2012年12月28日

石原慎太郎に庇を貸して母屋を取られた橋下徹

ある光景  京都市北区衣笠大祓町 (2012年12月15日)  Fujifilm Finepix X100

先の衆院総選挙で自民党が大量の議席を獲るだろうということは予想していたが、日本維新の会の得票率には驚いた。比例得票率は上位から順に自民27.66%、維新20.37%、民主16.3%、公明11.84%だった。何と民主党を上回り、自民党と拮抗する勢いだったのである。54議席も新党としては立派な数字である。いや立派と表現してはまずい、脅威的な数字である。今月25日に遡るが同党は両院議員総会を開き、国会議員団政調会長に片山虎之助元総務相、同総務会長に藤井孝男元運輸相を充てる党役員人事を決定した。そして平沼赳夫国会議員団代表と、松野頼久同幹事長は続投とした。これはまさに旧太陽の党の関係者が中心の布陣で、彼らが国会運営などの主導権を握ってしまったと言える。旧維新、つまり大阪維新の会の人気が頂点にあったころ、合流を目指してすり寄る他党や、落選しそうだから鞍替えしようとする議員に対し橋下徹は「政策の一致が最優先」と強気の主張をしていた。

ところが「官僚支配を打破するためには、小異を捨てて大同につくべき」という石原慎太郎の主張に飲み込まれ、みんなの党との連携を反故にし、旧太陽の党、遡れば立ち上がれ日本と合流したのである。党名に「維新の会」という文字が継承されたので、旧太陽の党を吸収したかのように見えなくもなかったが、私は乗っ取られたと思ったものである。早晩「石原慎太郎+平沼赳夫」対「橋下徹+松井一郎」の主導権争いが起こると想像していたが、案の定表面化した格好になったわけである。前者は国会議員である、後者は地方の首長に過ぎない。前者が国会で主導権を握るのは自明の理だが、披露された維新国会議員団幹部の古色蒼然たる顔ぶれに呆れる。橋下徹は石原慎太郎に庇を貸して母屋を取られた。第1ランドを失ったが、第2ラウンドで奪回を狙い、次なる狡猾な手を暗策しているに違いない。ところで写真は選挙中に近所で撮ったものだが、掲載に関しちょっと躊躇った。顔を見たくない実に鬱陶しい連中だからだが、現代史を記録するという内なる使命で載せることにした。そういう意味では自民党の選挙ポスターも撮っておけばよかったと反省している。

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