後市峰山町杉谷)