2026年3月8日

ソーシャルメディアの弊害(26)ストライサンド効果とは

マリブの崖の上の邸宅
バーブラ・ストライサンドが隠そうとしたカリフォルニア州マリブの崖の上の邸宅
バーブラ・ストライサンド

高市早苗首相が自らのサイトで25年間書き溜めてきた「コラム」を2月に突然削除したという。何か都合が悪い内容が含まれていたのだろう、隠した故に注目が集まっている。ストライサンド効果とは情報を隠したり、削除したり、検閲したりしようとする試みが、その努力の意図しない結果をもたらし、かえってその情報に対する一般の認識を高めるという状況を指す。この用語は、歌手・女優のバーブラ・ストライサンドが、ケネス・アデルマンがカリフォルニアの海岸浸食を記録するために撮影したマリブの崖の上の邸宅の写真の出版を阻止しようとしたことを受けて、テックダートのマイク・マスニックによって2005年に造られた。2003年にアメリカの歌手兼女優バーブラ・ストライサンドは、写真家ケネス・アデルマンと Pictopia.com をプライバシー侵害で5,00万ドルの損害賠償を求めて提訴した。この訴訟は、カリフォルニア州の海岸線写真 12,000枚を収録した「カリフォルニア海岸記録プロジェクト」の公開リストから、ストライサンド邸が写っている航空写真「マリブのストライサンド邸」の画像 3,850を削除するよう求めていた。このプロジェクトの目的は、政府の政策立案者に影響を与えるために海岸浸食を記録することだったため、住宅所有者のプライバシーに関する懸念は軽微、あるいは全く重要ではないと判断された。訴訟は棄却され、ストライサンドはアデルマンの弁護士費用 17万7,000ドルの支払いを命じられた。Image 3850 はストライサンドの訴訟以前にはわずか6回しかダウンロードされておらず、そのうち2回はストライサンドの弁護士によるものであった。この事件の認知度が高まり、翌月には42万人以上がサイトを訪れた。2年後、マズニックは、リゾート名の使用を理由に、マルコビーチオーシャンリゾートが urinal.net(小便器の写真を専門とするサイト)に削除通知を出した件について書いた際に、この名前を作り出した。気に入らないものをオンラインで抑圧しようとするという単純な行為が、ほとんどの人が決して目にすることのないものを、より多くの人の目に留めてしまう可能性があることに、弁護士たちが気づくまでには、どれくらいの時間がかかるのだろうか?

ストレイザンド効果 - 何かを隠そうとするとかえって拡散してしまう現象

これを「ストライサンド効果」と呼ぶ。2023年に出版された自伝「私の名前はバーバラ」の中で、ストライサンドは侵入者によるセキュリティ上の問題を挙げ「問題は写真自体ではなく、写真に付けられた私の名前が使われたことだけです。私は自分の信念を貫いているつもりでしたが、今にして思えばそれは間違いでした。弁護士も私の希望通りに行動し、写真から名前を削除してほしいと頼んだだけだと思い込んでいました」と書いている。情報の抑制の試みは、多くの場合、停止命令書を通じて行われますが、抑制される代わりに、情報は広範囲に宣伝され、インターネット上で拡散したり、ファイル共有ネットワークで配布されたりすることがある。何かの出版を禁止したり、すでに出版されているものを削除する差し止め命令を求めたり取得したりすると、出版された作品の宣伝効果を高めることで「逆効果」になる可能性がある。ストライサンド効果は心理的リアクタンスの例として説明されており、人々は自分から何らかの情報が隠されていることに気づくと、それを入手して広めようとする動機が大幅に高まるのである。この現象は欲蓋彌彰(真実を隠そうとすると真実はより目立つようになる)という中国の諺が喝破している。下記リンク先は BBC News 電子版に掲載された。フリーランス・ジャーナリストのマリオ・カチョットーロの「ストライサンド効果:検閲が裏目に出る時」です。

BBC News  The Streisand Effect: When censorship backfires by Mario Cacciottolo | The BBC News

2026年3月7日

地上波はなぜ WBC (ワールド・ベースボール・クラシック)の中継をしないのか?

WBC 2026
World Baseball Classic 2026

スポーツ好きのカミさんに「なぜテレビは WBC の中継をしないの?」と訊かれた。私しゃそんなことは知らないので、生成 AI に教えて貰った。2026年 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は3月6日(金)に開幕した。1次ラウンドは同月11日まで実施され、サンフアン、ヒューストン、東京、マイアミの4都市で熱戦が繰り広げられる。各プール上位チームが決勝ラウンドへ進出し、最終局面はアメリカで開催される。決勝トーナメントは3月13日(金)・14日(土)に準々決勝、15日(日)・16日(月)に準決勝、17日(火)に決勝を予定。世界一をかけた戦いは終盤に向けて一気に加速する。日本は東京開催のプールCに入り、韓国、オーストラリア、チェコ、チャイニーズ・タイペイと同居。1次ラウンドはすべて東京ドームで行われる。今回の大会では日本国内の全試合が Netflix で独占配信されるという大きな変化があった。これまでは読売新聞社などを通じて地上波放送が行われてきたが、今回は WBCI が直接 Netflix と契約したことで、視聴環境が大きく変わってしまった。要するに既存のテレビ局では払えないほど中継料が高騰したしたためだそうだ。報道によると、今回の放映権料は約150億円規模に達したと言われており、これは前回(2023年大会)の約5倍という異例の金額である。

WBC 2026

以下経緯。WBC の主催者は、主にアメリカのメジャーリーグ(MLB)とその選手会によって設立された「ワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)」である。大会の構造は、グローバルな主催者と各地域の運営担当に分かれている。今回の WBC はアメリカの動画配信大手 Netflixが日本国内における独占ライブ配信権を獲得した。この「独占」契約により、これまで中継を行っていた民放各局(テレビ朝日やTBSなど)や NHK、BS放送での生中継が一切行われない仕組みになってしまったのである。そしてビジネスモデルの限界。地上波テレビ局は主に広告収入で費用を回収しますが、ここまでの高額になると広告枠を売るだけでは採算が取れなくなる。一方で、月額課金モデルで世界的に会員を持つ Netflix はこの巨額な投資を「新規会員獲得」や「ブランド強化」の戦略として成立させることができたようだ。ところで Netflix は1カ月だけの利用が可能。月額制の前払い方式を採用しており、特定の契約期間の縛りは設けられていない。登録後すぐに解約手続きを行っても、支払った1カ月分(30日間)の期間が終了するまでは引き続きすべてのコンテンツを視聴できる。さてどうしよう?

Major League Baseball  Predicting the World Baseball Classic champion MVP and more | The WBC official website

2026年3月5日

戦争や貧困など社会の底辺を記録して世界的な評価を得た写真家ドン・マッカラン

Cuban Missile Crisis
Protester, Cuban Missile Crisis, Whitehall, London, 1962
Don McCullin

ドン・マッカリンは1935年10月9日、ロンドンのセント・パンクラスに生まれ、フィンズベリー・パークで育った。ナチス・ドイツによるブリッツ(大空襲)の際にサマセットの農場に疎開した。彼は軽度のディスレクシア(識字障害)を患ったが、通っていた中等現代学校で絵画才能を示していた。ハマースミス美術工芸学校の奨学金を獲得し、父の死後、15歳で学校を辞め、鉄道のケータリングの仕事に就いた。1953年に王立空軍に徴兵される。兵役中、マッカリンは1956年のスエズ危機時にスエズ運河に配属され、写真家の助手として勤務する。彼は王立空軍の写真家になるための筆記理論試験に落ち、暗室で勤務した。この期間中、マッカリンはナイロビに駐屯していた際に最初のカメラである二眼レフのローライコードを30ポンドで購入した。イギリスに戻ると資金不足によりカメラを質に入れ、母親はその資金を使って誓約を償還した。1958年には、爆撃で破壊された建物でポーズをとる地元のロンドンのギャングの写真を撮影した。同僚たちに説得されて、ギャング「ガヴナーズ」として知られる彼の写真をオブザーバー紙に持って行くことになり、同紙が掲載したことで写真家としての道を歩み始めた。

Sheep going to slaughter
Sheep going to slaughter, London, 1965

1966年から1984年の間、彼はサンデー・タイムズ・マガジンの海外特派員として働き、1968年のビアフラ戦争やアフリカのエイズ流行の被害者などの生態系や人為的災害を記録した。べトナム戦争と北アイルランド紛争に関する彼の鋭い報道は特に高く評価されている。またミケランジェロ・アントニオーニの1966年の映画『ブローアップ』に使われたロンドンのメアリオンパークの写真も撮影した。1968年には、彼のニコンFカメラが彼に向けられた弾丸を止めた。同じく1968年7月28日には、ビートルズの絶頂期で『ホワイト・アルバム』の録音中だったが彼らの写真撮影に招かれた。これらのセッションはロンドンの複数の場所で行われ "The Mad Day Out"(狂気の休日) として知られるようになる。これらの写真にはレッド&ブルーのコンピレーションに収録されたゲートフォールドのジャケット写真も含まれており、ビートルズが墓地の手すり越しに観客と混ざり合っている様子が写っている。

soldiers' confessions
Priest hears soldiers' confessions, Vietnam, 1969

この日の写真は2010年に上梓された書籍 "A Day in the Life of the Beatles"(ビートルズの一日)に掲載された。1982年、イギリス政府は船が満員だと理由にフォークランド紛争を取材するための記者証をマッカリンに与えなかった。当時、彼はサッチャー政権が彼の映像が政治的にあまりにも不穏すぎると感じたからだと考えていた。彼は『パレスチナ人』(ジョナサン・ディンブルビーと共著、1980年)、『ベイルート:危機の都市』(1983年)、『ドン・マッカリン・イン・アフリカ』(2005年)など、多数の著書の著者である。彼の著書『戦争によって形作られる』(2010年)は、2010年にイングランド・ソールフォードのインペリアル・ウォー・ミュージアム・ノースでの回顧展に伴うものとして出版された。 その後バースのヴィクトリア美術館やロンドンのインペリアル・ウォー・ミュージアムでも展覧会が開催された。

Londonderry
Catholic youths escaping from CS gas, Londonderry, Northern Ireland, 1971

彼の最新の出版物は "Southern Frontiers: A Journey Across the Roman Empire"(南方の辺境:ローマ帝国を横断する旅)で、北アフリカと中東の選ばれたローマおよび先ローマ時代の遺跡を詩的かつ瞑想的に研究したものである。2012年には、彼の人生を描いたドキュメンタリー映画『マッカリン』が公開され、デイヴィッド・モリスとジャッキー・モリスが監督した。この作品は BAFTA(英国アカデミー賞)の2部門にノミネートされた。晩年には風景画や静物画、依頼された肖像画にも取り組んだ。2015年11月にはフォト・ロンドンの2016年マスター・オブ・フォトグラフィーに選ばれた。英国放送協会 のテレビチャンネル BBC Four のドキュメンタリー『パルミラへの道』は、2018年2月に撮影され5月に放送された。マッカリンは歴史家ダン・クルイックシャンクと共にシリアを訪れ、ユネスコに登録されているパルミラの紛争による破壊を目の当たりにした。

Bali
Taking Gifts to the Sea Gods, Bali,1982

ラジオ・タイムズとの訪問について、マッカリンは戦場に入る際の自身のアプローチについて「私は何度も命をかけてきましたが、あらゆる火傷や砲弾の傷で病院に運ばれました。私は前や後ろまで見る爬虫類のような目を持っています。常に生き延びようとしています。戦争や隠された地雷のことは知っている」と語った。戦争写真家としての評判にもかかわらず、マッカリンはアルフレッド・スティーグリッツが自身の作品に大きな影響を与えたと語っている。 2002年にマッカランは旅行作家のマーク・シャンドの紹介でジャーナりストのキャサリン・フェアウェザーと結婚した。サマセット在住の夫妻には5人の子供がいる。

photographer  Don McCullin (born in 1935) | Irreconcilable Truths | Biography | Purchase | Contact

写真術における偉大なる達人たち

Edward Curtis (1868-1952) An Oasis in the Badlands, South Dakota, 1905

2021年の秋以来、思いつくまま世界の写真界20~21世紀の達人たちの紹介記事を拙ブログに綴ってきましたが、2026年3月5日現在のリストです。右端の()内はそれぞれ写真家の生年・没年です。左端の年月日をクリックするとそれぞれの掲載ページが開きます。

21/10/06多くの人々に感動を与えたアフリカ系アメリカ人写真家ゴードン・パークスの足跡(1912–2006)
21/10/08グループ f/64 のメンバーだった写真家イモージン・カニンガムは化学を専攻した(1883–1976)
21/10/10圧倒的な才能を持ち現代アメリカの芸術写真を牽引したポール・ストランド(1890–1976)
21/10/11何気ない虚ろなアメリカを旅したスイス生まれの写真家ロバート・フランク(1924–2019)
21/10/13作為を排した新客観主義に触発されたストリート写真の達人ロベール・ドアノー(1912–1994)
21/10/16大恐慌時に農村や小さな町の生活窮状をドキュメントした写真家ラッセル・リー(1903–1986)
21/10/17日記に最後の晩餐という言葉を残して自死した写真家ダイアン・アーバスの黙示録(1923–1971)
21/10/19フォトジャーナリズムの手法を芸術の域に高めた写真家ユージン・スミスの視線(1918–1978)
21/10/24時代の風潮に左右されず独自の芸術観を持ち続けたプラハの詩人ヨゼフ・スデック(1896-1976)
21/10/27西欧美術を米国に紹介した写真家アルフレッド・スティーグリッツの功績(1864–1946)
21/11/01美しいパリを撮影していたウジェーヌ・アジェを「発見」したベレニス・アボット(1898–1991)
21/11/08近代ストレート写真を先導した 20 世紀の写真界の巨匠エドワード・ウェストン(1886–1958)
21/11/10芸術を通じて社会や政治に影響を与えることを目指した写真家アンセル・アダムス(1902–1984)
21/11/13大恐慌を記録したウォーカー・エヴァンスの被写体はその土地固有の様式だった(1903–1975)
21/11/16写真少年ジャック=アンリ・ラルティーグは個展を開いた 69 歳まで無名だった(1894–1986)
21/11/20ハンガリー出身の世界で最も偉大な戦争写真家ロバート・キャパの短い人生(1913–1954)
21/11/25児童労働の惨状を訴えるため現実を正確に捉えた写真家ルイス・ハインの偉業(1874–1940)
21/12/01マグナム・フォトを設立した写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間(1908–2004)
21/12/06犬を人間のいくつかの性質を持っているとして愛撮したエリオット・アーウィット(1928-2023)
21/12/08リチャード・アヴェドンの洗練され権威ある感覚をもたらしたポートレート写真(1923–2004)
21/12/12デザインと産業の統合に集中したバウハウスの写真家ラースロー・モホリ=ナジ(1923–1928)
21/12/17ダダイズムとシュルレアリスムに跨る写真を制作したマン・レイは革新者だった(1890–1976)
21/12/29フォトジャーナリズムに傾倒したアラ・ギュレルの失われたイスタンブル写真素描(1928–2018)
22/01/10ペルーのスタジオをヒントに自然光に拘ったアーヴィング・ペンの鮮明な写真(1917-2009)
22/02/25非現実的なほど歪曲し抽象的な遠近感を生み出した写真家ビル・ブラントのカメラ(1904–1983)
22/03/09男性ヌードや花を白黒で撮影した異端の写真家ロバート・メイプルソープへの賛歌(1946–1989)
22/03/18ニューヨーク近代美術館で写真展「人間家族」を企画したエドワード・スタイケン(1879–1973)
22/03/24公民権運動の影響を記録したキュメンタリー写真家ブルース・デヴッドソンの慧眼(born 1933)
22/04/21社会的弱者に寄り添いエモーショナルに撮影した写真家メアリー・エレン・マーク(1940-2015)
22/05/20早逝した写真家リンダ・マッカートニーはザ・ビートルズのポールの伴侶だった(1941–1998)
22/06/01大都市に変貌する香港を活写して重要な作品群を作り上げたファン・ホーの視線(1931–2016)
22/06/12肖像写真で社会の断面を浮き彫りにしたドキュメント写真家アウグスト・ザンダー(1876–1964)
22/08/01スペイン内戦取材で26歳という若さに散った女性戦争写真家ゲルダ・タローの生涯 (1910–1937)
22/09/16カラー写真を芸術として追及したジョエル・マイヤーウィッツの手腕(born 1938)
22/09/25死と衰退を意味する作品を手がけた女性写真家サリー・マンの感性(born 1951)
22/10/17北海道の風景に恋したイギリス人写真家マイケル・ケンナのモノクロ写真(born 1951)
22/11/06アメリカ先住民を「失われる前に」記録したエドワード・カーティス(1868–1952)
22/11/16大恐慌の写真 9,000 点以上を制作したマリオン・ポスト・ウォルコット(1910–1990)
22/11/18人間の精神の深さを写真に写しとったアルゼンチン出身のペドロ・ルイス・ラオタ (1934-1986)
22/12/10アメリカの生活と社会的問題を描写した写真家ゲイリー・ウィノグランド(1928–1984)
22/12/16没後に脚光を浴びたヴィヴィアン・マイヤーのストリート写真(1926–2009)
22/12/23写真家集団マグナムに参画した初めての女性報道写真家イヴ・アーノルド(1912-2012)
23/03/25写真家フランク・ラインハートのアメリカ先住民のドラマチックで美しい肖像写真(1861-1928)
23/04/13複雑なタブローを構築するシュールレアリスム写真家サンディ・スコグランド(born 1946)
23/04/21キャラクターから自らを切り離したシンディー・シャーマンの自画像(born 1954)
23/05/01震災前のサンフランシスコを記録した写真家アーノルド・ジェンス(1869–1942)
23/05/03メキシコにおけるフォトジャーナリズムの先駆者マヌエル・ラモス(1874-1945)
23/05/05文学と芸術に没頭し超現実主義絵画に着想を得た台湾を代表する写真家張照堂(1943-2024)
23/05/07家族の緊密なポートレイトで注目を集めた写真家エメット・ゴウィン(born 1941)
23/05/22欲望やジェンダーの境界を無視したクロード・カアンのセルフポートレイト(1894–1954)
23/05/2520世紀初頭のアメリカの都市改革に大きく貢献したジェイコブ・リース(1849-1914)
23/06/05都市の社会風景という視覚的言語を発展させた写真家リー・フリードランダー(born 1934)
23/06/13写真芸術の境界を広げた暗室の錬金術師ジェリー・ユルズマンの神技(1934–2022)
23/06/15強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人を撮影したドロシア・ラング(1895–1965)
23/06/20劇的な国際的シンボルとなった「プラハの春」を撮影したヨゼフ・コウデルカ(born 1958)
23/06/24警察無線を傍受できる唯一のニューヨークの写真家だったウィージー(1899–1968)
23/07/03フォトジャーナリズムの父アルフレッド・アイゼンシュタットの視線(1898–1995)
23/07/06ハンガリーの芸術家たちとの交流が反映されたアンドレ・ケルテスの作品(1894-1985)
23/07/08家族が所有する島で野鳥の写真を撮り始めたエリオット・ポーター(1901–1990)
23/07/08戦争と苦しみを衝撃的な力でとらえた報道写真家ドン・マッカラン(born 1935)
23/07/17夜のパリに漂うムードに魅了されていたハンガリー出身の写真家ブラッサイ(1899–1984)
23/07/2020世紀の著名人を撮影した肖像写真家の巨星ユーサフ・カーシュ(1908–2002)
23/07/22メキシコの革命運動に身を捧げた写真家ティナ・モドッティのマルチな才能(1896–1942)
23/07/24ロングアイランド出身のマルクス主義者を自称する写真家ラリー・フィンク(born 1941)
23/08/01アフリカ系アメリカ人の芸術的な肖像写真を制作したコンスエロ・カナガ(1894–1978)
23/08/04ヒトラーの地下壕の写真を世界に初めて公開したウィリアム・ヴァンディバート(1912-1990)
23/08/06タイプライターとカメラを同じように扱った写真家カール・マイダンス(1907–2004)
23/08/08ファッションモデルから戦場フォトャーナリストに転じたリー・ミラーの生涯(1907-1977)
23/08/14ニコンのレンズを世界に知らしめたデイヴィッド・ダグラス・ダンカンの功績(1907-2007)
23/08/18超現実的なインスタレーションアートを創り上げたサンディ・スコグランド(born 1946)
23/08/20シカゴの街角やアメリカ史における重要な瞬間を再現した写真家アート・シェイ(1922–2018)
23/08/22大恐慌時代の FSA プロジェクト 最初の写真家アーサー・ロススタイン(1915-1986)
23/08/25カメラの焦点を自分たちの生活に向けるべきと主張したハリー・キャラハン(1912-1999)
23/09/08イギリスにおけるフォトジャーナリズムの先駆者クルト・ハットン(1893–1960)
23/10/06ロシアにおけるデザインと構成主義創設者だったアレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956)
23/10/18物事の本質に近づくための絶え間ない努力を続けた写真家ウィン・バロック(1902–1975)
23/10/27先見かつ斬新な作品により写真史に大きな影響を与えたウィリアム・クライン(1926–2022)
23/11/09アパートの窓から四季の移り変わりの美しさなどを撮影したルース・オーキン(1921-1985)
23/11/15死や死体の陰翳が纏わりついた写真家ジョエル=ピーター・ウィトキンの作品(born 1939)
23/12/01近代化により消滅する前のパリの建築物や街並みを記録したウジェーヌ・アジェ(1857-1927)
23/12/15同時代で最も有名で最も知られていないストリート写真家のヘレン・レヴィット(1913–2009)
23/12/20哲学者であることも写真家であることも認めなかったジャン・ボードリヤール(1929-2007)
24/01/08音楽や映画など多岐にわたる分野で能力を発揮した写真家ジャック・デラーノ(1914–1997)
24/02/25シチリア出身のイタリア人マグナム写真家フェルディナンド・スキアンナの視座(born 1943)
24/03/21パリで花開いたロシア人ファッション写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900–1968)
24/04/04報道写真家として自活することに成功した最初の女性の一人エスター・バブリー(1921-1998)
24/04/20長時間露光により時間の多層性を浮かび上がらせたアレクセイ・ティタレンコ(born 1962)
24/04/2820世紀後半のイタリアで最も重要な写真家ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン(born 1930)
24/04/30トルコの古い伝統の記憶を守り続ける女性写真家 F・ディレク・ウヤル(born 1976)
24/05/01ファッション写真に大きな影響を与えたデヴィッド・ザイドナーの短い生涯(1957-1999)
24/05/08社会の鼓動を捉えたいという思いで写真家になったリチャード・サンドラー(born 1946)
24/05/10直接的で妥協がないストリート写真の巨匠レオン・レヴィンシュタイン(1910–1988)
24/05/12自らの作品を視覚的な物語と定義している写真家スティーヴ・マッカリー(born 1950)
24/05/14多様な芸術の影響を受け写真家の視点を形作ったアンドレアス・ファイニンガー(1906-1999)
24/05/16芸術的表現により繊細な目を持つ女性写真家となったマルティーヌ・フランク(1938-2012)
24/05/18ドキュメンタリー写真をモノクロからカラーに舵を切ったマーティン・パー(born 1952)
24/05/21先駆的なグラフ誌『ピクチャー・ポスト』を主導した写真家バート・ハーディ(1913-1995)
24/05/24グラフ誌『ライフ』に30年間投稿し続けたロシア生まれの写真家リナ・リーン(1914-1995)
24/05/27旅する写真家として20世紀後半の歴史に残る象徴的な作品を制作したルネ・ブリ(1933-2014)
24/05/29高速ストロボスコープ写真を開発したハロルド・ユージン・エジャートン(1903-1990)
24/06/03一般市民とそのささやかな瞬間を撮影したオランダの写真家ヘンク・ヨンケル(1912-2002)
24/06/10ラージフォーマット写真のデジタル処理で成功したアンドレアス・グルスキー(born 1955)
24/06/26レンズを通して親密な講釈と被写体の声を伝えてきた韓国出身のユンギ・キム(born 1962)
24/07/05演出されたものではなく現実的なファッション写真を開発したトニ・フリッセル(1907-1988)
24/07/07スウィンギング60年代のイメージ形成に貢献した写真家デイヴィッド・ベイリー(born 1938)
24/07/13著名人からから小さな町の人々まで撮影してきた写真家マイケル・オブライエン(born 1950)
24/07/14人々のドラマが宿る都市のカラー写真を制作したコンスタンティン・マノス(born 1934)
24/08/04写真家集団「マグナム・フォト」所属するただ一人の日本人メンバー久保田博二(born 1939)
24/08/08ロバート・F・ケネディの死を悼む人々を葬儀列車から捉えたポール・フスコ(1930–2020)
24/08/13クリスティーナ・ガルシア・ロデロが話したいのは時間も終わりもない出来事だ(born 1949)
24/08/30ドキュメンタリーと芸術の境界を歩んだカラー写真の先駆者エルンスト・ハース(1921–1986)
24/09/01国際的写真家集団マグナム・フォトの女性写真家スーザン・メイゼラスの視線(born 1948)
24/09/09アパルトヘイトの悪と日常的な社会への影響を記録したアーネスト・コール(1940–1990)
24/09/14宗教的または民俗的な儀式に写真撮影の情熱を注ぎ込んだラモン・マサッツ(1931-2024)
24/09/23アメリカで最も有名な無名の写真家と呼ばれたエヴリン・ホーファー(1922–2009)
24/09/25自身を「大義を求める反逆者」と表現した写真家マージョリー・コリンズ(1912-1985)
24/09/27北海道の小さな町にあった営業写真館を継がず写真芸術の道を歩んだ深瀬昌久(1934-2012)
24/10/01現代アメリカの風変わりで平凡なイメージに焦点を当てた写真家アレック・ソス(born 1969)
24/10/04微妙なテクスチャーの言語を備えた異次元の写真を追及したアーサー・トレス(born 1940)
24/10/06オーストリア系イギリス人のエディス・チューダー=ハートはソ連のスパイだった(1908-1973)
24/10/08映画の撮影監督でもあったドキュメンタリー写真家ヴォルフガング・スシツキー(1912–2016)
24/10/15芸術のレズビアン・サブカルチャーに深く関わった写真家ルース・ベルンハルト(1905–2006)
24/10/19ランド・アートを通じて作品を地球と共同制作するアンディ・ゴールドワージー (born 1956)
24/10/29公民権運動の活動に感銘し刑務所制度の悲惨を描写した写真家ダニー・ライアン (born 1942)
24/11/01人間の状態と現在の出来事を記録するストリート写真家ピータ―・ターンリー (born 1955)
24/11/04写真を通じて現代の社会的状況を改善することに専念したアーロン・シスキンド(1903-1991)
24/11/07自然と植物の成長にインスピレーションを受けた写真家カール・ブロスフェルト(1865-1932)
24/11/09ストリート写真で知られているリゼット・モデルは教える才能を持っていた(1901-1983)
24/11/11カラー写真が芸術として認知されるようになった功労者ウィリアム・エグルストン(born 1939)
24/11/13革命後のメキシコ復興の重要人物だった写真家ローラ・アルバレス・ブラボー(1903-1993)
24/11/15チリの歴史上最も重要な写真家であると考えられているセルヒオ・ララインの視座(1931-2012)
24/11/19イギリスのアンリ・カルティエ=ブレッソンと評されたジェーン・ボウン(1925-2014)
24/11/25カラー写真の先駆者ソール・ライターは戦後写真界の傑出した人物のひとりだった(1923–2013)
24/11/25サム・フォークがニューヨーク・タイムズに寄せた写真は鮮烈な感覚をもたらした(1901-1991)
24/11/29ゲイ解放運動の活動家だったトランスジェンダーの写真家ピーター・ヒュージャー(1934–1987)
24/12/01複数の芸術的才能に恵まれていた華麗なるファッション写真家セシル・ビートン(1904–1980)
24/12/05ライフ誌と空軍で活躍した女性初の戦場写真家マーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)
24/12/07愛と美を鮮明に捉えたロマン派写真家エドゥアール・ブーバの平和への眼差し(1923–1999)
24/12/10保守的な政治体制と対立しながら自由のために写真を手段にしたエヴァ・ペスニョ(1910–2003)
24/12/15自然環境における人間の姿を研究することに関心を寄せた写真家マイケル・ぺト(1908-1970)
24/12/20ベトナム戦争中にナパーム弾攻撃から逃げる子供たちを撮影したニック・ウット(born 1951)
25/01/06記録映画の先駆者であり前衛映画製作者でもあった写真家ラルフ・スタイナー(1899–1986)
25/01/10アメリカ西部を占める文化の多様性を反映した写真家ローラ・ウィルソンの足跡(born 1939)
25/01/15フランスの人文主義写真運動で活躍したスイス系フランス人ザビーネ・ヴァイス(1924–2021)
25/02/03サルバドール・ダリとの共作でシュールな写真を創出したフィリップ・ハルスマン(1906–1979)
25/02/06ベトナム戦争に対する懸念を形にした写真家フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(1936-2008)
25/02/18芸術に複数の糸を持っていたシュルレアリスムの写真家エミール・サヴィトリー(1903-1967)
25/03/19シュルレアリスムの先駆的な写真家でピカソのモデルで恋人だったドラ・マール(1907-1997)
25/03/25ホロコースト前の東欧のユダヤ人社会を記録した写真家ローマン・ヴィスニアック(1897-1990)
25/04/01ソーシャルワーカーからライフ誌の専属写真家に転じたウォレス・カークランド(1891–1979)
25/04/04写真家ビル・エプリッジは20世紀で最も優れたフォトジャーナリストの一人だった(1938-2013)
25/04/25ロバート・キャパの弟で総合施設国際写真センターを設立したコーネル・キャパ(1918-2008)
25/05/01激動1960年代の音楽家たちをキャプチャーした写真家エリオット・ランディの慧眼(born 1942)
25/05/23生まれ故郷ブラジルの熱帯雨林アマゾン川流域へのセバスチャン・サルガドの視座(1944-2025)
25/06/22風景への畏敬の念と激動の気象現象への驚異が伝わるミッチ・ドブラウナーの写真(born 1956)
25/07/26ティンタイプ写真でアパラチアの伝承音楽家に焦点を当てたリサ・エルマーレ(born 1984)
25/08/03色彩の卓越した表現を通して写真というジャンルを超越したデビッド・ラシャペル(born 1963)
25/08/20ヨーロッパ解放やコンゴ紛争などでの勇敢な取材で知られるドミトリ・ケッセル(1902–1995)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/08アパラチアや南東部の農村地帯の人々の肖像写真で知られているドリス・ウルマン(1882-1934)
25/08/25長大吊り橋を撮影したピーター・スタックポールはライフ誌創刊の写真家になった(1913-1997)
25/09/15指導者であり預言者であり歴史家であり学者だった写真家ジョン・ローエンガード(1934-2020)
25/09/17女性を客体ではなく主体として描写した写真家エレン・フォン・アンワースの視線(born 1954)
25/09/22精巧に演出された赤ちゃんたちの愛らしい写真で世界的に評価されるアン・ゲデス(born 1956)
25/09/26エロティックで都会的なスタイルの頂点を極めた写真家ヘルムート・ニュートン(1920-2004)
25/10/06モデルからファッション写真家に転じたスリランカ系英国人ナイジェル・バーカー(born 1972)
25/10/15ヴィクトリア朝イギリスで最も有名な写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)
25/10/17革新的手法を用いたドイツ系ユダヤ人写真家エーリッヒ・ザロモンの悲劇的な運命(1886-1944)
25/10/20地球の環境破壊と気候変動の壊滅的な影響を明瞭に伝える写真家ニック・ブラント(born 1964)
25/10/23政治家や作家など世界の重要人物の精緻な肖像写真を撮影したユーサフ・カーシュ(1908-2002)
25/10/26直面する不正義と対峙するパレスチナ系オランダ人写真家サキル・カデルの眼差し(born 1990)
25/11/12目に見えない鳥の飛行経路を可視化した作品で知られる写真家シャビ・ボウの秘技(born 1979)
25/11/18自身の文化的環境を探求したメキシコを代表する写真家グラシエラ・イトゥルビデ(born 1942)
25/11/25フォトルポルタージュの新たな時代を築いたスペインの写真家ラモン・マサッツ(1931-2024)
25/12/10畏敬の対象となる自然風景および聖なる場所を崇拝した風景写真家リンダ・コナー(born 1944)
25/12/23インド初の女性報道写真家で独立国家への変遷を記録したホマイ・ヴィヤラワラ(1913-2012)
26/01/04モデルから転身した写真家サラ・ムーンの雰囲気により際立った印象派的な作品(born 1941)
26/01/07音楽に合わせた写真「ドリーム・ピクチャーズ」で知られるブランソン・デク―(1892-1941)
26/01/22技術者の客観性と技術的志向を写真撮影に反映させたエミール・ハイルボルン(1900-2003)
26/01/26芸術的側面と社会的な側面の二つの特質を最適に供えた女性写真家アタ・カンドー(1913-2017)
26/03/05戦争や貧困など社会の底辺を記録して世界的な評価を得た写真家ドン・マッカラン(born 1935)

子供の頃「明治は遠くなりにけり」という言葉を耳にした記憶がありますが、今まさに「20世紀は遠くなりにけり」の感があります。掲載した作品の大半がモノクロ写真で、カラー写真がわずかのなのは偶然ではないような気がします。20世紀のアートの世界ではモノクロ写真が主流だったからです。しかしデジタルカメラが主流になった21世紀、カラー写真の台頭に目覚ましいものがあります。ジョエル・マイヤーウィッツとサンディ・スコグランド、ジャン・ボードリヤール、 F・ディレク・ウヤル、マーティン・パー、コンスタンティン・マノス、久保田博二、ポール・フスコ、エルンスト・ハース、エヴリン・ホーファー、アレック・ソス、アンディ・ゴールドワージー、ウィリアム・エグルストン、ソール・ライタ、などのカラー作品を取り上げました。

photographer  Famous Photographers: Great photographs can elicit thoughts, feelings, and emotions.