2026年8月24日

アフリカの日々 Days in Africa

Girls at Festival in Sahara
Girls at Festival in Sahara,Tunisia, 1980
サハラ砂漠の祭りの少女たち(チュニジア)1980年
Kid Wearing a yellow belt, Tunis, Tunisia, 1980
横帯を着けた少年(チュニジアのチュニス)1980
A mosque in Tunisia after prayers, 1980
礼拝を終えて(チュニジアのモスク)1980年
A kid at market, Tunisia,1980
市場の少年(チュニジア)1980年
Waiting for the Catch, Kayal Coast, Senega, 1976
水揚げを待つ(セネガルのカヤール海岸)1976年
Dance of Initiation, Ivory Coast, 1976
通過儀礼の踊り(コートジボワール)1976年
The nomad, Ivory Coast, 1976
遊牧民(コートジボワール)1976年
Masai Women, Nairobi, Kenya, 1981
マサイの女性たち(ケニアのナイロビ)1981年

I traveled around Africa several times. To make my memories established, this smllset was made. All photographs were taken by LeicaM4 and NikonF3 using Kodachrome. [Senegal][gambia][Ivory Coast] 1976 LeicaM4 Kodachrome64 [Tunisia] 1980 LeicaM4 Kodachrome64 [Kenya] 1981 NikonF3 Kodachrome64

私はアフリカを何度か旅行しました。その思い出を形に残すために、小さな写真セットを作りました。写真はすべて、ライカM4とニコンF3でコダクロームフィルムを使用して撮影しました。[セネガル][ガンビア][コートジボワール] 1976年 ライカM4 コダクローム64 [チュニジア] 1980年 ライカM4 コダクローム64 [ケニア] 1981年 ニコンF3 コダクローム64

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2026年8月23日

リアルな日常をとらえたスナップショット写真で知られるカルロ・バヴァニョーリ

Giant sable antelopes
Giant sable antelopes roaming the Luanda game preserve
 Carlo Bagnoli

カルロ・バヴァニョーリは、主に国際的なフォトジャーナリズムに焦点を当てた写真家だった。アメリカのグラフ誌『ライフ』(1963年-1972年)のチームの常任メンバーであった、唯一のアメリカ人以外の写真家だった。1932年5月5日、イタリアのピアチェンツァに生まれた。1951年にピアチェンツァで学業を終えた後、弁護士を目指してミラノの法学部に入学した。この頃、ミラノのスカラ座で伝説的な『ライフ』誌の写真家、デビッド・ダグラス・ダンカンと出会った。ダンカンはバヴァニョーリに写真の技術を説明し、バヴァニョーリは「新しい表現手段、世界を見るための新しい手段」に魅了された。当時芸術家や知識人の集いの場であった「ミラノのボヘミアン」のバー、ブレラ通りのジャマイカによく通い、ウーゴ・ムラス、アルファ・カスタルディ、マリオ・ドンデロといった、いずれも20歳で初めて写真家としての道を歩み始めた若者たちと出会い、交流を深めた。こうした出会いが彼の写真への決意と興味に影響を与え、1955年にはミラノに永住することになり、友人であるムラスとドンデロ、そしてルチアーノ・ビアンチャルディと共にソルフェリーノ通りの部屋をシェアするようになった。作家のピノ・コリアスはその時代の目撃者として、著書の中でバヴァニョーリ、ムラス、ドンデロといった「3人の不可分な人物」のグループの希望と目標について語っている。

Ferrari
Tony Parravano observing Ferrari under construction, Modena, 1950s

彼らは厳しい見習い期間や「非常に疲れる生活」にもかかわらず60年代初頭にはすでに確立された写真家であった。そして、バヴァニョーリ(当時ビアンチャルディによる皮肉と示唆に富んだ記事で「カルローネ」「フォトジャーナリスト」と呼ばれた人物の白昼夢の物語を語っているのもまた、その目撃者である。彼は『ライフ』誌に執着」しており、ミラノの新聞社である『コリエレ・デッラ・セラ』『レウロペオ』『エポカ』などに写真を提供する報道写真代理店「インターピックス」でデビューした。フリーランスとしてさまざまな新聞に写真が掲載され続けたおかげで、当時すでに有名になっていたバヴァニョーリは、1956年に週刊誌『エポカ』に採用された。

Praying
People Praying in a Church, Geneva, 1955

この雑誌は、出版者アルベルト・モンダドーリが創刊し、当時エンツォ・ビアージが編集長を務めていた、テキストよりも写真が圧倒的に多い雑誌だった。この雑誌は、ピアチェンツァ出身の写真家が『エポカ』のスタッフの一人である写真家マリオ・デ・ビアージに採用されたのと同じ年に、1956年のハンガリー革命に関する的確な報道記事などのおかげで、当時としては異例の成功と発行部数を達成した。その採用はバヴァニョーリのキャリアの出発点となり、ローマの編集スタッフに配属された彼は、トラステヴェレに関する長期にわたる記録作業を開始し、そのおかげでアメリカの雑誌『ライフ』誌との最初の接触を得て、彼の写真の一部を掲載した。

vegetable market
Men at work in the fruit and vegetable market, Palermo, 1956

第二バチカン公会議の開会、その後の教皇ヨハネ23世の死去、そして教皇パウロ6世の選出に関する出来事を撮影するよう依頼したのは、やはりアメリカの雑誌『ライフ』だった。1964年に 『ライフ』誌はバヴァニョーリを雇い、彼はニューヨークの中央編集局での最初の仕事でアメリカに移住し、こうして権威あるフォトジャーナリズム雑誌と直接契約を結び「スタッフの一員」となった最初で唯一のアメリカ人以外の写真家となった。ニューヨークでの任務に続いて、パリにある『ライフ』誌のヨーロッパ本社に赴任したが、その時期を同誌の効率的な組織力に驚かされた時期として語っているのはバヴァニョーリ自身である。

jacket
Angelo Litrico cutting fabric for a jacket, 1957

その組織力のおかげで、最も重要な記事のために非常に短い時間で「出向く」ことができたのだ。費用は惜しまなかった。チャーチルの葬儀のことを考えてみてほしい。時間通りに締め切るために、彼は巨大なボーイング機をレンタルし、完全に飛行新聞に改造した。編集者は記事を書き、ロールフィルムは飛行中に現像され、グラフィックデザイナーはページをレイアウトした。印刷工場のあるシカゴに到着すると、締め切りに間に合うように準備されていた。週刊誌としての『ライフ』誌の廃刊後、バヴァニョーリは数冊の写真集の出版、作品展の開催、テレビドキュメンタリーの制作に専念した。写真アーカイブ全体は現在、ブッセートのカリパルマ財団の歴史図書館に保存されている。カルロ・バヴァニョーリはヴィテルボで死去、91歳だった。

LIFE  LIFE Magazine's visual record of 20th century by exploring the most iconic photographs

2026年8月22日

写真術における偉大なる達人たち

New Mothers
Sally Mann (born 1951) The New Mothers, Lexington, Virginia, 1989

2021年の秋以来、思いつくまま世界の写真界20~21世紀の達人たちの紹介記事を拙ブログに綴ってきましたが、2026年8月12日現在のリストです。右端の()内はそれぞれ写真家の生年・没年です。左端の年月日をクリックするとそれぞれの掲載ページが開きます。

21/10/06多くの人々に感動を与えたアフリカ系アメリカ人写真家ゴードン・パークスの足跡(1912–2006)
21/10/08グループ f/64 のメンバーだった写真家イモージン・カニンガムは化学を専攻した(1883–1976)
21/10/10圧倒的な才能を持ち現代アメリカの芸術写真を牽引したポール・ストランド(1890–1976)
21/10/11何気ない虚ろなアメリカを旅したスイス生まれの写真家ロバート・フランク(1924–2019)
21/10/13作為を排した新客観主義に触発されたストリート写真の達人ロベール・ドアノー(1912–1994)
21/10/16大恐慌時に農村や小さな町の生活窮状をドキュメントした写真家ラッセル・リー(1903–1986)
21/10/17日記に最後の晩餐という言葉を残して自死した写真家ダイアン・アーバスの黙示録(1923–1971)
21/10/19フォトジャーナリズムの手法を芸術の域に高めた写真家ユージン・スミスの視線(1918–1978)
21/10/24時代の風潮に左右されず独自の芸術観を持ち続けたプラハの詩人ヨゼフ・スデック(1896-1976)
21/10/27西欧美術を米国に紹介した写真家アルフレッド・スティーグリッツの功績(1864–1946)
21/11/01美しいパリを撮影していたウジェーヌ・アジェを「発見」したベレニス・アボット(1898–1991)
21/11/08近代ストレート写真を先導した 20 世紀の写真界の巨匠エドワード・ウェストン(1886–1958)
21/11/10芸術を通じて社会や政治に影響を与えることを目指した写真家アンセル・アダムス(1902–1984)
21/11/13大恐慌を記録したウォーカー・エヴァンスの被写体はその土地固有の様式だった(1903–1975)
21/11/16写真少年ジャック=アンリ・ラルティーグは個展を開いた 69 歳まで無名だった(1894–1986)
21/11/20ハンガリー出身の世界で最も偉大な戦争写真家ロバート・キャパの短い人生(1913–1954)
21/11/25児童労働の惨状を訴えるため現実を正確に捉えた写真家ルイス・ハインの偉業(1874–1940)
21/12/01マグナム・フォトを設立した写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間(1908–2004)
21/12/06犬を人間のいくつかの性質を持っているとして愛撮したエリオット・アーウィット(1928-2023)
21/12/08リチャード・アヴェドンの洗練され権威ある感覚をもたらしたポートレート写真(1923–2004)
21/12/12デザインと産業の統合に集中したバウハウスの写真家ラースロー・モホリ=ナジ(1923–1928)
21/12/17ダダイズムとシュルレアリスムに跨る写真を制作したマン・レイは革新者だった(1890–1976)
21/12/29フォトジャーナリズムに傾倒したアラ・ギュレルの失われたイスタンブル写真素描(1928–2018)
22/01/10ペルーのスタジオをヒントに自然光に拘ったアーヴィング・ペンの鮮明な写真(1917-2009)
22/02/25非現実的なほど歪曲し抽象的な遠近感を生み出した写真家ビル・ブラントのカメラ(1904–1983)
22/03/09男性ヌードや花を白黒で撮影した異端の写真家ロバート・メイプルソープへの賛歌(1946–1989)
22/03/18ニューヨーク近代美術館で写真展「人間家族」を企画したエドワード・スタイケン(1879–1973)
22/03/24公民権運動の影響を記録したキュメンタリー写真家ブルース・デヴッドソンの慧眼(born 1933)
22/04/21社会的弱者に寄り添いエモーショナルに撮影した写真家メアリー・エレン・マーク(1940-2015)
22/05/20早逝した写真家リンダ・マッカートニーはザ・ビートルズのポールの伴侶だった(1941–1998)
22/06/01大都市に変貌する香港を活写して重要な作品群を作り上げたファン・ホーの視線(1931–2016)
22/06/12肖像写真で社会の断面を浮き彫りにしたドキュメント写真家アウグスト・ザンダー(1876–1964)
22/08/01スペイン内戦取材で26歳という若さに散った女性戦争写真家ゲルダ・タローの生涯 (1910–1937)
22/09/16カラー写真を芸術として追及したジョエル・マイヤーウィッツの手腕(born 1938)
22/09/25死と衰退を意味する作品を手がけた女性写真家サリー・マンの感性(born 1951)
22/10/17北海道の風景に恋したイギリス人写真家マイケル・ケンナのモノクロ写真(born 1951)
22/11/06アメリカ先住民を「失われる前に」記録したエドワード・カーティス(1868–1952)
22/11/16大恐慌の写真 9,000 点以上を制作したマリオン・ポスト・ウォルコット(1910–1990)
22/11/18人間の精神の深さを写真に写しとったアルゼンチン出身のペドロ・ルイス・ラオタ (1934-1986)
22/12/10アメリカの生活と社会的問題を描写した写真家ゲイリー・ウィノグランド(1928–1984)
22/12/16没後に脚光を浴びたヴィヴィアン・マイヤーのストリート写真(1926–2009)
22/12/23写真家集団マグナムに参画した初めての女性報道写真家イヴ・アーノルド(1912-2012)
23/03/25写真家フランク・ラインハートのアメリカ先住民のドラマチックで美しい肖像写真(1861-1928)
23/04/13複雑なタブローを構築するシュールレアリスム写真家サンディ・スコグランド(born 1946)
23/04/21キャラクターから自らを切り離したシンディー・シャーマンの自画像(born 1954)
23/05/01震災前のサンフランシスコを記録した写真家アーノルド・ジェンス(1869–1942)
23/05/03メキシコにおけるフォトジャーナリズムの先駆者マヌエル・ラモス(1874-1945)
23/05/05文学と芸術に没頭し超現実主義絵画に着想を得た台湾を代表する写真家張照堂(1943-2024)
23/05/07家族の緊密なポートレイトで注目を集めた写真家エメット・ゴウィン(born 1941)
23/05/22欲望やジェンダーの境界を無視したクロード・カアンのセルフポートレイト(1894–1954)
23/05/2520世紀初頭のアメリカの都市改革に大きく貢献したジェイコブ・リース(1849-1914)
23/06/05都市の社会風景という視覚的言語を発展させた写真家リー・フリードランダー(born 1934)
23/06/13写真芸術の境界を広げた暗室の錬金術師ジェリー・ユルズマンの神技(1934–2022)
23/06/15強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人を撮影したドロシア・ラング(1895–1965)
23/06/20劇的な国際的シンボルとなった「プラハの春」を撮影したヨゼフ・コウデルカ(born 1958)
23/06/24警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー(1899–1968)
23/07/03フォトジャーナリズムの父アルフレッド・アイゼンシュタットの視線(1898–1995)
23/07/06ハンガリーの芸術家たちとの交流が反映されたアンドレ・ケルテスの作品(1894-1985)
23/07/08家族が所有する島で野鳥の写真を撮り始めたエリオット・ポーター(1901–1990)
23/07/08戦争と苦しみを衝撃的な力でとらえた報道写真家ドン・マッカラン(born 1935)
23/07/17夜のパリに漂うムードに魅了されていたハンガリー出身の写真家ブラッサイ(1899–1984)
23/07/2020世紀の著名人を撮影した肖像写真家の巨星ユーサフ・カーシュ(1908–2002)
23/07/22メキシコの革命運動に身を捧げた写真家ティナ・モドッティのマルチな才能(1896–1942)
23/07/24ロングアイランド出身のマルクス主義者を自称する写真家ラリー・フィンク(born 1941)
23/08/01アフリカ系アメリカ人の芸術的な肖像写真を制作したコンスエロ・カナガ(1894–1978)
23/08/04ヒトラーの地下壕の写真を世界に初めて公開したウィリアム・ヴァンディバート(1912-1990)
23/08/06タイプライターとカメラを同じように扱った写真家カール・マイダンス(1907–2004)
23/08/08ファッションモデルから戦場フォトャーナリストに転じたリー・ミラーの生涯(1907-1977)
23/08/14ニコンのレンズを世界に知らしめたデイヴィッド・ダグラス・ダンカンの功績(1907-2007)
23/08/18超現実的なインスタレーションアートを創り上げたサンディ・スコグランド(born 1946)
23/08/20シカゴの街角やアメリカ史における重要な瞬間を再現した写真家アート・シェイ(1922–2018)
23/08/22大恐慌時代の FSA プロジェクト 最初の写真家アーサー・ロススタイン(1915-1986)
23/08/25カメラの焦点を自分たちの生活に向けるべきと主張したハリー・キャラハン(1912-1999)
23/09/08イギリスにおけるフォトジャーナリズムの先駆者クルト・ハットン(1893–1960)
23/10/06ロシアにおけるデザインと構成主義創設者だったアレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956)
23/10/18物事の本質に近づくための絶え間ない努力を続けた写真家ウィン・バロック(1902–1975)
23/10/27先見かつ斬新な作品により写真史に大きな影響を与えたウィリアム・クライン(1926–2022)
23/11/09アパートの窓から四季の移り変わりの美しさなどを撮影したルース・オーキン(1921-1985)
23/11/15死や死体の陰翳が纏わりついた写真家ジョエル=ピーター・ウィトキンの作品(born 1939)
23/12/01近代化により消滅する前のパリの建築物や街並みを記録したウジェーヌ・アジェ(1857-1927)
23/12/15同時代で最も有名で最も知られていないストリート写真家のヘレン・レヴィット(1913–2009)
23/12/20哲学者であることも写真家であることも認めなかったジャン・ボードリヤール(1929-2007)
24/01/08音楽や映画など多岐にわたる分野で能力を発揮した写真家ジャック・デラーノ(1914–1997)
24/02/25シチリア出身のイタリア人マグナム写真家フェルディナンド・スキアンナの視座(born 1943)
24/03/21パリで花開いたロシア人ファッション写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900–1968)
24/04/04報道写真家として自活することに成功した最初の女性の一人エスター・バブリー(1921-1998)
24/04/20長時間露光により時間の多層性を浮かび上がらせたアレクセイ・ティタレンコ(born 1962)
24/04/2820世紀後半のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(born 1930)
24/04/30トルコの古い伝統の記憶を守り続ける女性写真家 F・ディレク・ウヤル(born 1976)
24/05/01ファッション写真に大きな影響を与えたデヴィッド・ザイドナーの短い生涯(1957-1999)
24/05/08社会の鼓動を捉えたいという思いで写真家になったリチャード・サンドラー(born 1946)
24/05/10直接的で妥協がないストリート写真の巨匠レオン・レヴィンシュタイン(1910–1988)
24/05/12自らの作品を視覚的な物語と定義している写真家スティーヴ・マッカリー(born 1950)
24/05/14多様な芸術の影響を受け写真家の視点を形作ったアンドレアス・ファイニンガー(1906-1999)
24/05/16芸術的表現により繊細な目を持つ女性写真家となったマルティーヌ・フランク(1938-2012)
24/05/18ドキュメンタリー写真をモノクロからカラーに舵を切ったマーティン・パー(born 1952)
24/05/21先駆的なグラフ誌『ピクチャー・ポスト』を主導した写真家バート・ハーディ(1913-1995)
24/05/24グラフ誌『ライフ』に30年間投稿し続けたロシア生まれの写真家リナ・リーン(1914-1995)
24/05/27旅する写真家として20世紀後半の歴史に残る象徴的な作品を制作したルネ・ブリ(1933-2014)
24/05/29高速ストロボスコープ写真を開発したハロルド・ユージン・エジャートン(1903-1990)
24/06/03一般市民とそのささやかな瞬間を撮影したオランダの写真家ヘンク・ヨンケル(1912-2002)
24/06/10ラージフォーマット写真のデジタル処理で成功したアンドレアス・グルスキー(born 1955)
24/06/26レンズを通して親密な講釈と被写体の声を伝えてきた韓国出身のユンギ・キム(born 1962)
24/07/05演出されたものではなく現実的なファッション写真を開発したトニ・フリッセル(1907-1988)
24/07/07スウィンギング60年代のイメージ形成に貢献した写真家デイヴィッド・ベイリー(born 1938)
24/07/13著名人からから小さな町の人々まで撮影してきた写真家マイケル・オブライエン(born 1950)
24/07/14人々のドラマが宿る都市のカラー写真を制作したコンスタンティン・マノス(born 1934)
24/08/04写真家集団「マグナム・フォト」所属するただ一人の日本人メンバー久保田博二(born 1939)
24/08/08ロバート・F・ケネディの死を悼む人々を葬儀列車から捉えたポール・フスコ(1930–2020)
24/08/13クリスティーナ・ガルシア・ロデロが話したいのは時間も終わりもない出来事だ(born 1949)
24/08/30ドキュメンタリーと芸術の境界を歩んだカラー写真の先駆者エルンスト・ハース(1921–1986)
24/09/01国際的写真家集団マグナム・フォトの女性写真家スーザン・メイゼラスの視線(born 1948)
24/09/09アパルトヘイトの悪と日常的な社会への影響を記録したアーネスト・コール(1940–1990)
24/09/14宗教的または民俗的な儀式に写真撮影の情熱を注ぎ込んだラモン・マサッツ(1931-2024)
24/09/23アメリカで最も有名な無名の写真家と呼ばれたエヴリン・ホーファー(1922–2009)
24/09/25自身を「大義を求める反逆者」と表現した写真家マージョリー・コリンズ(1912-1985)
24/09/27北海道の小さな町にあった営業写真館を継がず写真芸術の道を歩んだ深瀬昌久(1934-2012)
24/10/01現代アメリカの風変わりで平凡なイメージに焦点を当てた写真家アレック・ソス(born 1969)
24/10/04微妙なテクスチャーの言語を備えた異次元の写真を追及したアーサー・トレス(born 1940)
24/10/06オーストリア系イギリス人のエディス・チューダー=ハートはソ連のスパイだった(1908-1973)
24/10/08映画の撮影監督でもあったドキュメンタリー写真家ヴォルフガング・スシツキー(1912–2016)
24/10/15芸術のレズビアン・サブカルチャーに深く関わった写真家ルース・ベルンハルト(1905–2006)
24/10/19ランド・アートを通じて作品を地球と共同制作するアンディ・ゴールドワージー (born 1956)
24/10/29公民権運動の活動に感銘し刑務所制度の悲惨を描写した写真家ダニー・ライアン (born 1942)
24/11/01人間の状態と現在の出来事を記録するストリート写真家ピータ―・ターンリー (born 1955)
24/11/04写真を通じて現代の社会的状況を改善することに専念したアーロン・シスキンド(1903-1991)
24/11/07自然と植物の成長にインスピレーションを受けた写真家カール・ブロスフェルト(1865-1932)
24/11/09ストリート写真で知られているリゼット・モデルは教える才能を持っていた(1901-1983)
24/11/11カラー写真が芸術として認知されるようになった功労者ウィリアム・エグルストン(born 1939)
24/11/13革命後のメキシコ復興の重要人物だった写真家ローラ・アルバレス・ブラボー(1903-1993)
24/11/15チリの歴史上最も重要な写真家であると考えられているセルヒオ・ララインの視座(1931-2012)
24/11/19イギリスのアンリ・カルティエ=ブレッソンと評されたジェーン・ボウン(1925-2014)
24/11/25カラー写真の先駆者ソール・ライターは戦後写真界の傑出した人物のひとりだった(1923–2013)
24/11/25サム・フォークがニューヨーク・タイムズに寄せた写真は鮮烈な感覚をもたらした(1901-1991)
24/11/29ゲイ解放運動の活動家だったトランスジェンダーの写真家ピーター・ヒュージャー(1934–1987)
24/12/01複数の芸術的才能に恵まれていた華麗なるファッション写真家セシル・ビートン(1904–1980)
24/12/05ライフ誌と空軍で活躍した女性初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
24/12/07愛と美を鮮明に捉えたロマン派写真家エドゥアール・ブーバの平和への眼差し(1923–1999)
24/12/10保守的な政治体制と対立しながら自由のために写真を手段にしたエヴァ・ペスニョ(1910–2003)
24/12/15自然環境における人間の姿を研究することに関心を寄せた写真家マイケル・ぺト(1908-1970)
24/12/20ベトナム戦争中にナパーム弾攻撃から逃げる子供たちを撮影したニック・ウット(born 1951)
25/01/06記録映画の先駆者であり前衛映画製作者でもあった写真家ラルフ・スタイナー(1899–1986)
25/01/10アメリカ西部を占める文化の多様性を反映した写真家ローラ・ウィルソンの足跡(born 1939)
25/01/15フランスの人文主義写真運動で活躍したスイス系フランス人ザビーネ・ヴァイス(1924–2021)
25/02/03サルバドール・ダリとの共作でシュールな写真を創出したフィリップ・ハルスマン(1906–1979)
25/02/06ベトナム戦争に対する懸念を形にした写真家フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(1936-2008)
25/02/18芸術に複数の糸を持っていたシュルレアリスムの写真家エミール・サヴィトリー(1903-1967)
25/03/19シュルレアリスムの先駆的な写真家でピカソのモデルで恋人だったドラ・マール(1907-1997)
25/03/25ホロコースト前の東欧のユダヤ人社会を記録した写真家ローマン・ヴィスニアック(1897-1990)
25/04/01ソーシャルワーカーからライフ誌の専属写真家に転じたウォレス・カークランド(1891–1979)
25/04/04写真家ビル・エプリッジは20世紀で最も優れたフォトジャーナリストの一人だった(1938-2013)
25/04/25ロバート・キャパの弟で総合施設国際写真センターを設立したコーネル・キャパ(1918-2008)
25/05/01激動1960年代の音楽家たちをキャプチャーした写真家エリオット・ランディの慧眼(born 1942)
25/05/23生まれ故郷ブラジルの熱帯雨林アマゾン川流域へのセバスチャン・サルガドの視座(1944-2025)
25/06/22風景への畏敬の念と激動の気象現象への驚異が伝わるミッチ・ドブラウナーの写真(born 1956)
25/07/26ティンタイプ写真でアパラチアの伝承音楽家に焦点を当てたリサ・エルマーレ(born 1984)
25/08/03色彩の卓越した表現を通して写真というジャンルを超越したデビッド・ラシャペル(born 1963)
25/08/20ヨーロッパ解放やコンゴ紛争などでの勇敢な取材で知られるドミトリ・ケッセル(1902–1995)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/08アパラチアや南東部の農村地帯の人々の肖像写真で知られているドリス・ウルマン(1882-1934)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/15指導者であり預言者であり歴史家であり学者だった写真家ジョン・ローエンガード(1934-2020)
25/09/17女性を客体ではなく主体として描写した写真家エレン・フォン・アンワースの視線(born 1954)
25/09/22精巧に演出された赤ちゃんたちの愛らしい写真で世界的に評価されるアン・ゲデス(born 1956)
25/09/26エロティックで都会的なスタイルの頂点を極めた写真家ヘルムート・ニュートン(1920-2004)
25/10/06モデルからファッション写真家に転じたスリランカ系英国人ナイジェル・バーカー(born 1972)
25/10/15ヴィクトリア朝イギリスで最も有名な写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)
25/10/17革新的手法を用いたドイツ系ユダヤ人写真家エーリッヒ・ザロモンの悲劇的な運命(1886-1944)
25/10/20地球の環境破壊と気候変動の壊滅的な影響を明瞭に伝える写真家ニック・ブラント(born 1964)
25/10/23政治家や作家など世界の重要人物の精緻な肖像写真を撮影したユーサフ・カーシュ(1908-2002)
25/10/26直面する不正義と対峙するパレスチナ系オランダ人写真家サキル・カデルの眼差し(born 1990)
25/11/12目に見えない鳥の飛行経路を可視化した作品で知られる写真家シャビ・ボウの秘技(born 1979)
25/11/18自身の文化的環境を探求したメキシコを代表する写真家グラシエラ・イトゥルビデ(born 1942)
25/11/25フォトルポルタージュの新たな時代を築いたスペインの写真家ラモン・マサッツ(1931-2024)
25/12/10畏敬の対象となる自然風景および聖なる場所を崇拝した風景写真家リンダ・コナー(born 1944)
25/12/23インド初の女性報道写真家で独立国家への変遷を記録したホマイ・ヴィヤラワラ(1913-2012)
26/01/04モデルから転身した写真家サラ・ムーンの雰囲気により際立った印象派的な作品(born 1941)
26/01/07音楽に合わせた写真「ドリーム・ピクチャーズ」で知られるブランソン・デク―(1892-1941)
26/01/22技術者の客観性と技術的志向を写真撮影に反映させたエミール・ハイルボルン(1900-2003)
26/01/26芸術的側面と社会的な側面の二つの特質を最適に供えた女性写真家アタ・カンドー(1913-2017)
26/03/05戦争や貧困など社会の底辺を記録して世界的な評価を得た写真家ドン・マッカラン(born 1935)
26/03/22カメラで芸術的インスピレーションを追求した写真家リオ・ディジローラモの軌跡(1934–2019)
26/05/05写真界では神童のような存在と見なされた巨匠ハロルド・ファインスタイン (1931-2015)
26/05/22形式と感情の巨匠:ドイツ人写真家トニ・シュナイダース不朽の遺産(1920-2006)
26/06/07スコットランド出身の華麗なるプリントのレジェンド写真家アルバート・ワトソン(born 1942)
26/06/11目撃者であることだけで十分かと自らを問いつめた夭折の報道写真家ジル・カロン(1939-1970)
26/06/23困難な状況下での撮影のための新しいツールを開発した写真家 J・R・アイヤーマン(1906-1985)
26/06/25イメージを通じて抽象的な科学的概念を幅広い層に伝えた写真家フリッツ・ゴロ(1901-1986)
26/07/05フランスにおけるピクトリアリズム運動の主な提唱者だったコンスタン・ピュヨー(born 1979)
26/07/16忘れ去られたものの転生としてのヌード作品を制作する写真家ルスラン・ロバノフ(born 1979)
26/07/21スノードン卿が「イギリスのカルティエ=ブレッソン」称えたジェーン・バウン(1921-2014)
26/07/31ピクトリアリスムからストレート写真に移行する日本の写真界を牽引した野島康三(1889-1964)
26/08/01北海道の小さな町にあった営業写真館を継がず写真芸術の道を歩んだ深瀬昌久(1934-2012)
26/08/04芸術を通して時代の記憶を構築したアルゼンチンを代表する写真家サラ・ファシオ(1932–2024)
26/08/05根源的な問いに向き合う日本を代表するストリート写真のレジェンダリー森山大道(born 1938)
26/08/08時間が日常の物や表面にどのような痕跡を残すのかを探求し続けてきた石内都(born 1947)
26/08/09若くして自死した写真家フランチェスカ・ウッドマンの脆くも美しい作品たち(1958-1981)
26/08/12影響力のある雑誌で女性写真家として活躍したドイツ系アメリカ人リサ・ラーセン(1925-1959)
26/08/17写真家としての直感と創造性を示す数々の写真を後世に残したマーサ・ホームズ(1923-2006)
26/08/22写真家としてのリアルな日常をとらえたスナップで知られるバヴァニョーリ(1932-2024)

子供の頃「明治は遠くなりにけり」という言葉を耳にした記憶がありますが、今まさに「20世紀は遠くなりにけり」の感があります。掲載した作品の大半がモノクロ写真で、カラー写真がわずかのなのは偶然ではないような気がします。20世紀のアートの世界ではモノクロ写真が主流だったからです。しかしデジタルカメラが主流になった21世紀、カラー写真の台頭に目覚ましいものがあります。ジョエル・マイヤーウィッツとサンディ・スコグランド、ジャン・ボードリヤール、 F・ディレク・ウヤル、マーティン・パー、コンスタンティン・マノス、久保田博二、ポール・フスコ、エルンスト・ハース、エヴリン・ホーファー、アレック・ソス、アンディ・ゴールドワージー、ウィリアム・エグルストン、ソール・ライタ、フリッツ・ゴロなどのカラー作品を取り上げました。

photography  Famous Photographers: Great photographs can elicit thoughts, feelings, and emotions.

ネパールのコシ・タップ野生動物保護地区が中央アジアの渡り鳥ルートで果たす重要な役割

Bar-headed Goose
インドガン

野鳥の生態調査や絶滅危惧種の保護など、国際的な連携を担う世界最大規模の自然保全パートナーシップの一つとして知られる非政府組織バードライフ・インターナショナルの記事「中央アジア渡り鳥ルートにおけるオジロワシとインドガンにとっての重要生物多様性地域の役割」の抄訳をお届けします。

世界中で、数十億羽の鳥が「渡り鳥のルート」と呼ばれる空の高速道路を渡り、遠く離れた文化、風景、生態系を結びつけている。地球上の主要な渡り鳥のルートの一つが中央アジア渡り鳥ルートである。このルートは600種以上の鳥にとって重要なものであり、中央アジア、モンゴル、シベリアの繁殖地と、南アジア、中東、インド洋の島々の越冬地を結んでいる。バードライフが中央アジア渡り鳥ルートの優先保護地域として指定した場所の一つが、ネパールのコシ・タップ野生生物保護区(KTWR)である。重要生物多様性地域(KBA)および重要鳥類・生物多様性地域(IBA)に指定されているこの保護区は、空を旅する鳥類にとって命を守る聖域となっている。コシ・タップは、その重要性から2005年に重要野鳥生息地(IBA)に指定され、その後、中央アジア渡り鳥ルート全体で最も種多様性に富んだ場所の一つであり、535種もの鳥類が生息していることから、歴史的重要野鳥生息地(KBA)にも認定された。その戦略的重要性は、ヒマラヤ山脈の南斜面に位置する地理的条件によって決まる。

Koshi Tappu Wildlife Reserve, Nepal
ネパールのコシ・タップ野生生物保護区

渡り鳥にとってこれらの山々は巨大な自然の障壁となっている。このような状況において、コシ・タップは、鳥たちが高地を横断する前後に休息し、回復するための重要な補給拠点としての役割を果たしている。渡りルートを横断する驚くべき鳥類の中でも、インドガンは特に注目すべき存在だ。彼らは生涯に何度も高高度を飛行し、ヒマラヤ山脈を越えるという自然界で最も驚異的な偉業の一つを成し遂げる。酸素の薄い空気でも呼吸できる独自の身体能力を備え、空気が冷たく密度の高い時間帯を戦略的に選んで飛行する。中央アジア渡りルートを利用するインドガンをはじめとする様々な鳥類にとって、保護区の中心部の22%以上を占めるコシ・タップ湿地は、生存に不可欠な場所となっている。コシ・タップを中継地および越冬地として利用するもう一つの驚くべき渡り鳥は、オジロワシである。標高6,000メートルを超える高地まで飛翔するこの鳥は、インド北部、バングラデシュ、ミャンマー、ブータンで繁殖し、繁殖期以外にはヒマラヤ山脈の北側、カザフスタン、ロシア、モンゴルへと分散する。オジロワシは IUCN(国際自然保護連合)で絶滅危惧種に指定されており、生息地の喪失、劣化、攪乱によって脅かされている。

Pallas's fish eagle
キガシラウミワシ

コシ・タップ野生生物保護区はネパール政府の国立公園・野生生物保護局によって管理されており、その緩衝地帯は生物多様性の保護、湿地の保全、地域社会の生計向上に重点を置いた緩衝地帯利用者委員会によって管理されている。バードライフ・インターナショナルのネパールにおけるパートナーである BCN(バード・コンサベーション・ネパール)は、これらの取り組みを支援している。BCN は政府や地域社会と協力して渡り鳥の生息地の改善に取り組んでいます。その取り組みには、意識向上、能力強化、保全行動計画などの政策支援、地域社会の生計向上のための外来種の活用、保護区の中核資源への違法な圧力を軽減するための持続可能な漁業の促進などが含まれます。バードライフは現在、公園が提供する生態系サービスを評価し、社会的に疎外された地域社会に必要な生計向上策を特定する BCN のプロジェクトを支援している。バードライフ・インターナショナルは、渡り鳥の保護に大きな効果をもたらす独自の地域から地球規模へのアプローチを活用し、渡り鳥ルート全体にわたる他の保全活動も支援している。

Ogii Lake, Mongolia
モンゴルのオギイ湖のハシブトガン

バードライフ・インターナショナルは、CMS事務局と協力して中央アジア渡り鳥ルートの包括的な現状分析を作成し、この地域の鳥類の保全状況と直面する脅威に関する事実に基づいた基礎情報を提供している。この分析に基づき、パートナーシップは中央アジア渡り鳥ルート専用の戦略を策定しました。この戦略は、複数の地域にわたる活動を単一の枠組みに統合し、渡り鳥ルート規模での課題に対処するものです。このプログラムの重要な要素は、渡り鳥にとっての重要性と直面する脅威のレベルに基づいて、直ちに保全活動を行うべき32の優先サイトを特定することです。コシ・タップ野生生物保護区は、これら32の中央アジア渡り鳥ルート優先サイトの1つとして指定されており、バードライフの地域保全活動の重要な焦点となっている。渡り鳥が繁栄し、安全に休息、栄養補給、そして避難できる場所を確保するためには、彼らが依存する重要な拠点を保全することが不可欠である。コシ・タップのような重要な拠点を守ることで、次世代の渡り鳥のために空のハイウェイが開かれたままとなることを保証できるのである。下記リンク先は本稿の原文です。

BirdLife  Koshi Tappu Wildlife Reserve's Vital Role in the Central Asian Flyway | The BirdLife int'l