2026年5月6日

世界史遠望(4)ケネディによるキューバ危機の回避

Cuban Missile Crisis
キューバ危機:世界が終わりかけた13日間

冷戦の最盛期、1962年10月の2週間、世界は核戦争の瀬戸際に立たされた。その年の秋、ソ連はニキータ・フルシチョフ首相の命令により、アメリカからわずか90マイル(約145キロ)のキューバに核攻撃部隊を秘密裏に配備し始めた。アメリカとソ連が核戦争の瀬戸際に立たされたのである。アメリカのU-2偵察機が、ソ連がキューバ島に建設していた核ミサイル基地を秘密裏に撮影した。ジョン・F・ケネディ大統領は、ソ連とキューバにミサイル発見の事実を知られたくなかった。彼は数日間、顧問たちと秘密裏に会合を開き、この問題について話し合った。ネディ大統領はミサイル配備は容認できないとし、撤去を強く求めた。フルシチョフはこれを拒否した。この膠着状態は核戦争寸前まで至り、米国では「キューバ危機」として記憶されている。数々の長く困難な会談を経て、ケネディ大統領はキューバ周辺に海上封鎖、すなわち艦隊による環状防衛を敷くことを決定した。彼が「離と呼んだこの措置の目的は、ソ連がこれ以上軍事物資をキューバに持ち込むのを阻止することであった。既に配備されているミサイルの撤去と、ミサイル基地の破壊を要求した。10月22日、ケネディ大統領はテレビ演説で国民に対し、この危機について語った。ソ連の指導者ニキータ・フルシチョフが海上封鎖とアメリカの要求にどう対応するかは誰にも分からなかった。しかし両超大国の指導者は核戦争の壊滅的な可能性を認識し、ソ連が兵器基地を解体する代わりにアメリカがキューバ侵攻を行わないという合意に公然と同意した。

JFK
キューバ危機の間ケネディ大統領は米陸軍関係者と会談した

25年以上秘密にされていた別の合意では、アメリカはトルコから核ミサイルを撤去することにも同意した。ソ連はキューバからミサイルを撤去したものの、軍事兵器の増強を加速させた。ミサイル危機は終結したが、軍拡競争は終わらなかった。1963年、ソ連とアメリカ合衆国の間の緊張緩和の兆しが見られた。ケネディ大統領はアメリカン大学の卒業式での演説で、アメリカ国民に対し冷戦時代の固定観念や神話を再検討するよう促し、多様性を尊重する平和戦略を提唱した。また、両超大国間の関係改善を示す二つの出来事があった。一つはクレムリンとホワイトハウスの間にテレタイプによる「ホットライン」が設置されたこと、もう一つは1963年7月25日に部分的核実験禁止条約が調印されたことである。ソ連との危機を平和的に解決したことは、ケネディ大統領の最大の功績の一つとされている。ケネディ大統領は、就任演説とは全く異なる言葉遣いで、1963年6月にアメリカ国民に「結局のところ、私たちに共通する最も基本的な絆は、皆がこの小さな惑星に住んでいるということだ。皆同じ空気を吸っている。皆、子供たちの未来を大切に思っている。そして、皆、いつかは死ぬ運命にある」と語りかけた。下記リンク先はジョン・F・ケネディ 大統領図書館・博物館の解説「キューバ危機」です。

Kennedy Museum Cuban Missile Crisis | John F. Kennedy Presidential Library and Museum, March 31, 2026

2026年5月5日

写真術における偉大なる達人たち

© Pedro Luis Raota
Pedro Luis Raota (1934-1986) "Lost Childhood" Argentina, Date unknown

2021年の秋以来、思いつくまま世界の写真界20~21世紀の達人たちの紹介記事を拙ブログに綴ってきましたが、2026年5月5日現在のリストです。右端の()内はそれぞれ写真家の生年・没年です。左端の年月日をクリックするとそれぞれの掲載ページが開きます。

21/10/06多くの人々に感動を与えたアフリカ系アメリカ人写真家ゴードン・パークスの足跡(1912–2006)
21/10/08グループ f/64 のメンバーだった写真家イモージン・カニンガムは化学を専攻した(1883–1976)
21/10/10圧倒的な才能を持ち現代アメリカの芸術写真を牽引したポール・ストランド(1890–1976)
21/10/11何気ない虚ろなアメリカを旅したスイス生まれの写真家ロバート・フランク(1924–2019)
21/10/13作為を排した新客観主義に触発されたストリート写真の達人ロベール・ドアノー(1912–1994)
21/10/16大恐慌時に農村や小さな町の生活窮状をドキュメントした写真家ラッセル・リー(1903–1986)
21/10/17日記に最後の晩餐という言葉を残して自死した写真家ダイアン・アーバスの黙示録(1923–1971)
21/10/19フォトジャーナリズムの手法を芸術の域に高めた写真家ユージン・スミスの視線(1918–1978)
21/10/24時代の風潮に左右されず独自の芸術観を持ち続けたプラハの詩人ヨゼフ・スデック(1896-1976)
21/10/27西欧美術を米国に紹介した写真家アルフレッド・スティーグリッツの功績(1864–1946)
21/11/01美しいパリを撮影していたウジェーヌ・アジェを「発見」したベレニス・アボット(1898–1991)
21/11/08近代ストレート写真を先導した 20 世紀の写真界の巨匠エドワード・ウェストン(1886–1958)
21/11/10芸術を通じて社会や政治に影響を与えることを目指した写真家アンセル・アダムス(1902–1984)
21/11/13大恐慌を記録したウォーカー・エヴァンスの被写体はその土地固有の様式だった(1903–1975)
21/11/16写真少年ジャック=アンリ・ラルティーグは個展を開いた 69 歳まで無名だった(1894–1986)
21/11/20ハンガリー出身の世界で最も偉大な戦争写真家ロバート・キャパの短い人生(1913–1954)
21/11/25児童労働の惨状を訴えるため現実を正確に捉えた写真家ルイス・ハインの偉業(1874–1940)
21/12/01マグナム・フォトを設立した写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間(1908–2004)
21/12/06犬を人間のいくつかの性質を持っているとして愛撮したエリオット・アーウィット(1928-2023)
21/12/08リチャード・アヴェドンの洗練され権威ある感覚をもたらしたポートレート写真(1923–2004)
21/12/12デザインと産業の統合に集中したバウハウスの写真家ラースロー・モホリ=ナジ(1923–1928)
21/12/17ダダイズムとシュルレアリスムに跨る写真を制作したマン・レイは革新者だった(1890–1976)
21/12/29フォトジャーナリズムに傾倒したアラ・ギュレルの失われたイスタンブル写真素描(1928–2018)
22/01/10ペルーのスタジオをヒントに自然光に拘ったアーヴィング・ペンの鮮明な写真(1917-2009)
22/02/25非現実的なほど歪曲し抽象的な遠近感を生み出した写真家ビル・ブラントのカメラ(1904–1983)
22/03/09男性ヌードや花を白黒で撮影した異端の写真家ロバート・メイプルソープへの賛歌(1946–1989)
22/03/18ニューヨーク近代美術館で写真展「人間家族」を企画したエドワード・スタイケン(1879–1973)
22/03/24公民権運動の影響を記録したキュメンタリー写真家ブルース・デヴッドソンの慧眼(born 1933)
22/04/21社会的弱者に寄り添いエモーショナルに撮影した写真家メアリー・エレン・マーク(1940-2015)
22/05/20早逝した写真家リンダ・マッカートニーはザ・ビートルズのポールの伴侶だった(1941–1998)
22/06/01大都市に変貌する香港を活写して重要な作品群を作り上げたファン・ホーの視線(1931–2016)
22/06/12肖像写真で社会の断面を浮き彫りにしたドキュメント写真家アウグスト・ザンダー(1876–1964)
22/08/01スペイン内戦取材で26歳という若さに散った女性戦争写真家ゲルダ・タローの生涯 (1910–1937)
22/09/16カラー写真を芸術として追及したジョエル・マイヤーウィッツの手腕(born 1938)
22/09/25死と衰退を意味する作品を手がけた女性写真家サリー・マンの感性(born 1951)
22/10/17北海道の風景に恋したイギリス人写真家マイケル・ケンナのモノクロ写真(born 1951)
22/11/06アメリカ先住民を「失われる前に」記録したエドワード・カーティス(1868–1952)
22/11/16大恐慌の写真 9,000 点以上を制作したマリオン・ポスト・ウォルコット(1910–1990)
22/11/18人間の精神の深さを写真に写しとったアルゼンチン出身のペドロ・ルイス・ラオタ (1934-1986)
22/12/10アメリカの生活と社会的問題を描写した写真家ゲイリー・ウィノグランド(1928–1984)
22/12/16没後に脚光を浴びたヴィヴィアン・マイヤーのストリート写真(1926–2009)
22/12/23写真家集団マグナムに参画した初めての女性報道写真家イヴ・アーノルド(1912-2012)
23/03/25写真家フランク・ラインハートのアメリカ先住民のドラマチックで美しい肖像写真(1861-1928)
23/04/13複雑なタブローを構築するシュールレアリスム写真家サンディ・スコグランド(born 1946)
23/04/21キャラクターから自らを切り離したシンディー・シャーマンの自画像(born 1954)
23/05/01震災前のサンフランシスコを記録した写真家アーノルド・ジェンス(1869–1942)
23/05/03メキシコにおけるフォトジャーナリズムの先駆者マヌエル・ラモス(1874-1945)
23/05/05文学と芸術に没頭し超現実主義絵画に着想を得た台湾を代表する写真家張照堂(1943-2024)
23/05/07家族の緊密なポートレイトで注目を集めた写真家エメット・ゴウィン(born 1941)
23/05/22欲望やジェンダーの境界を無視したクロード・カアンのセルフポートレイト(1894–1954)
23/05/2520世紀初頭のアメリカの都市改革に大きく貢献したジェイコブ・リース(1849-1914)
23/06/05都市の社会風景という視覚的言語を発展させた写真家リー・フリードランダー(born 1934)
23/06/13写真芸術の境界を広げた暗室の錬金術師ジェリー・ユルズマンの神技(1934–2022)
23/06/15強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人を撮影したドロシア・ラング(1895–1965)
23/06/20劇的な国際的シンボルとなった「プラハの春」を撮影したヨゼフ・コウデルカ(born 1958)
23/06/24警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー(1899–1968)
23/07/03フォトジャーナリズムの父アルフレッド・アイゼンシュタットの視線(1898–1995)
23/07/06ハンガリーの芸術家たちとの交流が反映されたアンドレ・ケルテスの作品(1894-1985)
23/07/08家族が所有する島で野鳥の写真を撮り始めたエリオット・ポーター(1901–1990)
23/07/08戦争と苦しみを衝撃的な力でとらえた報道写真家ドン・マッカラン(born 1935)
23/07/17夜のパリに漂うムードに魅了されていたハンガリー出身の写真家ブラッサイ(1899–1984)
23/07/2020世紀の著名人を撮影した肖像写真家の巨星ユーサフ・カーシュ(1908–2002)
23/07/22メキシコの革命運動に身を捧げた写真家ティナ・モドッティのマルチな才能(1896–1942)
23/07/24ロングアイランド出身のマルクス主義者を自称する写真家ラリー・フィンク(born 1941)
23/08/01アフリカ系アメリカ人の芸術的な肖像写真を制作したコンスエロ・カナガ(1894–1978)
23/08/04ヒトラーの地下壕の写真を世界に初めて公開したウィリアム・ヴァンディバート(1912-1990)
23/08/06タイプライターとカメラを同じように扱った写真家カール・マイダンス(1907–2004)
23/08/08ファッションモデルから戦場フォトャーナリストに転じたリー・ミラーの生涯(1907-1977)
23/08/14ニコンのレンズを世界に知らしめたデイヴィッド・ダグラス・ダンカンの功績(1907-2007)
23/08/18超現実的なインスタレーションアートを創り上げたサンディ・スコグランド(born 1946)
23/08/20シカゴの街角やアメリカ史における重要な瞬間を再現した写真家アート・シェイ(1922–2018)
23/08/22大恐慌時代の FSA プロジェクト 最初の写真家アーサー・ロススタイン(1915-1986)
23/08/25カメラの焦点を自分たちの生活に向けるべきと主張したハリー・キャラハン(1912-1999)
23/09/08イギリスにおけるフォトジャーナリズムの先駆者クルト・ハットン(1893–1960)
23/10/06ロシアにおけるデザインと構成主義創設者だったアレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956)
23/10/18物事の本質に近づくための絶え間ない努力を続けた写真家ウィン・バロック(1902–1975)
23/10/27先見かつ斬新な作品により写真史に大きな影響を与えたウィリアム・クライン(1926–2022)
23/11/09アパートの窓から四季の移り変わりの美しさなどを撮影したルース・オーキン(1921-1985)
23/11/15死や死体の陰翳が纏わりついた写真家ジョエル=ピーター・ウィトキンの作品(born 1939)
23/12/01近代化により消滅する前のパリの建築物や街並みを記録したウジェーヌ・アジェ(1857-1927)
23/12/15同時代で最も有名で最も知られていないストリート写真家のヘレン・レヴィット(1913–2009)
23/12/20哲学者であることも写真家であることも認めなかったジャン・ボードリヤール(1929-2007)
24/01/08音楽や映画など多岐にわたる分野で能力を発揮した写真家ジャック・デラーノ(1914–1997)
24/02/25シチリア出身のイタリア人マグナム写真家フェルディナンド・スキアンナの視座(born 1943)
24/03/21パリで花開いたロシア人ファッション写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900–1968)
24/04/04報道写真家として自活することに成功した最初の女性の一人エスター・バブリー(1921-1998)
24/04/20長時間露光により時間の多層性を浮かび上がらせたアレクセイ・ティタレンコ(born 1962)
24/04/2820世紀後半のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(born 1930)
24/04/30トルコの古い伝統の記憶を守り続ける女性写真家 F・ディレク・ウヤル(born 1976)
24/05/01ファッション写真に大きな影響を与えたデヴィッド・ザイドナーの短い生涯(1957-1999)
24/05/08社会の鼓動を捉えたいという思いで写真家になったリチャード・サンドラー(born 1946)
24/05/10直接的で妥協がないストリート写真の巨匠レオン・レヴィンシュタイン(1910–1988)
24/05/12自らの作品を視覚的な物語と定義している写真家スティーヴ・マッカリー(born 1950)
24/05/14多様な芸術の影響を受け写真家の視点を形作ったアンドレアス・ファイニンガー(1906-1999)
24/05/16芸術的表現により繊細な目を持つ女性写真家となったマルティーヌ・フランク(1938-2012)
24/05/18ドキュメンタリー写真をモノクロからカラーに舵を切ったマーティン・パー(born 1952)
24/05/21先駆的なグラフ誌『ピクチャー・ポスト』を主導した写真家バート・ハーディ(1913-1995)
24/05/24グラフ誌『ライフ』に30年間投稿し続けたロシア生まれの写真家リナ・リーン(1914-1995)
24/05/27旅する写真家として20世紀後半の歴史に残る象徴的な作品を制作したルネ・ブリ(1933-2014)
24/05/29高速ストロボスコープ写真を開発したハロルド・ユージン・エジャートン(1903-1990)
24/06/03一般市民とそのささやかな瞬間を撮影したオランダの写真家ヘンク・ヨンケル(1912-2002)
24/06/10ラージフォーマット写真のデジタル処理で成功したアンドレアス・グルスキー(born 1955)
24/06/26レンズを通して親密な講釈と被写体の声を伝えてきた韓国出身のユンギ・キム(born 1962)
24/07/05演出されたものではなく現実的なファッション写真を開発したトニ・フリッセル(1907-1988)
24/07/07スウィンギング60年代のイメージ形成に貢献した写真家デイヴィッド・ベイリー(born 1938)
24/07/13著名人からから小さな町の人々まで撮影してきた写真家マイケル・オブライエン(born 1950)
24/07/14人々のドラマが宿る都市のカラー写真を制作したコンスタンティン・マノス(born 1934)
24/08/04写真家集団「マグナム・フォト」所属するただ一人の日本人メンバー久保田博二(born 1939)
24/08/08ロバート・F・ケネディの死を悼む人々を葬儀列車から捉えたポール・フスコ(1930–2020)
24/08/13クリスティーナ・ガルシア・ロデロが話したいのは時間も終わりもない出来事だ(born 1949)
24/08/30ドキュメンタリーと芸術の境界を歩んだカラー写真の先駆者エルンスト・ハース(1921–1986)
24/09/01国際的写真家集団マグナム・フォトの女性写真家スーザン・メイゼラスの視線(born 1948)
24/09/09アパルトヘイトの悪と日常的な社会への影響を記録したアーネスト・コール(1940–1990)
24/09/14宗教的または民俗的な儀式に写真撮影の情熱を注ぎ込んだラモン・マサッツ(1931-2024)
24/09/23アメリカで最も有名な無名の写真家と呼ばれたエヴリン・ホーファー(1922–2009)
24/09/25自身を「大義を求める反逆者」と表現した写真家マージョリー・コリンズ(1912-1985)
24/09/27北海道の小さな町にあった営業写真館を継がず写真芸術の道を歩んだ深瀬昌久(1934-2012)
24/10/01現代アメリカの風変わりで平凡なイメージに焦点を当てた写真家アレック・ソス(born 1969)
24/10/04微妙なテクスチャーの言語を備えた異次元の写真を追及したアーサー・トレス(born 1940)
24/10/06オーストリア系イギリス人のエディス・チューダー=ハートはソ連のスパイだった(1908-1973)
24/10/08映画の撮影監督でもあったドキュメンタリー写真家ヴォルフガング・スシツキー(1912–2016)
24/10/15芸術のレズビアン・サブカルチャーに深く関わった写真家ルース・ベルンハルト(1905–2006)
24/10/19ランド・アートを通じて作品を地球と共同制作するアンディ・ゴールドワージー (born 1956)
24/10/29公民権運動の活動に感銘し刑務所制度の悲惨を描写した写真家ダニー・ライアン (born 1942)
24/11/01人間の状態と現在の出来事を記録するストリート写真家ピータ―・ターンリー (born 1955)
24/11/04写真を通じて現代の社会的状況を改善することに専念したアーロン・シスキンド(1903-1991)
24/11/07自然と植物の成長にインスピレーションを受けた写真家カール・ブロスフェルト(1865-1932)
24/11/09ストリート写真で知られているリゼット・モデルは教える才能を持っていた(1901-1983)
24/11/11カラー写真が芸術として認知されるようになった功労者ウィリアム・エグルストン(born 1939)
24/11/13革命後のメキシコ復興の重要人物だった写真家ローラ・アルバレス・ブラボー(1903-1993)
24/11/15チリの歴史上最も重要な写真家であると考えられているセルヒオ・ララインの視座(1931-2012)
24/11/19イギリスのアンリ・カルティエ=ブレッソンと評されたジェーン・ボウン(1925-2014)
24/11/25カラー写真の先駆者ソール・ライターは戦後写真界の傑出した人物のひとりだった(1923–2013)
24/11/25サム・フォークがニューヨーク・タイムズに寄せた写真は鮮烈な感覚をもたらした(1901-1991)
24/11/29ゲイ解放運動の活動家だったトランスジェンダーの写真家ピーター・ヒュージャー(1934–1987)
24/12/01複数の芸術的才能に恵まれていた華麗なるファッション写真家セシル・ビートン(1904–1980)
24/12/05ライフ誌と空軍で活躍した女性初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
24/12/07愛と美を鮮明に捉えたロマン派写真家エドゥアール・ブーバの平和への眼差し(1923–1999)
24/12/10保守的な政治体制と対立しながら自由のために写真を手段にしたエヴァ・ペスニョ(1910–2003)
24/12/15自然環境における人間の姿を研究することに関心を寄せた写真家マイケル・ぺト(1908-1970)
24/12/20ベトナム戦争中にナパーム弾攻撃から逃げる子供たちを撮影したニック・ウット(born 1951)
25/01/06記録映画の先駆者であり前衛映画製作者でもあった写真家ラルフ・スタイナー(1899–1986)
25/01/10アメリカ西部を占める文化の多様性を反映した写真家ローラ・ウィルソンの足跡(born 1939)
25/01/15フランスの人文主義写真運動で活躍したスイス系フランス人ザビーネ・ヴァイス(1924–2021)
25/02/03サルバドール・ダリとの共作でシュールな写真を創出したフィリップ・ハルスマン(1906–1979)
25/02/06ベトナム戦争に対する懸念を形にした写真家フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(1936-2008)
25/02/18芸術に複数の糸を持っていたシュルレアリスムの写真家エミール・サヴィトリー(1903-1967)
25/03/19シュルレアリスムの先駆的な写真家でピカソのモデルで恋人だったドラ・マール(1907-1997)
25/03/25ホロコースト前の東欧のユダヤ人社会を記録した写真家ローマン・ヴィスニアック(1897-1990)
25/04/01ソーシャルワーカーからライフ誌の専属写真家に転じたウォレス・カークランド(1891–1979)
25/04/04写真家ビル・エプリッジは20世紀で最も優れたフォトジャーナリストの一人だった(1938-2013)
25/04/25ロバート・キャパの弟で総合施設国際写真センターを設立したコーネル・キャパ(1918-2008)
25/05/01激動1960年代の音楽家たちをキャプチャーした写真家エリオット・ランディの慧眼(born 1942)
25/05/23生まれ故郷ブラジルの熱帯雨林アマゾン川流域へのセバスチャン・サルガドの視座(1944-2025)
25/06/22風景への畏敬の念と激動の気象現象への驚異が伝わるミッチ・ドブラウナーの写真(born 1956)
25/07/26ティンタイプ写真でアパラチアの伝承音楽家に焦点を当てたリサ・エルマーレ(born 1984)
25/08/03色彩の卓越した表現を通して写真というジャンルを超越したデビッド・ラシャペル(born 1963)
25/08/20ヨーロッパ解放やコンゴ紛争などでの勇敢な取材で知られるドミトリ・ケッセル(1902–1995)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/08アパラチアや南東部の農村地帯の人々の肖像写真で知られているドリス・ウルマン(1882-1934)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/15指導者であり預言者であり歴史家であり学者だった写真家ジョン・ローエンガード(1934-2020)
25/09/17女性を客体ではなく主体として描写した写真家エレン・フォン・アンワースの視線(born 1954)
25/09/22精巧に演出された赤ちゃんたちの愛らしい写真で世界的に評価されるアン・ゲデス(born 1956)
25/09/26エロティックで都会的なスタイルの頂点を極めた写真家ヘルムート・ニュートン(1920-2004)
25/10/06モデルからファッション写真家に転じたスリランカ系英国人ナイジェル・バーカー(born 1972)
25/10/15ヴィクトリア朝イギリスで最も有名な写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)
25/10/17革新的手法を用いたドイツ系ユダヤ人写真家エーリッヒ・ザロモンの悲劇的な運命(1886-1944)
25/10/20地球の環境破壊と気候変動の壊滅的な影響を明瞭に伝える写真家ニック・ブラント(born 1964)
25/10/23政治家や作家など世界の重要人物の精緻な肖像写真を撮影したユーサフ・カーシュ(1908-2002)
25/10/26直面する不正義と対峙するパレスチナ系オランダ人写真家サキル・カデルの眼差し(born 1990)
25/11/12目に見えない鳥の飛行経路を可視化した作品で知られる写真家シャビ・ボウの秘技(born 1979)
25/11/18自身の文化的環境を探求したメキシコを代表する写真家グラシエラ・イトゥルビデ(born 1942)
25/11/25フォトルポルタージュの新たな時代を築いたスペインの写真家ラモン・マサッツ(1931-2024)
25/12/10畏敬の対象となる自然風景および聖なる場所を崇拝した風景写真家リンダ・コナー(born 1944)
25/12/23インド初の女性報道写真家で独立国家への変遷を記録したホマイ・ヴィヤラワラ(1913-2012)
26/01/04モデルから転身した写真家サラ・ムーンの雰囲気により際立った印象派的な作品(born 1941)
26/01/07音楽に合わせた写真「ドリーム・ピクチャーズ」で知られるブランソン・デク―(1892-1941)
26/01/22技術者の客観性と技術的志向を写真撮影に反映させたエミール・ハイルボルン(1900-2003)
26/01/26芸術的側面と社会的な側面の二つの特質を最適に供えた女性写真家アタ・カンドー(1913-2017)
26/03/05戦争や貧困など社会の底辺を記録して世界的な評価を得た写真家ドン・マッカラン(born 1935)
26/03/22カメラで芸術的インスピレーションを追求した写真家リオ・ディジローラモの軌跡(1934–2019)
26/05/05写真界では神童のような存在と見なされた巨匠ハロルド・ファインスタイン (1931-2015)

子供の頃「明治は遠くなりにけり」という言葉を耳にした記憶がありますが、今まさに「20世紀は遠くなりにけり」の感があります。掲載した作品の大半がモノクロ写真で、カラー写真がわずかのなのは偶然ではないような気がします。20世紀のアートの世界ではモノクロ写真が主流だったからです。しかしデジタルカメラが主流になった21世紀、カラー写真の台頭に目覚ましいものがあります。ジョエル・マイヤーウィッツとサンディ・スコグランド、ジャン・ボードリヤール、 F・ディレク・ウヤル、マーティン・パー、コンスタンティン・マノス、久保田博二、ポール・フスコ、エルンスト・ハース、エヴリン・ホーファー、アレック・ソス、アンディ・ゴールドワージー、ウィリアム・エグルストン、ソール・ライタ、などのカラー作品を取り上げました。

photographer  Famous Photographers: Great photographs can elicit thoughts, feelings, and emotions.

写真界では神童のような存在と見なされたハロルド・ファインスタイン

Blanket Toss Beach Play
Blanket Toss Beach Play, Coney Island, 1955
Harold Feinstein

ハロルド・ファインスタインは1931年4月17日、ニューヨーク市ブルックリンのコニーアイランドで生まれた。ユダヤ系移民の両親のもとに生まれた5人兄弟の末っ子だった。母親のソフィー・ライヒはオーストリアからアメリカに移住し、父親のルイス・ファインスタインはロシアから移住した。彼は1946年、15歳の時に近所の人から二眼レフのローライフレックスを借りてブルックリンの街の生活を撮影し始め、写真の世界へと足を踏み入れた。写真界では神童として知られ、16歳で学校を辞め、写真家として専念するようになった。18歳になった1948年にフォトリーグに加入した。19歳になった頃には、彼の作品はエドワード・スタイケンによってニューヨーク近代美術館の永久コレクションに買い上げられた。ファインスタインは1954年にホイットニー美術館、1957年にニューヨーク近代美術館で初の個展を開催した。その後、ジョージ・イーストマン博物館(1957年)とヘレン・ジーのライムライト・ギャラリー(1958年)で個展を開催した。彼の写真は、文芸誌『エバーグリーン・レビュー』の創刊号の表紙や左翼雑誌『リベレーション』に掲載された。当時の批評家たちはファインスタインを芸術の巨匠と呼び、彼の作品はニューヨーク写真派の発展に影響を与えた。

 Sheet Music Montage
Boardwalk Sheet Music Montage, Coney Island, 1952

彼は生涯を通じてニューヨーク市をはじめとする各地の街並みを撮影したが、お気に入りの被写体は故郷のコニーアイランドだった。生涯にわたり何度もコニーアイランドに戻り、遊歩道やアトラクション、そしてこの海水浴場を訪れる様々な人々を撮影した。そこで彼は、愛から欲望、喜びから絶望、喜劇から悲劇まで、人間のあらゆる経験を捉えることができた。彼はそこを写真家の楽園と表現した。国際写真センターは1990年にファインスタインのコニーアイランド作品展「心のコニーアイランド」を開催し、ライカギャラリーで2015年に同様の展覧会を開催した。ァインスタインは生涯を通じて、自身のスタジオで開催した個人ワークショップや、数多くの教育機関で写真の指導を行った。

Window Washer
Window Washer With Birds, New York, 1974

彼の教え子の多くは、後に著名なファインアート写真家となった。 その中には、メアリー・エレン・マーク、ケン・ヘイマン、マリエット・パシー・アレン、 ウェンディ・ワトリス、ピーター・アンジェロ・サイモンなどがいる。さらに、ファインスタインはペンシルベニア大学アネンバーグ・コミュニケーション学部、フィラデルフィア美術館付属美術学校、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ、マサチューセッツ大学アマースト校、メリーランド美術大学、ウィンダム大学、ホーリークロス大学で教鞭を執った。長年にわたり主に人文主義的な 35mmフィルム写真に取り組んできたファインスタインは、2001年にデジタル作品の制作を開始し、スキャナーを使って花、貝殻、蝶、葉、植物などの画像を撮影した。

Seven White Parrots Tulips
Seven White Parrots Tulips, 2003

自身の作品を整理する中で、デジタル制御の精度、自由に画像を複製し即座にフィードバックを得られる能力によって、より即興的になり、作品制作においてより創造的なリスクを取ることができるようになったことに気づいた。この作品はファインスタインに批評的にも商業的にも成功をもたらした。ファインスタインはスキャノグラフィーの本を7冊出版し、彼のスキャノグラフィー作品は "O,The Oprah Magazine"(オー・オプラ・マガジン)に何度も掲載された。白いバラの画像は、小売店IKEAでベストセラー商品となった。デジタル画像処理における画期的な功績により、2000年にコンピュータワールド・スミソニアン賞を受賞した。ハロルド・ファインスタインは2015年月20日、マサチューセッツ州メリマックで逝去、84歳だった。下記リンク先はアンディ・ダン監督作品『ラスト・ストップ・コニー・アイランド:ハロルド・ファインスタインの生涯と写真』です。

movie Last Stop Coney Island: Life and Photography of Harold Feinstein by Director Andy Dunn

2026年5月3日

日本国憲法改竄の足音と軍靴の響きが聴こえてきた

朝日新聞2025年5月3日
朝日新聞2026年5月3日付朝刊(大阪本社発行)

朝日新聞が実施した憲法を中心にした全国世論調査によると、高市政権のもとで憲法改正を実現することの賛否を聞くと「賛成」47%「反対」43%と割れた。国会での改憲の議論を急ぐ必要があるか尋ねると「急ぐ必要はない」が62%で「急ぐ必要がある」の33%を上回ったという。2月8日に投開票された衆院選は、自民党が圧勝。中道改革連合が壊滅的な惨敗したが、その前に時計の針を少し戻してみよう。朝日新聞2025年11月27日付の記事によれば、自民党と日本維新の会は、連立政権合意で設置を決めた憲法9条改定に関する「条文起草協議会」を開き、維新が考えを示した。維新案は戦力不保持を定めた9条2項の削除や「国防軍」保持の明記などを掲げる。高市早苗が首相就任前に「ベスト」と発言していた、自民の野党時代の9条改正案とも重なる。ただ9条改定に対する世論の賛否は割れており、自民内には維新案に慎重な意見もあるという。看過できないのはあくまで首相は改竄に突っ走る構えを見せていることだ。

髙市早苗
憲法改竄を企む高市早苗

先の衆議院選挙で自民党が単独で316議席を確保し、3分の2以上を占めることになった ことがわかった。一つの政党が衆院で3分の2以上の議席を獲得するのは戦後初。法案が衆院で可決後、参院で否決されても、自民単独で衆院での再可決が可能になる。また憲法改定の発議も維新の助力なしでできるようになった。憲法改定の手順については第96条は

この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

と規定している。憲法は簡単に改竄できないようになっているのだが自民党は2013年4月に「日本国憲法改正草案」を発表し、憲法改竄の手始めに96条改定に取り組む方針を明言した。現行憲法が「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を憲法改定発議の要件と定めているのを「衆参各院の総議員の過半数」で発議できるように緩和しようとするものであった。かつて安倍晋三元首相は、国会答弁で「まずは多くの党派が主張している憲法96条の改正に取り組む」と明言した。これは改定要件を緩和して憲法の改悪のハードルを下げ、その後に憲法9条や人権規定、統治機構等を随時改竄しようとの意図に基づくものと思われる。これは立憲主義の下での憲法改定のあり方として極めて不当であり、到底許されない。

憲法改竄
©2026 朝日新聞

ただ憲法改竄を強行するには、最後の砦である国民投票のハードルを最終的に超える必要がある。国民投票が行われる場合、メディアを利用した広告宣伝活動が重要な意味を持つことになるが、これに対しては悲観的にならざるを得ない。壊憲勢力は金力とメディア支配力を活用して、国民を洗脳することを目論んでいるからだ。かつての立憲民主、共産両党は国会での憲法論議自体に後ろ向きだったが、新党「中道改革連盟」が問題解決の確約も取らずに憲法審議を進めることに同意してしまった。高市早苗は選挙の大勝を利用して、安倍晋三元首相の「悲願」を継承するのではないだろうか。日本国憲法改竄の足音、軍靴の響きが聴こえてきた。下記リンク先は自由民主党の「日本国憲法改正草案(全文)」です。

憲法  日本国憲法改正草案(全文) | 自民党 2024年 | PDF ファイル(767.9KB)の表示とダウンロード