2018年2月23日

今年の世界ピンホール写真デーは4月29日(日)です


毎年4月の最終日曜日は世界ピンホール写真デーWorldwide Pinhole Photography Day)で、今年は4月29日(日)です。この日に制作されたピンホール写真をウェブサイトにアップロードすると、ギャラリーに掲載されます。ちょっと先になるのですが、私が管理しているFacebookグループ「ピンホール写真」にジョン・ニール氏からプロモーション用画像の投稿がありましたので、ここに紹介します。開催日が迫れば新たなフライヤ―ないしポスター用の画像がウェブサイトに掲載されると思いますので、またお知らせする予定です。

WPPD  Welcome to the Worldwide Pinhole Photography Day Website

2018年2月21日

不鮮明の歴史:ディテイルを拒否するまなざし

岡崎公園(京都市左京区岡崎最勝寺町)
Harman TiTAN 4x5 Pinhole Camera with Fujifilm 160NS

ピンボケの写真ができ上ると、人々は失敗作として落胆しないだろうか? 写真は鮮明に写っていないと駄目だと入門書に書いてはないだろうか? ところが現代では、判別できないような不鮮明な画像が受け入れられている。シュトゥットガルト写真関連著作賞を受賞した『不鮮明の歴史』の著者、ヴォルフガング・ウルリヒは「不鮮明の歴史を再構成していけば、ある造形手段のジャンル全体が、精神的・イデオロギー的な起源から解き放たれていく過程を示すことになる」と主張している。明解性において優れた写真術の発明は、絵画、特に肖像画に大きな打撃を与えたといえる。だがしかし、不思議なことに、すぐにソフトフォーカスが流行りだした。そしてさらに、ゴム印画法など、絵画を模倣した手法が現れ、19世紀末から20世紀初頭まで一世風靡する。いわゆるピクトリアリズム、絵画主義写真である。ところが明解性こそ写真の真髄であるという主張を基に、ストレート写真による揺り戻しがあった。米国において最も重要な代表者はアルフレッド・スティーグリッツであり、我が国では野島康三だった。いずれも絵画主義を標榜した写真家だったが、鮮明なストレート写真こそ写真であると高らかに宣言した。写真芸術にとって不鮮明さは必要ないと断じたわけである。鮮明さを求めるものに報道写真があるのでは、と考える人が多いかも知れない。ピンボケでは証拠にならないからだ。
満留伸一郎訳(クリックで拡大)

しかし例えばロバート・キャパの名作「ノルマンディ上陸作戦」の写真はどうだろう。ヘルメットをかぶり、海水に浸かりながら上陸作戦を展開する兵士たちは、見事にブレ、ボケている。そのブレボケが状況の緊迫感を増幅させ、逆にリアリティを持たせているのである。もしかしたら不鮮明は真理の構成要素のひとつになり得る可能性もあるといえるのではないだろうか。20世紀の終わりになると、信憑性がある写真に対する欲求が高まったとヴォルフガング・ウルリヒは主張する。そのひとつの要因として、デジタル画像処理に対する反動があったのではないかという。つまりこの写真はホンモノかどうかと疑うことが習慣になってしまったというのだ。カメラの外にある光と、フィルムと簡素な関係に複雑な要素が加わってしまった。カメラはブラックボックス化し、人が写真の成立にどれだけ関われるかが不透明になってしまったのである。だから写真の技術武装に対する反動として、ロモのようなトイカメラが圧倒的支持を得るようになったのではないだろうか。ロモ愛好家のスローガンは「不鮮明なほど鮮明だ」「《よい》写真や《下手》な写真は存在しない」であった。本書はピンホールやゾーンプレート写真には触れていないが、その位置づけに対し示唆に富んでいる。私は写真の成立に極めて直接的に関われるこれらの写真こそ、真実味を帯びた信憑性ある画像を生み出すと思っているからだ。その根底にあるのは、物事のディテイルを拒否する人間のまなざしではないだろうか。

2018年2月17日

岩波文庫「ロバート・キャパ写真集」を手にして


宝島社文庫(2000年)
書店をうろついていたら、ロバート・キャパの写真をカバーにした文庫本が目にとまった。手に取って見ると、帯に「ロバート・キャパが撮影した約7万点のネガから236点を精選して収録」とある。印象的なのは「岩波文庫初の写真集」と強調していることだ。ちょっと待て、1950年代に名取洋之助が編集していた「岩波写真文庫」があったじゃないか、と内心突っ込みかけてしまった。岩波書店の編集者が知らない筈はないだろうし、B6判で、文庫本のA6判とは違う。要するに今の文庫本では初めての写真集ということなのだろう。私は数年前から余程の理由がない限り、文庫版、あるいは新書版の書籍しか買わなくなってしまった。書斎兼寝室に隠遁状態の現在ではあるが、オーディオ装置で音楽は聴くものの、本は滅多に読まない。なぜか分からないが、集中できず、わざわざ喫茶店などに出かけて読むことが多い。写真集は大型本が一般で持ち歩けない。書棚を占有するし、だから小型本は有難いのである。ところで写真集ということで紙質を良くしてあるが、これはキャパの弟でファインプリント志向だった ICP の創設者のコーネルの遺志を継いだものだろうか。キャパの戦争写真はザラ紙の新聞やグラフ誌に発表されたもので、綺麗すぎる印刷が気になるのは私だけかもしれない。キャパの写真集は2000年暮れ、宝島社が「戦争・平和・子どもたち」と題した文庫本を出版している。キャパの伝記で知られるリチャード・ウェーランが編纂しただけに素晴らしい。写真は大きいほうが確かに見栄えがするが、真に優れた写真は小さくても価値は落ちない。岩波文庫が更なる写真集を発行することを期待したい。

amazon  ICPロバート・キャパ・アーカイブ編『ロバート・キャパ写真集 』(岩波文庫) 2017/12/16

2018年2月16日

豊田直巳写真展「叫びと囁き」フクシマ・避難民の7年間の記録と記憶

画像をクリックすると拡大表示されます

日 時:2018年2月20(火)~ 4月11日(水)月~金10:00~18:00 土11:00~16:00 日・祝日休館
会 場:聖心女子大学4号館/聖心グローバルプラザ・BE * hive(アクセス)03-3407-5811
詳 細:http://kyosei.u-sacred-heart.ac.jp/

2018年2月14日

懐かしの RSS フィードボタンを設置してみた


このブログは2011年2月28日に創設したが、これまでに一番アクセスが多かったのは2013年5月22日に投稿した「グーグルの iGoogle から Netvibes への引っ越し準備」というエントリ―だった。Google リーダーが同年7月1日、iGoogle が11月にそのサービスを終了するというアナウンスがあり、RSSリーダーの Netvibes あるいは MyYahoo! への移行手順を紹介したものだった。ところが Netvibes をしばらく使っていたが、いつの間にか遠ざかってしまった。MyYahoo! は一度も触れなかったけど、2016年9月29日にサービスを終了している。RSS リーダーが衰退したのは利用者の減少がその理由である。ソーシャルメディアやキュレーションアプリで情報収集ようになったからだ。例えば時事情報を得たければ、Yahoo! や MSN など、ポータルサイトに行けば済んでしまう。ところが私がよくアクセスする「情報ドットコム」が、最近システムをリニューアルしたのだが「FC2から移転した直後ということもあり、先日からサイトの調査作業をしています。とりあえず、要望が多かった RSS フィードの設置を準備中です」というアナンスをした。おやおや RSS の要望が未だにあるのかと驚いた。同サイトは更新情報を Facebook や Twitter に流しているが、基本的にはブラウザのブックマークを頼りにする人が多いと思われる。RSSリーダーは、Web サイトの新着情報を一括管理できる。情報をまとめたサイトでは、ともするとな斜め読みしがちである。そういう意味で、RSS は「見逃したくないサイト」の購読に向いている。そういうわけでいささか時代錯誤と恥じらいつつ、当ブログのサイドバーに RSS フィードボタンを試験的に設置してみた。個人ブログの場合、RSS 購読していただくと、不定期で気紛れな書き込みの更新情報が得られるとちょっぴり自負しているが、効果のほどは不明である。なお、私が使ってる RSS リーダーは Feedly で、ブラウザ Chrome の拡張機能に対応しているのがその選択理由だ。英文のみなので、その点は留意すべきだと思う。日本語に対応している InoReader も良さそうだ。