2017年6月21日

高層住宅火災の犠牲になった若き女性写真芸術家

カディジャ・セイ「自写像」(第57回ヴェネチア・ビエンナーレ出展作品)

英国の「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィー」誌によると、6月14日、ロンドンの24階建て高層公営住宅「グレンフェル・タワー」で起きた火災で、将来を有望視されていた若き女性写真芸術家が亡くなった。カディジャ・セイ(Khadija Saye)、24歳。カディジャはガンビア人の母親と20階に住んでいた。名門ラグビー・スクールの奨学金で16歳まで一般教育を受けた後、彼女はUCA芸術大学の写真コースに進み、そこで彼女自身のアイデンティと、ガンビアの文化遺産をテーマに制作するようになった。卒業後、トッテム地区出身の労働党政治家デイビット・ラミーと結婚した肖像写真家、二コラ・グリーンに師事する。そして彼女は今年の第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展ディアスポラ館出展のため、シリーズ「住居:私たちが呼吸するこの空間(Dwelling: in this space we breathe)」を選んだ。これはまさにグレンフェル・タワーの生活における、ガンビアの伝統的精神の具現化だったようだ。火災が起こる前の5月10日、カディジャは「本当の旅だった。ママ、私はヴェネチアで展示されてる芸術家よ」とツイートしたという。

2017年6月17日

東松照明さんと太陽の鉛筆

東松照明『太陽の鉛筆』(毎日新聞社1975年)

浅間山荘事件があった1972年、私は東京に移り、中野に居を構えた。翌年、写真家の富山治夫さんがアパートを引き払うことになり、暗室があったので、そこに移り住んだ。新宿のど真ん中、屋上に上がると天空を占拠した高層ビルが迫ってきた。近所に東松照明さんが住んでいて、その頃のメモにはこんな下りがある。
東松照明さんは籠から文鳥を出すと手のひらに乗せた。二眼レフというのはねぇ、おじぎカメラと言うんだ。亜熱帯をテーマにした『太陽の鉛筆』をカメラ雑誌に連載してるころだった。ふつうのカメラはファインダーを覗くと直視する形になるだろ。二眼だと下を見るから相手は安心する。おじぎ、そうなんだよね。おじぎをして撮らせてもらうのさ。ふーん。私は関心する。それにしても太陽の鉛筆ってうまい表現だなと私は思った。スタッフっていろいろたいへんらしいね、と東松さんは言う。この間、毎日新聞のカメラマンもぼやいていたよ。そうですか? そんなことありません、楽ですよ。(『私的写真論への覚え書き』より)
その『太陽の鉛筆』は1975年に毎日新聞社から「カメラ毎日別冊」として出版された。前半は沖縄で撮影された35ミリカメラによるモノクロ写真だが、後半はローライフレックスで撮影された台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、シンガポールなどの島々および沖縄のカラー写真である。モノクロも良いが、色鮮やかなカラー写真も素晴らしい。まさにアジアの色である。東松さんはこのシリーズで、沖縄は琉球ネシアであり、日本本土ではなく、むしろ東南アジアと「海上の道で」でつながっていると主張したかったのかもしれない。いずれにせよ、この写真集が東松さんの代表作となった。初版オリジナルを所持しているが、私にとっては強い影響を受けた、手放しがたい一冊である。

2017年6月16日

ジュリアン・レノン写真展「CYCLE」京都で開催


期 間:2017年6月23日(金)~9月17日(日)11:00~19:00(月曜休館)
会 場:ライカギャラリー京都(京都市東山区祇園町南側)075-532-0320

イングランドのリヴァプールで生まれたジュリアン・レノン(ジョン・レノンと最初の妻シンシアの長男)は若い頃から芸術の道を進み始め、生まれながらの才能を音楽活動で発揮してきました。しかしその才能は音楽にとどまらず、映画やビジュアルアートまで多岐におよび、豊かな人生観をもとに、音楽活動、ドキュメンタリー映画の制作、慈善活動、そして写真にも、自分ならではの表現力を注ぎ込んでいます。2010年9月にマンハッタンで開催された、U2と絵画的な風景を捉えた初の写真展「Timeless」では、撮影者としての力量を余すところなく披露しました。それ以降もジュリアンは米国や欧州で「Alone」コレクションをはじめとした数々の写真展を開き、最近では写真と慈善活動を融合させた「Horizon」(きれいな飲料水を緊急に必要としているアフリカの各地域のために活動している「Charity: Water」と「ホワイト・フェザー基金」と協力)を展開しています。ジュリアンはケニアとエチオピアを巡ってさまざまな写真を撮影し、見る者が写真を通じてその土地固有の文化について学び、現地の窮状も認識できるような機会を提供しています。

2017年6月14日

悟ってない自分を痛感する断捨離

捨てがたい書籍が書棚に並んでいる

やや旧聞になるが、5月4日付けマイナビニュースによると、俳優の高橋英樹氏が、33トン分の断捨離実行したところ「ゴミ屋敷に近い量の物があった」という。彼は同じ中学校の同期生だが「70歳を超えたし、うちにある物を全部処分しよう」と思ったからだったという。断捨離とは必要もないもの、使わないものを手放すことで、やましたひでこ氏の登録商標だそうである。私も身の回りを整理して身軽になりたいという願望がある。じゃあ何を捨てるか。自分が撮影した写真が掲載されてる雑誌の切り抜き帳は捨てがたいが、ある程度コンパクトに纏めることができるだろう、問題はレコードと書籍である。古いLPレコードは惜しいけど、売却しても良いと思っている。CDのみにすれば、プレーヤーなども処分できる。さらにCDもNASにストレージ、ディスクそのものを処分するという手があるが、ちょっと躊躇われる。次に書籍だが、これを断捨離するのは厄介である。例えば2年間開かなかった書籍は、おそらく今後とも読む可能性がないだろう。だから売却しても良いような気がする。ところが不思議なもので、読まなくとも、その背が視界にあるだけで安らぐ。これらが消えたらきっと寂しくなるだろう。しかし本当に必要ない大型本は少しずつ処分しようと思う。文庫本の類は電子書籍に切り替えることも可能だが、紙の感触はこれまた捨てがたい。実に悩ましいが、すべてが手元から離れたら、ずいぶんすっきりするだろうと想像する。断捨離に躊躇、悟ってない自分を痛感する。

2017年6月12日

突然 Facebook にログインできなくなって


昨日の朝、ソーシャルメディア Facebook にアクセスしようとしたところ、ページのコンテンツが削除されたというメッセージが表示され、ログインできない状態になっていた。どうやら原因は、上掲の写真を投稿したためらしかった。これはマルチタレント、マドンナの無名時代、プロモーション用に撮影されたもので、その写真集の紹介のつもりだった。Facebook は利用規約に従っていないコンテンツを投稿すると、アカウントを一時凍結か、最悪の場合は剥奪されてしまうようだ。利用規約には次のような一項がある。
差別的、脅威的、またはわいせつ的なコンテンツや、暴力を誘発するようなコンテンツ、ヌードや不当な暴力の描写が含まれるコンテンツは投稿できません。
これを読むとヌード写真が、猥褻あるいは暴力を誘発するコンテンツと同列に扱われている。マドンナの写真はポルノグラフィーではないし、決して猥褻じゃないと私は思う。この写真集は日本国内でも堂々と市販されているものだし、その判断は不当だと感ずる。しかし「利用規約に反している」と指摘されれば、ユーザーは反論できない。しかし当該写真を削除した旨を伝えてくれるだけで良かったんじゃないかと思う。24時間後にログインできるようになったが、いきなりアクセス拒否する前に助言して欲しかった。

2017年6月10日

マグナム創立70周年「パリ・マグナム写真展」のご案内

Paris 2003, ©Christopher Anderson

会 期:2017年7月1日(土)~ 9月18日(月・祝)10:00~18:00
会 場:京都文化博物館4階展示室(京都市中京区三条通高倉)
料 金:一般1,000円(800円)高大生600円(400円)小中生300円(300円)()前売・20名以上の団体
詳 細:http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/paris_magnum/

1947年、ロバート・キャパ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ジョージ・ロジャー、デビッド・シーモアによって「写真家自身によってその権利と自由を守り、主張すること」を目的として写真家集団・マグナムは結成されました。以後、マグナムは20世紀写真史に大きな足跡を残す多くの写真家を輩出し、世界最高の写真家集団として今も常に地球規模で新しい写真表現を発信し続けています。本展は、2014年12月から翌年4月までパリ市庁舎で開催され、大きな反響を呼んだ展覧会の海外巡回展として企画。マグナム・フォト設立70周年にあたり、60万点に及ぶ所属写真家の作品の中から、パリをテーマにした作品約130点あまりを選び展観するものです。芸術の都・パリは多くの歴史的事件の舞台でもあり、かつ、写真術発明以来、常に「写真の首都」でもありました。20世紀の激動を最前線で見つめ続け、現代においても現在進行形の歴史をとらえ続けるマグナムの写真家たちが提示する豊穣なイメージは、都市とそこに生きる人々の歴史にとどまらず、写真表現の豊かさをも我々に提示してくれると同時に、世界を発見する驚きに満ちた写真家たちの視線を追体験させてくれます。

2017年6月7日

英国製釣り用バッグの魅力

Brady Ariel Trout Small Bag and Fujifilm Finepix X100

インナークッションボックス
釣りに使うのではない、カメラを持ち歩くためである。英国チャップマン社の Troutbeck 12" の傷みが酷くなったので、新しく買い替えることにした。キャンバス地のカメラバッグと言えば、やはりビリンガムが脳裡を走る。かつて Hadley を持っていたが、クッション材による着脱可能な中仕切りが特長である。ところが最近は様々なサイズのインナークッションボックスが市販されているので、好みのバッグがカメラ用に変身する。真鍮のリングが付いていないのも物足りないので、敢えてビリンガムを対象から外した。そこで頭に浮かんだのがハーディ社の Test Bag だった。大きさを見てみると、幅38cm x 高さ30cm x 奥行き10cmで、A4サイズの書類やノートパソコンなどを持ち歩くにはちょうど良い。ところがバッグというのは「大は小を兼ねない」のである。私がふだん携行しているのは、富士フイルムのコンパクトデジタルカメラと、ホルガのピンホールカメラくらいで、横幅38cmはちょっと大きい。ハーディ社は英王室御用達で、創業1872年、フライフィッシングの名門ブランドである。ところがどうやら身売りしてしまったらしく、日本ないし中国製である。この点が気になり、結局ブレディ社Ariel Trout Small に落ち着いた。大きさも幅35 x 高さ27 x 奥行き9cmとちょうど良く、素朴で田舎っぽいデザインも好ましかったからである。

2017年6月5日

逆さにしてもドナルド


まさかさかさま

上のイラストを180°回転し、逆さにすると下のイラストになる。つまりドナルド・ダックの絵を逆さにするとドナルド・トランプの絵になるというわけである。このイラストはインターネットの多数のサイトに拡散されているが、ソース、つまり作者は不明。従ってクレジット表示はできないが、着眼点に感心する。余りにも傑作なので、ここに転載することにした。なお私がつけたキャプションの「まさかさかさま」は、右から読んでも「まさかさかさま」である。縦書きにすると上から読んでも下から読んで同じ回文である。

2017年6月3日

パリ協定離脱宣言した米大統領の愚挙

Climate Change Policies x Trump ©Carlos Amorim

ロイター通信日本語版によると6月1日、トランプ米大統領が選挙公約通り、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱すると発表したという。米国は温暖化ガス排出量が中国に次いで世界第2位で、世界の排出量の15%以上を占めるため、離脱の影響は大きいとみられる。つまり協定が形骸化する恐れがあるからだ。いわばポピュリズムがなせる業(ごう)なのだろうけど、当然のことながら国内外から強い反発の声が上がっている。ロイター通信は2日、米国の離脱決定は予想されていたが、これで気候変動に関する世界的取り組みの指揮が中国に移ったことが確認された、という見解を報じている。地球温暖化という差し迫った難題が、大国間の政治ゲームになっているのである。安倍晋三という男によって、この日本はどんどんオカシナ国になっているが、ドナルド・トランプという男によって、この地球がオカシクなりつつある。

2017年6月1日

カポエィラ・アンゴーラ@京都芸術センター

ブラジルの伝統芸能「カポエィラ」を体感する

日 時:2017年6月9日(金)10日(土)11日(日)13:00~20:00
会 場:京都芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下る)
料 金:無料(事前申し込み不要​)
主 催:インジンガ京都 https://www.nzingakyoto.com/

この3日間、日本でカポエィラ・アンゴーラを支え続けてきた講師を招き、年齢、性別、人種を問わず愛され守られてきたこの異文化芸術を幅広く紹介するために、京都芸術センターにてレクチャー&ワークショップを行います。初心者、経験者、多くのカポエィラの同志が集まることによって産み出される「トランス(高揚感・一体感)」を体験してみませんか? この3日間を通して、ブラジルの歴史、身体・精神・音楽性について考え、その神秘を体感してください。

2017年5月27日

ネオパン100アクロス出荷終了予告の衝撃


今から3年前の2014年、富士フイルムからショッキングなアナウンスがあった。同社の黒白フィルム「ネオパン400プレスト」の135と120が出荷終了となるという告知だった。コダックやイルフォードも感度400の黒白フィルムを製造していたが、富士フイルムのそれはかなりお気に入りだったからだ。特に中判120はローライフレックスで多用していたが、同機を使う気が失せた記憶がある。ところがである、昨日、今度は「ネオパン100アクロス」の大判4x5と8x10も2018年5月に出荷終了となるというアナウンスがあったのである。私の常用黒白大判用フィルムであるだけに、これはショックである。最高住準の粒状性、優れた相反則不軌特性など、世界的に人気があるので、将来に渡って製造が続くと思い込んでいた。出荷終了が迫ったらまとめ買いし、冷凍保存するつもりだ。しかし購入資金が嵩むし、第一、冷蔵庫の容量に限界がある。従ってやがて在庫が尽きてしまうことは目に見えている。一番残って欲しいフィルムだけに、デジタルカメラ時代の残酷を痛感する。

PDF  ネオパン100アクロス(Sheet)技術仕様の表示とダウンロード(PDFファイル 635KB)

2017年5月25日

ブラウザ Microsoft Edge を再評価する


ITコンサルタント会社「ウェブレッジ」の調査によると、Webブラウザシェアランキング(2017年4月)トップ5は次のような結果になったという。
  1. Google Chrome 57 (27.45%)
  2. Internet Explorer 11 (22.82%)
  3. Mozilla Firefox 52 (11.13%)
  4. Google Chrome 56 (5.24%)
  5. Microsoft Edge 14 (5.24%)
Google Octane 2.0 Benchmark
クリックすると拡大します
グーグルの Chrome が俄然強い。海外では人気衰退気味のマイクロソフト Internet Explorer だが、国内では相変わらず使われているようだ。ただ注目すべきは、同社の Edge が5位に食い込んでいることだ。Internet Explorer および Edge は Windows 10 に搭載されているブラウザで、そういった背景が反映していると想像される。Edge は当初、Chrome と比べると拡張機能に乏しく、にわかに使う気がしなかったが、最近になって再評価するようになった。というのは Edge は Internet Explorer の延長ではなく、違うレンダリング エンジンを搭載しているので、中身が全く違うシステムのブラウザーになっていて、スピードが速いと気づいたからである。最近、マイクロソフトは Windows 10 の大型アップデート Creators Update をリリースしたが、Edge 15 は Chrome 57 と Firefox 52 よりも高速だと、ベンチマークの結果を自画自賛している。確かにサクサク動くが、あくまで計測結果に過ぎなく、私が正確に速度差を体感できたかは定かではない。ただ、作成したウェブページやブログ記事を URL 短縮ツールを使わなくとも「共有」ボタンで Facebook や Twitter などのソーシャルメディアにシェアできるなど、十二分に使える軽快なブラウザだと再認識した。

2017年5月17日

ヒナを拾わないで:野鳥の子育て応援

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日本野鳥の会ウェブサイトより:春から夏にかけては、野鳥たちの子育ての季節。巣立ったばかりのヒナたちは、しばらくの間、親鳥と行動しながら飛び方やエサのとり方を身につけていきます。そんなとき、まだ上手に飛べないヒナが、地面に降りていることがあります。つい、手を差しのべたくなりますが、親鳥が近くにいることがあります。手を出さず、その場を離れてそっと見守ってください。それが野鳥たちへの「子そだて応援」につながります。しかし、誤って保護され、親鳥と引き離されてしまうヒナが後を絶ちません。そこで、当会では、20年以上に渡り、「野鳥の子育て応援(ヒナを拾わないで)キャンペーン」を継続し、ポスターの掲示協力など広くよびかけています。ぜひ皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。

PDF  野鳥の子そだて応援キャンペーンポスターの表示とダウンロード(PDFファイル 0.98MB)

2017年5月16日

5月22日は「国際生物多様性の日」です

UNDB-Jのロゴマーク

毎年5月22日は国連が定めた「国際生物多様性の日」です。世界各地で、5月22日を中心に自然にふれあい、生物多様性を守るためのイベントが開催されます。国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)と関係団体では、5月22日を中心に生物多様性を感じ、学び、行動するイベントを全国各地で開催します。

PDF  開催日付順「国際生物多様性の日」イベント一覧の表示とダウンロード(PDFファイル 253KB)

2017年5月13日

受動喫煙防止:子どもたちに健康な未来を

  
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小規模飲食店こそ禁煙を
厚生労働省が飲食店の屋内禁煙とする骨子案を固めたとき、森永卓郎氏が「喫煙者の人権を剥奪」「一言で言えばファシズムそのもの」と批判したという。同省が国会に提出を目指しているのは、あくまで受動喫煙対策強化であって、喫煙者が煙草を吸うなというものではない。屋内喫煙による受動喫煙は、特に子どもにとって弊害が心配される。喫煙者が煙草を吸うのは勝手だが、飲食店内ではやめて欲しいという主旨に過ぎなく、人権剥奪とはとんでもない意見である。喫煙で肺がんに冒されるのは自業自得だが、子どもを巻き添えにするのは犯罪である。ところでこの案は、喫煙する特に自民党議員の反対によって後退、30平方メートル以下の居酒屋やバーではでは喫煙可となった。つまり小さな居酒屋などで禁煙にすると、営業的打撃を受けるというのだ。京都のとある居酒屋に何度か立ち寄ることがあったが、客が吸う煙草の煙に辟易、経営者に「禁煙になりませんか」と訊いたことがある。ところが「そんなことをしたら店が潰れる」という返事で、以来、足が遠のいてしまった。そういえば、かつて喫茶店は喫煙可が普通だったが、今では全面禁煙の店が多い。居酒屋やバーは、なぜ喫煙に拘るのか不思議である。酒場で喫煙する呑んべいどもは、煙草を肴に酒を呑んでいるのである。さらに自民党が厚生労働省案を骨抜きする「妥協案」を5月8日にまとめた。それによると小規模飲食店は「喫煙」や「分煙」の表示があれば喫煙を認めるという案である。小規模飲食店こそ分煙もままならないだろうし、子どもも客である。なお厚生労働省の健康増進法改正を巡っては「煙草フリーサミット東京2017」が5月27日に東京で開催され、子どもたちに健康な未来を残すための議論が行われる。上掲のフライヤーをクリックすると拡大表示されるので、その詳細を読むことができる。

PDF  煙草フリーサミット東京2017のフライヤー表示とダウンロード(PDFファイル 15.5MB)

2017年5月12日

分解した HDD に機械美を抱く

EVE Z2M 3.5inch HDD

ぶこ工房32in1精密ドライバーセット
外付け HDD がクラッシュしてしまった。幸いなことに同じデータを2台の HDD でバックアップしていたので、データの全喪失は免れた。さてお釈迦になった HDD だが、フォーマットができない状態である。データが残ってる可能性があるので、このまま捨てるわけにはゆかない。思いつくのは千枚通しでぶち抜くことだが、カバーが頑丈そう。ハンマーで叩き壊すことも考えたが、ふと分解してみることを思いついた。子どものころ、好奇心で目覚まし時計を分解したものの、元に戻せず、親に叱られたことがある。しかし壊れた HDD 分解するわけだから気楽である。カバーのブラスネジを外したまでは良かったが、その先が進まない。というのは星型のネジでプラスドライバーでは箱が開かないのである。そこでネット検索、通販サイトで特殊ネジ用精密ドライバー セットを購入した。壊れ物の分解のためとは勿体ないと思ったが、別の用途にも使えそうだし、850円、さほど痛い出費ではない。なんとか箱の蓋を開けると、ご覧のような3.5インチの磁気ディスクドライブが現れた。当初、ディスクを破壊するするつもりだったが、眺めてるうちに壊すには惜しいという気持ちになった。なんと表現したらいいのだろう、普段は目にしない心臓部に、機械美を抱いたのである。適当な大きさのアクリルケースに入れて飾ろうかと思っている。

2017年5月2日

2017年第42回JPS展開催のお知らせ

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公益社団法人日本写真家協会(略称JPS)は全国に1,600名余りの会員を擁する職業写真家の団体です。協会の文化活動としての展覧会活動は、協会発足当時から始まっています。本協会創立の翌年1951年には「日本写真家協会 第1回展」を開催、1962年の第10回展まで行われました。同展は1976年に「JPS展」と名称を新たにし、1977年からは一般公募を開始、91年からは写真学生を対象とした「ヤングアイ」にまで規模を拡大し、東京、広島、名古屋、京都などで開催しています。一般公募では、文部科学大臣賞・東京都知事賞・金・銀・銅賞の他、奨励賞、優秀賞が与えられ、プロの写真家への登竜門となっています。

東京展
会 場: 東京都美術館 B1F
日 時: 2017年5月20日(土)~6月4日(日)10:00~18:00(木・金曜20:00まで)月曜休館
名古屋展
会 場: 愛知県美術館 H・I室
日 時: 2017年7月11日(火)~7月17日(月)10:00~18:00(金曜20:00最終日17:00まで)月曜休館
京都展
会 場: 京都文化博物館 5F
日 時: 2017年9月26日(火)~9月30日(土)10:00~18:00(最終日16:00まで)

入場料: 各展共通 一般700円(団体割引560円)/学生400円(団体割引320円)/高校生以下無料
             65歳以上400円(東京展)/65歳以上無料(名古屋・京都展)※団体は20名以上

主 催:公益社団法人日本写真家協会http://www.jps.gr.jp/

JPS  フライヤーの表示とダウンロード(PDFファイル 6.44MB)

2017年5月1日

マイクロソフト Windows 10 Creators Update 手動更新を控える


マイクロソフト Windows 10 を導入して1年以上の月日が流れた。さほど期待はしていなかったが、内蔵された新しいブラウザ Edge と、ウィルス対策ソフト Defender に惹かれるものがあった。常用ブラウザはグーグルの Chrome だが Edge は動きが軽快で Internet Explorer を凌駕している。ただ最近でこそ拡張機能が提供されるようになったが、Chrome と比べると貧弱である。Security Essentials を進化させた Defender はマルウェアやウイルスなどのセキュリティ脅威をスキャンしてパソコンを保護してくれる。システムの能力を削ぐ市販のウィルスソフトより優れているのではないだろうか。すでに大型アップデート Creators Update の配布が4月11日から始まっているが、マイクロソフトは Edge の新機能をアナウンスした。それいよると Edge の消費電力が低下、Chrome と比べて30%以上省エネだという。クラウドコンピューティングの時代、ブラウザの性能はやはり気になる。省電力は携帯型のノートパソコンに向いている。導入しようと思っていたが「手動更新を控えるようMSが要望」という記事が、先月28日付け日経BP電子版に掲載された。手動更新はあくまで上級者のみが利用し、それ以外のユーザーは通常の Windows Update で自動配信されるまで待つように勧めているそうだ。上級者とは言い難いので、手動更新は控えることにした。

2017年4月30日

今日は世界ピンホール写真デーです

WPPD 2017 flier by ©John Neel

毎年4月の最終日曜日にピンホール写真を制作した方は、世界中のどこからでも、その作品のスキャンを、公式ウェブサイトにアップロードすることが出来ます。あなたの作品は、世界ピンホール写真デーを讃えるオンラインギャラリーに展示されます。今年の世界ピンホール写真デーは今日、4月30日(日)です。

Pinhole Day公式ウェブサイト: http://www.pinholeday.org/

2017年4月29日

アフィリエイト広告掲載の躊躇い

フッタに設置したビッグバナー広告とリンクボタン

このブログのサイドバーに、グーグルの  AdSense と アマゾンのアフィリエイトを掲載していたが、いずれもサイズが 180x150ピクセルと小さいので、728x90ピクセルのバナー広告に変更して本文底辺のフッタに移動した。さらに再開した写真ブログ「京都フォト通信」に970x90ピクセルの横長バナーを置いた。AdSense の広告ユニットで一番大きいのが、970x250ピクセルのビルボードで、これは2番目の大きさになる。ブログの横幅が1030ピクセルあるので掲載が可能になった。アフィリエイトは成果報酬型広告と呼ばれ、単に掲載しただけでは広告費は発生せず、クリックしたユーザーが商品購入するなどのアクションを起こさない限り、報酬は望めない。私は複数のブログに AdSense を導入しているが、例えば今月の収益見積もりは僅か32円である。仮に月平均40円だとしても、年間480円にしかならない。これじゃネットビジネスというには余りにも少額である。フッタにはスクロールダウンして移動する必要ということもあるが、来訪者の絶対数が少ないというが最大の理由である。グーグルのブログサービス Blogger の特長は広告を掲載しなくても良いという点である。そのほうがすっきりするので広告を外そうかと躊躇う。ただ検索履歴に関連した広告が自動的に配信されるというアルゴリズムが興味深いし、しばらく置いておこうと思っている。

2017年4月26日

ディテールを嫌悪するまなざし

松尾大社(京都市西京区嵐山宮町)

Kiyohara VK50R(クリックで拡大)
写真は清原光学のソフトフォーカスレンズ VK50R で撮影した松尾大社の山吹である。ピンホール写真もそうだが、なぜ人はこのような不鮮明な写真を、わざわざ撮るのだろうか。写真術の黎明は1827年、フランス人ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスの発明に始まる。ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールは1839年、ダゲレオタイプを フランス学士院で発表、これを写真術の始まりと解釈する人もいる。その僅か半世紀余りの後、カーボンやゴム、オイル、ブロモイルなどの印画法が流行りだした。絵画における印象派の影響を受け、写真家たちは「芸術的」なタッチを付け加えるため、ソフトフォーカスの画像が一世風靡する。これは皮肉なことに、写真映像の際立った特徴、すなわち明解性を排除してしまったのである。その背景のひとつにディテールを嫌悪するまなざしがある。ヴォルフガング・ウルリヒ著『不鮮明の歴史』(ブリュッケ)によると、ディテール描写への嫌悪は、影響力を増した自然科学への嫌悪でもあったという。また芸術の価値は「自然の形態や働きを単に描写するのではなく、心に働きかける芸術家の想像力によってしか成し遂げられない」という考え方であった。ディテールの忠実な再現は、機械的で味気ない複写だと断じられてしまったのである。芸術はディテールを克服して初めて誕生するという、いわゆるピクトリアリズム(絵画主義)が19世紀後半から20世紀初頭にかけて謳歌した。これを『写真と社会』(お茶の水書房)の著者、ジゼル・フロイントは芸術的衰退と切り捨てている。つまり「写真が絵画に似て見えれば見えるほど、無教養な大衆はそれが<芸術的>だと思ったのである」と手厳しい。アルフレッド・スティーグリッツがストレート写真に回帰したように、ピクトリアリズムは急速に衰退した。その背景の一例としてパリのユジューヌ・アジェの作品が大きく評価されたことを挙げることができるだろう。しかしおよそ100年を経た21世紀の今日、オルタナティブ写真という新たな呼び方で、ピクトリアリズムの手法が再評価されている。さらにその逆とも言える、デジタル画像処理によってエンハンスされた「芸術っぽい」写真がネット上に溢れている。

2017年4月23日

タンポポの花が咲いて日差しは黄色

タンポポの綿毛(京都市左京区下鴨半木町)

1980年代後半、私は家族を京都に残し、東京で独り暮らしをしていた。雑誌『週刊朝日』のフォトエディターなどをしていたが、仕事上ではある意味で充実していたかもしれない。ただやはり独り暮らしには隙間があったように記憶している。そのころ発表するアテもなく作った歌のひとつが「タンポポ」だった。
タンポポが咲いて
日差しは黄色
あの娘はおかしく
やさしいね

バベルの塔は
目に虚ろ
線と点を
散歩する

花びらひとひら
酒に浮く
言葉の裏に
耳傾け

ランボーは不良かい
詩人は不良なのよ
墓場のダンス
月明り

白い帽子の
手鞠歌
風が吹いて
飛んでゆく

逃げる歌を
追い求め
絵の具がひび割れ
あせてゆく

(1987©Tsutomu Otsuka)
翌1988年、天皇の病状が悪化した。テレビは連日「本日のご容体は…」と報じ、日本中すべてが重い自粛ムードに包まれてしまった。年の瀬の12月末、私は皇居内の宮内庁に駐車していた報道用小型バスの中で、無線電話によって大阪への転勤を命ぜられた。私の東京生活が終り、そして昭和も終わったのだった。

2017年4月22日

ビッグ写真ブログ再構築を楽しむ

Blogger テーマデザイナー

完成したブログ(クリックで拡大)
ボストングローブ紙のブログ The Big Picture に触発されて、大きな写真を見せるブログを作っていたが、閉鎖して作り直した。横幅1024pxといった小さな画面のノートパソコンに配慮、ブログの横幅が1000px、掲載写真の長辺が900pxだった。今度は横幅を1030pxに拡大、1024pxの写真が納まるようにした。写真共有サイト Flickr に写真をポストすると、長辺が1024pxにリサイズされた画像をダウンロドできるからというのも理由のひとつである。閉鎖せずに継続しようと思ったが、グーグルの Blogger は The Big Picture のようにサイズ可変式ではないようなので、一からの再構築になってしまった。ただブログの新規開設は久しぶりなので、ちょっと戸惑った。まずテンプレート(雛型)を選びタイトルとURLを決める。次にカスタマイズするのだが、ダッシュボード、テーマ、カスタマイズと進め、テーマデザイナーを呼び出す。GUI 環境で操作する優れもののウィジェットである。これで横幅の調節、フォントや色の指定をするが、これだけだは細かいデザインができない。例えば Blogger に写真を投稿すると、デフォルトでは枠線が付くようになっている。私のデザインポリシーはとにかくシンプルということなので、余計な装飾は避けたいから消すことにした。それには CSS の変更が必要で、HTML の編集をした。テンプレートに手を加えなくてもブログ運営ができるが、世界でひとつのデザインのブログを作りたかったのである。お陰で楽しみながら再構築できた。

Blogger  ブログ Kyoto Photo Press by Tsutomu Otsuka(京都フォト通信)

2017年4月16日

片腕のフィドル奏者マーシャル・クレイボーン

One-armed fiddler Marshall Claiborne of Hartsville, Tennessee, ca.1926.

これは片腕のフィドル奏者マーシャル・クレイボーンの肖像写真で、ノースカロライナ大学チャペルヒル校が所蔵する「ガスリー・T・ミード・コレクション」(1817-1991)からの転載である。クレイボーンは弓を両膝で支え、左手でフィドルを動かして演奏した。生年月日などは不明だが、写真は1926年ごろ撮影とある。悪魔の箱と呼ばれたフィドルの音楽が好きだった自動車王ヘンリー・フォードが、1926年1月19日、デトロイトでフィドル弾きの大会を開催したが、その頃に撮影されたと思われる。この大会でクレイボーンが3位に入賞、それゆえに記録に残ったからである。ハンディを持ちながら健常者に負けない演奏をした、いわばその離れ技は障碍者に大いなる勇気を与えたと想像する。というのは、その後、片腕のフィドル奏者が続いたからである。そのひとりであるルーザー・コードウェルの演奏のビデオを下記リンク先の YouTube で視聴できる。1953年に収録されたテッド・マックのテレビ番組で、足踏み式の運弓マシンを使って演奏している。

YouTube
One-Armed Fiddler Luther Caldwell playing 12th Street Rag: June 13, 1953, in Kansas City, MO.

2017年4月13日

隠れた枝垂れ桜の名木

京都府立植物園(京都市左京区下鴨半木町)
SONY Xperia Z3

今年は湖北まで花見に出かけたので、例年より京都市内の桜見物はちょっと萎え気味である。それでも気になる枝垂れ桜が京都府立植物園にあるので出かけた。枝垂れ桜といえば、円山公園、平安神宮が有名だが、植物園のそれも隠れた名木だと思う。植物園というと一般には人工庭園を連想しがちだが、下鴨半木(なからぎ)町という地名が示すように、明治時代までは上賀茂神社の境外末社である半木神社とその鎮守の森を中心とした田園地帯だった。敷地内の半木の森は、古代の山城盆地の植生を残す貴重な自然林としてそのままの形で活用するよう設計されている。一本桜の大木だが、ちょうど満開を迎えていた。人々から「大枝垂れ」と呼ばれているだけあって、風格があり、圧倒的な存在感に満ち溢れている。日本で最初の公立植物園として知られているが「日本に京都があって良かった」そして「京都に植物園があって良かった」としみじみ思う。

2017年4月12日

花筏を撮る

京都御所(京都市上京区京都御苑)
Fujifilm Finepix X100

昨日、雨が降ったのでもしやと思い、京都御所に出かけた。3月が寒かったので、今年の桜の咲き具合はちょっと例年と違うのだが、花筏(はないかだ)を見ることができるかと思ったからだ。花筏とは水辺に散った桜が連なって流れるさまを表したもので、実に粋な言葉である。期待はしていなかったが、その光景をカメラに収めることができた。やや陳腐な方法だが、シャッター速度を遅くすると、花筏が流れた感じに写る。私が持ってるデジタルカメラは最低感度が200であるから、このままだとスローシャッターを切れない。光学フィルタ―を持っていないので、内蔵のNDフィルター機能を援用した。電子的に感度を落とす仕組みで、マイナス3EV、すなわち光量を1/8に減らすことできるので、感度25になる。この設定で撮ったら、ご覧のような写真が出来上がった。フレーミングが若干甘いと自分でも思うが、レンズが固定焦点23ミリ、ライカ判換算35ミリで、ズームレンズのような自由が利かない。これもまた一興かなと言い訳しておこう。

2017年4月10日

湖北花紀行

菜の花(長浜市余呉町の余呉川導水路)

海津大崎の夕景(クリックで拡大)
桜花繚乱の京都を離れて奥琵琶湖、余呉湖に出かけた。予報では雨だったが、時々晴れ間が見える、暖かい陽気になった。長浜市の豊公園の染井吉野は満開。花弁はひとつも落ちていなく、どんぴしゃりの満開だったと言える。桜の合間に見える長浜城の写真を撮ったが、天守閣に登って俯瞰写真を撮れば良かったと、ちょっぴり後悔している。何しろその眺めは、さながら桜の海の様で壮観だそうだから。豊公園を後にして、途中、岐阜県関ケ原町の「花伊吹」に寄り道して昼食。すぐ横にある宝蔵寺の彩色観音像が余りにも艶めかしく、思わずピンホールカメラを向けた。琵琶湖を後にして、今回の目的地である余呉湖に移動する。余呉川導水路沿いの堤は、桜を背景にした菜の花が撮れるので、写真愛好家の人気撮影スポットになっている。あいにく桜はまだ蕾状態だったが、咲き乱れる菜の花に北国の春の息吹を感ずる。再び琵琶湖に戻り、高島市マキノ町の海津大崎に寄ることにした。例年より一週間遅く、昨日やっと染井吉野が開花したそうだが、場所によって二分から五分咲とマチマチだった。ずいぶん昔、ここで満開の桜に遭遇したことが懐かしく思い出される。湖西道路から湖岸を眺めながら帰路についた。

2017年4月9日

スコットランドとアルスターとアメリカを結ぶ音楽の架け橋


Wayfaring Stranger: Rhiannon Giddens & Phil Cunningham

Rhiannon Giddens & Phil Cunningham
このビデオは北アイルランドのテレビ局 BBC Two が制作したもので、Wayfaring Stranger をバンジョーで弾き語りしているのは、キャロライナ・チョコレート・ドロップスの紅一点リアノン・ギデンズである。アメリカンルーツ音楽を追及する話題のシンガーで、ソロデビューアルバム "Tomorrow Is My Turn" が第58回グラミー賞でベスト・フォーク・アルバムを受賞している。ビデオは教会で収録されたため、リバーブが心地よく、素晴らしい音質になっている、ただロングショットでもマイクが写っていなく、音声と映像は別テイクかもしれない。ところで隣のアコーデオン奏者はスコットランドの名手フィル・カニンガムで、テレビ番組のコーディネータを担当した。ご存知、アパラチアに伝わった古謡、あるいは現代のブルーグラス音楽など、アメリカンルーツ音楽の源泉はスコットランドやアイルランドにある。私も訪ねたことがあるが、英国北アイルランドのアルスター地方は、日本では知られてないようだが、民謡の宝庫である。スコットランドとアルスターとアメリカを結ぶ音楽の架け橋をテーマにした番組 "Wayfaring Stranger with Phil Cunningham" シリーズ1が、4月6日午後7時(現地時間)放送された。この後はロザンヌ・キャッシュ、リッキー・スキャッグスやティム・オブライエンなどが登場予定だそうである。ビデオがアーカイブされているが、英国以外からアクセスできないのが残念である。

2017年4月8日

DAYS JAPAN フォトジャーナリズム写真展

画像をクリックすると拡大表示されます

日 時:2017年4月15日(土)~7月9日(日)9:30~16:30(入館は16:00まで)
休 館:月曜日・4月30日(日)・5月6日(土)
会 場:立命館大学国際平和ミュージアム中野記念ホール
料 金:大人400円(350円)中・高生300円(250円)小学生200円(150円)()内は20名以上の団体
主 催:立命館大学国際平和ミュージアム(京都市北区等持院北町)075-465-8151
詳 細:http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/event/

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2017年4月7日

世界ピンホール写真デー

©Ximena Astudillo Delgado

世界ピンホール写真デーは2017年4月30日(日)です
The Worldwide Pinhole Photography Dayp is April 30 [Sun] 2017
http://pinholeday.org/

2017年4月6日

桜の樹の下には屍体が埋まっている

近衛邸跡(京都市上京区京都御苑)

京都御所近衛邸跡の枝垂れ桜を見に出かけた。京都の枝垂れ桜は円山公園や平安神宮などが有名だが、近衛邸跡の桜を京都人は異名の「糸桜」と呼ぶ。桜情報は京都新聞が随時写真を掲載しているので、それを頼りにしている。わずか数日前までは蕾だったが、満開をやや過ぎた状態だった。美しい。美しい故に、ある種の不気味がある。パッと咲き、パッと散る、その潔さが日本人の心を惹きつけるのだろう。しかし私は満開の桜に、その先の桜吹雪を連想、儚さを感じてしまう。死のイメージである。桜の樹の下には屍体が埋まっている、という書き出しで有名な梶井基次郎の『桜の樹の下には』の一節を引用してみよう。
いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。それは、よく廻った独楽が完全な静止に澄むように、また、音楽の上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、灼熱した生殖の幻覚させる後光のようなものだ。それは人の心を撲うたずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。
蓋(けだ)し名文、流石である。帰路、自宅近くの平野神社に寄ってみたら、数日前にはこれまた蕾だった染井吉野が満開状態になっている。驚いたことに何と神門前の「魁(さきがけ)桜」の花びらが残っているではないか。京都の春を告げる早咲きの枝垂れ桜だが、三月中は気温が上がらず、開花が例年より10日以上も遅れたせいかもしれない。まさか両方の桜の繚乱を目の当たりにするとは思ってもいなかった。そういえばは今年は東京の桜の満開が全国で一番早かったそうである。これは異常気象のなせる業なのだろうか。

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