2019年7月15日

Android 音楽プレイヤー jetAudio の実力

音場効果とイコライザー設定画面(クリックで拡大)

スマートフォンやタブレットをウォークマン化しようとする場合、搭載されている音楽プレイヤーに必ずしも満足するとは限らない。AGC(Automatic Gain Control)と呼ばれる自動利得制御、すなわち信号が強くなると出力が大きくならないようにし、信号が弱くなると出力が小さくならないようにするシステムが欲しい。アルバム単位で聴く場合は最初の曲の音量調節すればよい。しかし複数のアルバムを順番をばらばらにして聴くシャッフル再生の場合は、曲ごとに音量調節が必要なのでイライラするからだ。

ロゴマーク
以前使っていた Xperia Z3 はこの機能が備わっていたが、現在使っているタブレットは対応していない。そこで Android 端末用アプリケーションを探してみた。まず目に止まったのが、フリーウェアの PIM player だった。試用したところ1曲ずつ手動でプレイリストに追加する必要があることが分かった。私は 1,000 曲以上ストレージしているので、結局やむなくパスした。次にダウンロードしたのが Cowon America が開発した jetAudio だった。無料の Basic は機能制限があるので Plus 版を Google Play ストアでオンライン購入した。AGC 機能は無論のこと、正確な再生速度調節(50%〜200%)など多機能だが、20バンドグラフィックイコライザーが突出している。自分で設定できない人には、音楽ジャンルごとに自動設定してくれるのも嬉しい。同名のパソコン用ソフト同様、実力十分のアプリケーションである。なおハイレゾ音源を再生することができる Onkyo HF Player もかなり評判が良いようだ。しかし目移りしていろいろ手を出してしまうと、無駄な出費をしそうなので、今回は試用を見送ることにした。

Google PlayAndroid 音楽プレイヤー jetAudio の解説とインストールおよびユーザーレビュー(Google Play)

2019年7月13日

祇園祭「蘇民將來子孫也」の謂れ

横山崋山《祗園祭礼図巻》下巻(部分)1835-37(天保6~8)年

祇園祭山鉾巡行を17日に控えた長刀鉾(京都市下京区四条通烏丸東入る)で粽(ちまき)を授与していただいた。粽というと植物の葉で包んだもち米を連想、童謡『背くらべ』の「ちまき食べ食べ兄さんが計ってくれた背のたけ」と口ずさむ人がいるかもしれない。古くは茅(ちがや)の葉で巻いたことから、茅巻き(ちまき)と呼ばれるようになったという。祇園祭の粽は食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病災難除けのお守りである。小さな護符がついていて、見落としがちだが「蘇民將來子孫也(蘇民将来子孫也)」と書いてある。祇園祭は八坂神社の祭礼行事だが、ウェブサイトで次のように説明している。
長刀鉾の粽(ちまき)の護符
八坂神社御祭神、スサノヲノミコト(素戔嗚尊)が南海に旅をされた時、一夜の宿を請うたスサノヲノミコトを、蘇民将来は粟で作った食事で厚くもてなしました。蘇民将来の真心を喜ばれたスサノヲノミコトは、疫病流行の際「蘇民将来子孫也」と記した護符を持つ者は、疫病より免れしめると約束されました。その故事にちなみ、祇園祭では、「蘇民将来子孫也」の護符を身につけて祭りに奉仕します。また7月31日には、蘇民将来をお祀りする、八坂神社境内「疫神社」において「夏越祭」が行われ、「茅之輪守」(「蘇民将来子孫也」護符)と「粟餅」を社前で授与いたします。このお祭をもって一ヶ月間の祇園祭も幕を閉じます。
つまり「私は蘇民将来の子孫です。ですからで病気や災いから護って下さい」という願いを込めて書いた護符を身に着けた蘇民の一族は、後に疫病が流行った際も、逃れることができたという。ところで本題の祇園祭だが、869(貞観11)年、疫病が流行した際、広大な庭園だった神泉苑に、当時の国の数にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神、スサノオノミコトらを迎えて災厄が取り除かれるよう祈ったことが始まりとされる。その後、疫神を鎮め、退散させるために花笠や山車を出して市中を練り歩く夜須礼(やすらい)の祭祀となった。悪霊や疫鬼は祭りの際の踊りによって、追い立てられて八坂神社に集められるが、そこには蘇民将来がいる。そしてスサノオノミコトの霊威によって悪霊や疫鬼の鎮圧、退散が祈願されたのである。各山鉾で授与される「蘇民將來子孫也」と記した護符をつけた粽は、このような故事にちなんだものなのである。

2019年7月10日

タブレットの着衣を許したスティーブ・ジョブス

Shockproof Protective Cover for Huawei MediaPad T3 7.0 Tablet

バスや電車の中で気づくのは、スマートフォンを手にした人のほんどが、ケースに入れていることである。かつての携帯電話、いわゆるガラケー用のケースはなかったように記憶している。折り畳めば液晶画面が隠れるので、バッグに入れても傷まないし、第一、メーカーは落下テストをして強度対策を施していた。ところが iPhone は「ゴリラガラス」を採用した。強化ガラスだが、落とせば所詮割れる。だから保護フィルムが現れたのだろう。しかし、さらなるケースに至っては如何なものと感ずることがある。ご存知、アップル社、とりわけスティーブ・ジョブスは製品のデザインにこだわった。性能よりデザイン優先じゃないかとすら錯覚するくらいだ。透明のケースなら半ば理解できるが、革製のケースに至っては、その美しさを台無しにしている。もっともこれはユーザーの勝手であり、私が揶揄する筋合いのものではないのは無論だが。
講談社(2011年11月)
iPad の発売前から、ジョブスは、iPad2 についてどうすべきかを考えていた。(途中略)ほとんどの人が考えもしなかったアクセサリーに注目していた。ケースだ。多くの人が iPad をケースに入れ、その美しいラインを隠し、せっかくのスクリーンをスポイルしていた。もっと薄くすべきなのに、分厚くしまっていた。あらゆる面で魔法のような装置をありふれたカバーをかけてしまっていたのだ。(ウォルター・アイザクソン著/井口耕二訳『スティーブ・ジョブズII』講談社)
サンフランシスコで2011年3月に開かれたアップルの製品発表会で、スティーブ・ジョブズは iPad 2 のデモンストレーションをしたが、冒頭で「今回はケースも iPad 2 と一緒にデザインしたんだ」と語ったという。どうせ人々がつけるなら、優れたデザインのケースを提供しようという思惑だったのだろう。引用した伝記によると、ジョブスはたまたま見つけた磁石についての論文をアップルのチーフ・デザイン・オフィサー、ジョニー・アイブに渡した。吸引力が円錐形に働く、望む場所にピンポイントで作用する磁石があるということだった。そして開発されたのが着脱式のカバーだった。実は我が家にも10インチの iPad があるが、外出先に携行しないのでケースはつけていない。最近導入したファーウェイ 7 インチタブレットに淡紅色のオリジナル衝撃吸収ケースを装着した。1,000 円弱の出費だったが、美しい色の服を着せたせいか、見映えも良くなったようだ。

2019年7月8日

祇園祭長刀鉾天王人形の謎

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上掲左の絵は竹原春朝斎『都名所図会』1780(安栄9)年、右は二代目歌川広重『諸国名所百景』1859(安政6)年に描かれた祇園祭長刀鉾巡行である。竹原春朝斎の絵は比較のため右半分を省いたが、左上に「鉾に乗る人の競ひも都哉」という榎本其角の句が見える。二代目歌川広重の絵はおよそ80年後に描かれたのだが、大胆な構図になっている。仔細に観察すると、両者には共通点がたくさんある。町家一階の格子、提灯、二階から鉾を見守る人々、いずれも非常によく似ている。記録によれば、巡行は現在と違い四条通から寺町通を南下している。背景に鴨川が描かれているが、寺町通から離れているし、このアングルで本当に見えたか怪しい。漠然と疑いを持つようになったのはこの点からだった。私は浮世絵あるいは錦絵の研究家でないし、この二つの絵を比較検討した文献が存在するのか不明だが、二代目歌川広重は、竹原春朝斎の絵を模倣した可能性がある。つまり都名所図会は、当時、それほどポピュラーだったと言えるのではないだろうか。

長刀鉾天王人形(和泉小次郎親衡像)の部分拡大図
さらに注目すべきは、鉾頭の下にある天王台の人形である。これは鉾の守護神、和泉小次郎親衡(ちかひら)像である。小舟を操り、三条小鍛冶宗近作の大長刀を振るい、山河を縦横無尽に駆け巡ったといわれる、強力無双の源氏の武将である。小屋根の下に結いつけられているが、舟も真木に括られている。現在この人形は僅か23センチの木彫り、路上からは双眼鏡あるいは野鳥観察用望遠鏡などを使わないと観察できない。竹原春朝斎は鉾建て前にスケッチしたのだろうか。二代目歌川広重の絵は若干描き込んでいるものの、これまた両者は酷似している。ただ小屋根や台座はそっくりだが、長刀の刃の向きの上下が逆なのが気になる。武道に関しては不案内だが、太刀や長刀は突くか、振り下ろす武器だから、後者の構え方のほうが自然ではないだろうか。とすれば、気になる部分を修正したのではないか、というのが私の推論である。明後日から鉾建てが始まる。何年か前に見物したが、天王人形の写真を撮ることができなかった。最後に取り付けるのだが、作業の邪魔になるので近づけなかったからである。今年は時間を割いてじっくり観察したいと思っている。

松本元『祇園祭細見』より
天王人形は1986(昭和61)年に作り直された。京都新聞2009年7月12日の記事によると、人形を制作した有職御人形司十二世の伊東久重氏は、その祖父が新調した人形を参考に復原制作したという。祖先である桝屋庄五郎が1726(享保11)年に作ったものが元になっているという。侍烏帽子(えぼし)に直垂姿で、右手に大長刀を持ち、左肩に小舟を担いだ勇壮な姿をしてると語っているが、伊東久重氏の長男、建一氏が写真をウェブサイト「伊東建一御所人形の世界」に掲載している。これを見ると1977(昭和52)年に発刊された松本元『祇園祭細見』のさし絵の通りである。確かに肩に小舟を担いでいるが、都名所図会とは大きく異なる。実際に古い人形を手にし、復原した伊東氏の証言が間違いとは言い難い。桝屋庄五郎作の人形が意匠変更されず、そっくり継承されたのなら、竹原春朝斎や二代目歌川広重が描いた絵が間違いとなってしまう。新聞を読んだ当時、この点が気になって、天王人形を制作した伊東久重氏に直接電話でお訊ねしたことがある。「1726(享保11)年に作られた人形の傷みが酷く1954(昭和29)年に祖父が制作し直した。1985(昭和60)年の鉾建ての際に損傷、翌年に作り直すことになった。人形の目や口の筆跡がはっきり残り、装束も崩れてなかったので、これを参考に復原した」そうである。するとやはり竹原春朝斎や二代目歌川広重が描写した天王人形の絵は正確なものではないということになるのだろうか。いや、違う。実際に見た竹原春朝斎がわざと違う像を捏造したとは考え難い。遥かなる時間の波に漂い、歴史が混沌と化してしまったようだ。

2019年7月7日

フォトジェニック 2019「明日への伝言」写真展


大阪展
日 時:2019年7月23日(火)~29日(月)平日9:00~20:00 土日9:00~17:00(最終日16:00まで)
会 場:大阪府立中之島図書館2F多目的スペース1大阪市北区中之島1-2-10)06-6203-0474
京都展
日 時:2019年8月14日(水)~20日(火)11:00~16:00(最終日16:00まで)
会 場:ぎゃらりー西利京都市東山区祇園町南側578 京漬物西利祇園店3F・4F)075-541-8181
加西展
日 時:2019年8月26日(月)~30日(金)9月2日(月)~6日(金)8:30~17:00
会 場:加西市役所市民ホール(兵庫県加西市北条町横尾1000番地)0790-2-1110

出展者(五十音順)阿部秀行・有馬清徳・石川裕修・井上博義・岩田賢彦・岩月千佳・上田進一・上仲正寿・植村耕司・宇佐美宏・大亀京助・大久保勝利・太田眞・大塚努・大西としや・沖野豊・奥田基之・奥村宗洋・奥村喜信・落井俊一・越智信喜・小幡豊・垣村早苗・金居光由・河村道浩・川本武司・神崎順一・北井孝博・木村晃造・木村尚達・木村充宏・草木勝・クキモトノリコ・葛原よしひろ・楠本秀一・小林賢司・小林禎弘・小林達也・佐々木宏明・佐藤壽一・柴田明蘭・新極求・角山明・瀬野雅樹・瀬野匡史・高城芳治・高橋南勝・高橋正則・高畠節二・高畠泰志・髙本雅夫・高屋力・田口郁明・田中重樹・田中祥介・田中秀樹・田邊和宜・谷沢重城・富岡敦・内藤貞保・中島雅彰・中島佳彦・中村優・西岡伸太・西岡千春・西村仁見・二村海・野沢敬次・野本暉房・林巧・原田茂輝・平井豪・平田尚加・広田大右・広瀬慎也・福井一成・福島正造・福島雅光・藤井小十郎・BOCO塚本・前川聡・前田欣一・松井良浩・マツシマススム・丸山伸二郎・三浦彩乃・三浦誠・MIKI・水野真澄・溝縁ひろし・南伸一郎・三村博史・宮﨑裕士・宮田昌彦・宮本博文・宮本大希・村川荘兵衛・森澤保賢・森誠・森脇学・山本学・山本道彦・吉川英治・吉村玲一・米川浩二・林致婕

問い合わせ:フォトジェニック展事務局 06-4395-5183