2013年3月26日

真っ赤な大判8x10針孔暗箱の存在感

Red Box 810 Large Format 8x10 Pinhole Camera

佐藤時啓:複眼針孔暗箱ユニット
真っ赤に塗ったピンホールカメラといえば、東京藝術大学の佐藤時啓教授が考案した、複眼針孔暗箱ユニットとも言える装置を思い出す。右の写真のように複数の4x5カメラを備えたもので、それぞれの写真をマルチスクリーのように展示するとひとつの画像になるというものである。2007年、ピンホール写真芸術学会発足式に併せ、京都造形芸術大学のギャラリー「RAKU」で開催された個展で拝見したが、ギャラリートークで「赤くしたのはわざと目立つため」といった意味の解説をされていたように記憶している。こそこそ隠れるようにして撮るより、堂々と周囲の人に「撮ってます」と誇示する。その理由をなんとなく納得した私は、ピンホールカメラを作る機会があれば派手な色にしようと思ったものである。黄色や橙色でも良いのだが、赤い露出計を持っているし、同じ赤にした次第である。ただ全面を黒、側面を赤というように、ツートーンカラ―にしたほうがデザインとして良かったかなとも思っている。取り敢えず「Red Box 810」と名付けてみたが、日本語では「針孔赤箱810」といったところだろうか。カメラの技術仕様は次の通りである。
Format:  8x10 inch
Diameter:  400microns
F-number:  f300
Focal Lengh:  120mm
Angle:  104.95°
ピンホールプレートは米国のエドモンズ光学機器の製品で、本来レーザー光線機器に使われるものである。針孔径400ミクロンは0.400ミリで、小数点以下3桁が有効数字と精密に作られている。ピンホールカメラには焦点という概念はないが、露出を決めるときにf値が必要になる。従ってフランジバック、つまりピンホールと感光材料面の距離を便宜的に焦点距離と呼ぶが、120ミリである。レンズなら超広角と言えるが、ピンホールでは珍しくなく、4x5のカメラに換算すると60ミリとなる。赤い露出計はセコニックのL-308Sで、同社創業60周年記念モデルである。赤、青、緑、それぞれ60台ずつ国内出荷したものだが、入手困難だった。幸い米国の通販サイトB&Hに在庫があったので逆輸入したものである。単三電池が使えるのが有難いが、頭部が回転しないのが残念である。反射光式で測るときに計測値を見ながらできないからだ。さて、出来上がってみるとなかなかの存在感だと自画自賛、早くフィールドに出したいが、個展終了後にしよう。赤が揃ったので、いっそのこと赤いフィルターをつけて撮ってみようかと思っている。

2013年3月23日

枝垂桜の老木が撮影そのものを窘めている

枝垂桜 専稱寺(奈良県香芝市畑) Fujifilm Finepix X100

写真家の徳永隆之さんが個展を開催中の奈良県葛城市當麻の古民家ギャラリー「ら・しい」に出かけた。大阪からだと比較的近いのだが、京都からはちょっとした「遠征」になる。近鉄京都駅から橿原神宮前経由当麻寺駅まで、特急を利用しても1時間半もかかるからだ。作品鑑賞後、隣の當麻寺を参詣した。東塔下の塔頭の枝垂桜が見事だったが、あいにく工事中で入れなかったので、写真を撮らずに遠くから眺めるだけだった。仁王門を出て立ち寄った茶店の女将が「専稱寺の枝垂れも見事ですよ」と教えてくれた。奈良の枝垂桜といえば大宇陀の「又兵衛桜」を思い出すが、専稱寺の桜も名木だという。再び近鉄に乗り二上山駅で降り、狭い道を通り抜けると、大きな桜の木が視界に飛び込んできた。境内は狭く、本堂がたった一本の木の付属物の感じがする。それほど存在感がある大木である。「参詣者の皆様へ」という注意書きがあり「近年はマナーの悪い方が多く見受けられます」とある。具体的には「通路に三脚を立てての写真撮影」という指摘である。さらに「本堂前にて本尊阿弥陀如来様に合掌十念の後、足元に注意して桜をお楽しみ下さい」と追いうち。老木が撮影そのものを窘めている。三脚は無論持っていなかったが、数カット撮って、後は目で愛でるだけに切り替えた。

2013年3月18日

季節感を演出する阪急百貨店の大型飾り窓

ショーウィンドウ 阪急うめだ本店(大阪市北区角田町)Fujifilm Finepix X100

個展が迫ってきたが、一部作品を差し替えるため、再び大阪のラボ「写真工房<匠>」に出かけた。京都ではなく大阪にした理由は「アナログ銀塩カラ―写真の駆け込みプリント」と題して当ブログに書いた。その際、阪急うめだ本店のショーウィンドウの写真を掲載したが、今回も帰り道に撮影したので紹介したい。ショーウインドウというのはいわば和製英語に近く、展示窓という意味合いを持っているが、米語ではディスプレーウィンドウと呼ぶそうだ。英国人がショップウィンドウと言うのは前から知っていたが、直截的で、目的をよく表していると思う。ついでにフランス語を調べてみたらvitrine、つまりガラス張りの陳列戸棚のことで、窓を意味しないが、商店などのウィンドウもこのように呼ぶようだ。京都の古い商家も軒先に飾り窓がある。商品を展示しているが、中には商売に関係なく、生け花や掛け軸など季節の飾りをしている店も多い。私が阪急うめだ本店のショーウィンドーに惹かれるのは、京都に似て直接商品を宣伝するというより、季節感を演出するディスプレーをしていることが多いからである。展示中のテーマは春の草花だが、近づいて見たら、細部はご覧のようにジオラマ仕立てになっていた。いささか少女趣味のきらいがあったので、微かな羞恥を覚えつつシャッターを押した。

2013年3月17日

京都駅前の街路を彩る三色菫

サンシキスミレ 京都市下京区塩小路通烏丸西入る Nikon D80 + Zoneplate

2013年3月13日

英国イルフォード社の新型ピンホールカメラ


英国ハーマンテクノロジー社の4x5ピンホールカメラをベースにしフィルムと印画紙を組み合わせたキットに続き、昨年暮れに8x10のキットもリリースしたイルフォード社だが、今度はオブスクラの名を冠したピンホールカメラを発売する。仕様は上掲画像にある通り、焦点距離が87ミリの4x5カメラである。発売はイースターとあるから、4月下旬のようだ。名称のオブスクラはカメラオブスクラすなわちラテン語の暗い部屋、つまり暗箱のことである。私はハーマンテクノロジー社の4x5ピンホールカメラを持っているが、蛇腹を連想させるピラミッド型、つまり四角錐のデザインが特徴である。これに対し、今度の製品はあくまで四角い箱で、まさに古典的なカメラオブスクラを連想させるデザインになっている。発売が楽しみだ。

2013年3月11日

賞味期限: 2011年3月11日


Does a nuclear scientist eats? The so called exceptional facts will easily sneaks-in and poison our daily life. The arbitrary decisions and profits of fews can destroy countless innocents' lives.

脱原発ポスター展: http://nonukeart.org/

2013年3月10日

エプソンのスキャナ GT-X970 を導入したけど


遊覧船ミシガン 大津港(大津市浜大津) Deardorff 8x10 Nikkor 240mm F5.6 Neopan100 Acros

Epson Scanner GT-X970
スキャナが古くなったので新しいのを購入した。現在、フィルムスキャンはエプソンのF-3200を使っているが、このジャンル、余りにも選択肢が少ない。現在のメインは4x5だが、たまに8x10も撮るのでGT-X970を購入した次第である。これは8x10のフィルムのスキャンを、非推奨ながらできることになっている。8x10の場合はガラスにフィルムを直に置くので、ピントの面で問題があるようだ。上掲の写真はテストで8x10フィルムを取り込んだ画像である。間に光学ガラスを挟んで浮かすといったことをやってみようなかなと考えているが、個展の準備が終わったらいろいろいじってみようと思う。それにしても実勢価格5万円弱にはちょっと考えてしまう。カメラの値段と比較すると安過ぎるし、私としてはこの5~10倍くらいのお金を払っていいから、もう少し高性能のフィルムスキャナの民生機を出して欲しいというのが本音だ。しかし時節柄無理という気もする。瀕死状態のフィルムカメラ、逆の見方をすれば、このような製品が市場にあるだけマシという考え方も成り立ちそうだ。

2013年3月8日

バカでかくなった Google+ のカバー写真


ソーシャルメディアGoogle+のカバー写真のサイズが、最大で横が2,120ピクセル、縦が1,192ピクセルと大きくなったので、早速写真を変更してみた。Facebookのカバー写真のサイズが横851ピクセル、縦315ピクセルだから、バカでかいと言ってよいだろう。大きくした理由は、より多くの写真をカバーに掲載できるようにするためだという。また「基本情報」のデザインも新しくなり、ユーザーの情報がカード状に整理された形で表示される。その他もろもろ細かい設定ができるようになったが、これらはGoogle+が新たな展開をしようとする意思表示なのだろう。蛇足ながらカバー写真の表示サイズは固定サイズではなく伸縮式なので、横幅が例えば1,024ピクセルといった小さな画面でもはみ出すことはない。上掲画像に私のプロフィールである「基本情報」ページがリンクしているので、興味ある方はクリックしてみてください。

2013年3月7日

藤村直樹記念「君こそは友」コンサート


画像をクリックすると拡大表示されます

拾得  京都市上京区大宮通丸太町上る  Phone: 075-841-1691  http://www2.odn.ne.jp/jittoku/

2013年3月6日

フェイスブックの安易な写真シェアの問題点

Bouquet

写真のストレージに使っているFlickrは写真共有サイトでもある。登録されてる写真は、作者が指定した「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」に従えば自分のブログなどで共有できる。その場合「作品のクレジットを表示すること」「営利目的での利用をしないこと」「改変を禁止すること」という条件を付けるのが一般的だと思われる。上掲写真はこのようなブログに写真を共有した例で、サンプルとして自分自身の作品を流用してみた。Flickr上の写真の横にShareボタンがあるので、クリックすると転載先での表示サイズを訊いてくる。指定すると次のようなHTMLコードが自動生成されるので、これをコピー&ペーストすれば良い。画像をクリックとFlickrのページにリンクバックするので試してみて欲しい。
<a href="http://www.flickr.com/photos/twin_lens/8529775757/" title="Bouquet by twin_lens, on Flickr"><img src="http://farm9.staticflickr.com/8086/8529775757_0e45b2381c_z.jpg" width="640" height="428" alt="Bouquet"></a>
ところがこの方法はFacebookには対応していない。HTMLコードが使えないからだ。シェアしたい場合は単純に画像ページのURLを記述するしか方法がない。ところがFacebook上では写真が大きく表示されず、ややインパクトに欠けることになる。そこで写真をダウンロードしてポストするという人がかなり多いようだ。ここで問題になるは、そうした場合は、Facebook上では転載者の写真になってしまうことだ。次善の策としてソースを明示することは言うまでもない。以上はFlickrの写真がソースの場合だが、ご存知の通りFacebookには様々なサイトからの転載が多数投稿されている。そして残念なことにソースが明示されていないケースが多すぎる。そして人々は「いいね!」ボタンを押し、作者不詳の作品が拡散して行くのである。面白い写真がニュースフィードに流れると、つい私も「いいね!」ボタンを押し、さらにシェアボタンを押してしまうことがしばしばだ。しかしそうすることによって、知らぬうちに著作権を侵害している可能性があるので気をつけようと思う。自戒を込めて。

2013年3月5日

アメリカの南北戦争時代の歌に聴き入る

南北戦争(1861-1865)時代の歌をまとめて聴きたくなった。アマゾンで「Civil War」をキーワードにして検索したところ、山ほどCDがある。アメリカのサイトに飛んで、カスタマーレビューを参考に取り敢えず2枚取り寄せてみた。ある時代の歌を集めるといえば、私はまずニュー・ロスト・シティ・ランブラーズが1959年にリリースした「Songs from the Depression」(大恐慌時代の歌)を思い出す。1929年から発生した大恐慌が生んだ歌を集めたものだが、同時代に録音された商業レコードの曲をカバーしたものだった。つまり黎明期のレコードの復元だったのだが、南北戦争の時代にはまだこの記録装置は発明されていなかった。エジソンが「フォノグラフ」を発明したのは、終戦後10年余を過ぎた1877年だった。前置きが長くなってしまった。要するに現在聴くことができる南北戦争時代の歌の旋律は、伝承曲であったり、あるいは作曲者わかってる曲であったりする。例えば「When Johnny Comes Marching Home」(ジョニーが凱旋する時)はアイルランド出身の音楽家パトリック・ギルモア(1829–1892)が故国の民謡に新しい歌詞を付けたものだという。


ヨーヨ・マのクラシックフュージョン『アパラチア・ワルツ』でジェームス・テイラーが歌っていた「Hard Times Come Again No More」(つらい時はもうごめんだ)は、かのスティーブン・フォスター(1826-1864)のヒット曲で、1855年に作曲されたものである。「Aura Lee」(オーラ・リー)の作詞はウィリアム・ホワイトマン・フォスディック、作曲はジョージ・R・プルートンである。作者が分かっている曲だが、日本では余り知られていないかもしれない。しかしメロディに触れればピンと来るだろう、エルヴィス・プレスリーの「Love Me Tender」(ケン・ダービー作詞)の原曲なのだから。といったわけで、ブルーグラスやカントリー音楽に慣れ親しんできた私にとっては、思わぬ発見と愉しみを味わっている次第である。特にブルーグラス音楽のスタンダードになっている、あの美しいメロディの「Life is like a Mountain Railroad」(人生は山の鉄道のようだ)の原曲がジョージ・フレデリック・ルート (1820-1895)作曲の「Vacant Chair」(無人の椅子)であることが分かったのは大いなる収穫であった。CDに収録されているキャシー・マテアの歌唱(下記YouTube参照)が素晴らしい。

YouTube  Kathy Mattea - The Vacant Chair: CD "Songs of the Civil War" (Columbia CK-48607) 1991

2013年3月4日

0310原発ゼロ☆大行動


2013年3月10日(日)日比谷公園野外音楽堂 永田町霞が関一帯
13:00〜 集会 〈場所:日比谷公園野外音楽堂〉
14:00〜 デモ出発 〈場所:日比谷公園 集合・出発(予定)〉
17:00〜19:00 国会前集会 〈場所:国会議事堂正門前〉

主催:首都圏反原発連合 http://coalitionagainstnukes.jp/

2013年3月3日

超党派による東日本大震災三回忌法要


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日時: 3月10日(日) 13時半開式~15時
会場: 曹洞宗 金剛院本堂 福井県越前市深草2-2-37  TEL 0778-22-7188
主催: TERRAねっと福井  (http://www8.plala.or.jp/yuishiki/terra_net_fukui/

東日本大震災から早くも2年が経とうとしています。東北各地では復興に向けた様々な取り組みがষわれていますが、遠い福井の地では話題に上がることも少なくなり、忘れられつつあることを感じています。福島ではこどもの甲状腺検査の結果が知らされる中、両親はঽらを責めこどもの将来に関する不安に苛まれています。追悼会では東日本大震災によって失われたいのち、大切な人を失った悲しみや残された人々の苦悩に改めて思いを馳せ、心に刻む時間を共有したいと願っております。どうぞ一人でも多くの皆様にお集りをいただきたく、ご案内申し上げます。(TERRAねっと福井一同)

2013年3月1日

第61回「北野をどり」(上七軒)のご案内


日程: 2013年3月25日(月)~4月7日(日)
時間: 13:30~ および 16:00~
料金: お茶券付4,500円 入場料4,000円
会場: 上七軒歌舞練場(京都市上京区今出川通七本松西入真盛町742)
電話: 075-461-0148
主催: 上七軒歌舞会 http://www.maiko3.com