2017年3月23日

コダック・ブラウニー100余年の時間旅行

Kodak Brownie box camera with original cardboard packaging 1900

ブラウニーの広告(クリックすると拡大)
英国 BBC 放送3月20日付け電子版が "Five game-changing cameras that turned us into photographers" (私たちを写真家に変身させてくれた5つの革新的カメラ)という興味深い記事を掲載した。毎日20億の写真がネットにアップロードされている。写真は技術的に複雑で富裕層の娯楽だったが、それがいかにして庶民的な芸術形式になったのだろうか。英国のデモントフォート大学の写真史学者ジル・パステルナーク博士が、私たちを写真家に変身させてくれた5つの革新的カメラを挙げている。
1)The Kodak 'Box' Brownie(コダック・ブラウニー)
2)Kodak Instamatic(コダック・インスタマチック)
3)Polaroid Land Camera(ポラロイドランドカメラ)
4)Digital Cameras(デジタルカメラ)
5)Mobile phone cameras(携帯電話カメラ)
パステルナーク博士が最初に挙げているコダックの「ブラウニーカメラ」は1900年に発売されたボックスカメラで、名前はスコットランド伝説の小悪魔に由来する。当時流行っていた漫画の主人公に、いわば日本の「ピカチュウ」に共通する。このキャラクターを広告に使った、子どもをターゲットにしたカメラで、キャッチフレーズ「あなたはシャッターを押すだけ、あとは当社にお任せください」だった。写真術の発明以来、写真は自分で乳剤を作り、現像プリントもするという作業を伴う、一般には馴染めないものだった。そういう意味では、ブラウニーはただシャッターを押すだけ、後はDPE業者任せるだけというシステムを作り上げた。今日、写真といえばスマートフォンで、というのが一般的となった。フィルム時代も全自動カメラがあったが、スマートフォンではそれが当たり前になっている。絞り値とか、シャッター速度、という操作がバックグランドにあることを認識していない人が多いと思われる。画像処理アプリケーションでエンハンスして「芸術作品」となった写真が SNS に大量投稿される時代となった。ブラウニーが100余年の時間旅行をしてスマートフォンに引き継いだ。

2017年3月21日

2017/4/16共謀罪の制定を阻止する市民集会in京都のご案内

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日 時:2017年4月16日(日)13:30~15:00(開場12:30)
会 場:円山公園音楽堂(京都市東山区円山町)
講 演:海渡雄一(弁護士)高山佳奈子(京都大学教授)ほか
主 催:京都弁護士会(075-231-2378)
詳 細:https://www.kyotoben.or.jp/event.cfm#1141

PDF  共謀罪阻止市民集会フライヤーの表示とダウンロード(PDFファイル 952 KB)

2017年3月20日

映画 "Songcatcher" のサウンドトラック盤に痺れる

Vanguard CD 79586-2

DVD "Songcatcher" 
映画 "Songcatcher" のサウンドトラックCDを入手した。映画そのものは2000年にリリース、日本では「歌追い人」と題して2003年に公開された。翌2004年に DVD が発売され、私も購入した。今年の2月に「南部アパラチアで英国古謡を蒐集した民謡研究家」と題した記事を投稿したが、映画は史実と違っている。ハリウッドの娯楽映画と割り切れば良いのだが、どうにも我慢できず、2回しか視聴していない。しかし収録されている音楽の魅力を反芻したくなり、音楽のみを抽出したサウンドトラックCDを入手した次第である。聴き込んでみると、新たな魅力に痺れてしまった。ジャネット・マクティア演ずる音楽学者リリー・ペンレリック博士は、明らかにマサチューセッツ州ウェストメドフォード生まれの民謡蒐集家、オリーブ・デイム・キャンベルがモデルである。リリーはこのアパラチア山岳地帯で教師をしている妹を訪ねたのだが、孤児のデラディス・スローカムが歌った "Barbara Allen" を聞いて驚愕する。アイルランドやスコットランドからの入植者達によって持ち込まれ、本国でも既に失われているこれらの歌が、世間と隔絶したこの山の中で、ほぼ原型のまま人々によって歌い継がれていたのだ。孤児を演じたのはエミー・ロッサムで、吹き替えなしでこのスコットランド古謡を歌っている。調べ直したら、エミーは1986年生まれ、幼い頃からオペラを学び、7歳からメトロポリタン歌劇場の舞台に立ったことがあるという。これが映画2作目で、当時14歳だった。このCDアルバムの中では、そのエミーとカントリー・ミュージックの第一人者、ドリー・パートンのデュエット "When Love Is New" が秀逸である。サウンドトラック盤であることに関わらず、ジャケットのサブタイトルに、映画からインスパイアされた音楽とある。パット・キャロルやロザンヌ・キャッシュなど、豪華なメンバーによる、映画をソースにしつつ、独立した音楽アルバムと解釈することにした。所持してるCDのベストアルバムに躍り出た感がある。

Blogger  Songcatcher: Music From And Inspired By The Motion Picture

2017年3月18日

映画『残されし大地』の静寂


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ジル・ローラン監督作品『残されし大地』(La Terre Abandonnée)を観賞する機会があった。福島第一原発から約12キロメートル、帰還困難区域として指定された富岡町に留まり、猫、犬、牛、かつて福島第一原発で飼育されていたダチョウ等の動物保護活動を続ける、松村直登さんをキーパーソンにしたドキュメンタリー映画である。ローランさんは元はベルギーの映画録音技師だったが、妻の鵜戸玲子さんの母国である日本に2013年に家族と共に来日した。富岡町の松村直登さんの存在を知り、自らメガホンを取る事を決意、初監督作品に挑むことになった。2015年夏から秋にかけて富岡町や南相馬市で撮影、編集のためベルギーに戻った。鵜戸さんによると「内輪で試写会をする予定の日でした。編集スタジオに向かう地下鉄でテロに遭い、ほぼ即死でした」という。映画は饒舌を避け、淡々と進行する。時折、風の音や小鳥の声が響く。まさに静寂の中の音、耳を澄まさないと聴こえない音をキャッチしているのである。ローランさんは小津安二郎監督に傾倒、特に『東京物語』に惹かれていたという。そういえば「小津調」の強い影響が窺える。原題の直訳は『棄てられた大地』だが、思考を重ねて『残されし大地』という言葉が浮かんだと鵜戸さんが話してくれた。

Movie Film  ジル・ローラン監督作品『残されし大地』(La Terre Abandonnée)公式サイト

2017年3月16日

新政治団体「未来のための公共」がスタート

3月17日(金)国会議事堂前行動

斬新なアイデアと行動で共感を広げた「SEALDs(シールズ)」の流れを受け継ぐ、新たな政治団体「未来のための公共」が、明日3月17日(金)に発足する。以下は Facebook のページより引用。

今週の3月17日(金)、国会前集会を開催します。南スーダンへの自衛隊派遣、共謀罪、森友学園・・・。さまざまな政治イシューがあって、どれも大切なはずなのに、なぜだか私たちからは「遠い」という感覚、ありませんか?「今の政治、このままでいいの?」と思う方、一緒に声をあげましょう。

「未来のための公共」は、世代や職種を超えたゆるやかなつながりです。若い世代に限らない、多様な担い手が、多様な政治参加の手段をもって、民主主義をもっと豊かにしていく試みです。「この道しかない」わけがなく、政治はもっと多くの選択肢を開いていくものであるはずです。共有の問題関心について、声をだし、語り合い、考え、共に決めていくことだって、私たちにはできるはず。そのためのプラットフォームの一つが、「未来のための公共」です。

毎週金曜日に行われていた国会前行動を、「未来のための公共」は引き継ぎます。この抗議行動はもともと、既存の組織によるものではなく、個人の呼びかけからはじまり、草の根のネットワークのなかで発展していったものです。「未来のための公共」は、個人が立ち上がり、つながり、私たちが共に考えることのできる場をつくっていきたいと考えています。もっと政治の窓口を広げたい。もっと色々な人に来てほしい。「今の政治、おかしくない?」と思ったときに、「ここなら私と同じ関心をもつ人がいる」と、安心して参加できる場所が、いま求められています。

まだまだ課題は山積みですが、これは緊急アクションではない、日本の政治社会に生きる個人たちの、一つの応答のかたちです。どうぞ、よろしくお願いします。

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