Mohammed bin Salman |
英国 BBC ニュース電子版によるとサウジアラビア人ジャーナリストジャマル・カショギ記者が2018年に殺害された事件に関し、調査報告書をバイデン政権が26日に発表した。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が「捕まえるか殺すか」の計画を承認したという。大統領は「人権侵害について責任を問う」と発言し、米政府も事件に関与したサウジの元高官らを制裁対象に指定した。サウジアラビアはこの報道を「否定的で虚偽であり、受け入れられない」と否定、王国の支配者であるモハメド皇太子は、殺人事件への関与を否定している。59歳のジャーナリストは、かつてサウジアラビア政府の顧問を務め、王室に近い立場にあったが、失脚、2017年に米国に亡命した。そこからワシントン・ポスト紙に毎月コラムを書き、ムハンマド皇太子の政策を批判していた。そしてカショギ記者はトルコのイスタンブルにあるサウジアラビア領事館を訪問中に殺害された。検察によると彼の遺体はその後、切り刻まれ、領事館の外にある地元の「協力者」に引き渡されたという。遺体は発見されなかった。米国家情報長官室の報告書は「サウジアラビアのムハンマド皇太子が、ジャマル・カショギ氏を逮捕、または殺害するための作戦を承認した」と述べている。皇太子はサウジアラビア国王サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アル・サウードの息子で、同王国の実効支配者とされている。サウジアラビア当局はこの殺害を、ジャマル・カショギ記者を王国に戻すために派遣された捜査官チームによる「不正な作戦」のせいにしている。
Joe Biden and Salman bin Abdulaziz Al Saud |
裁判所は昨年9月に5人を裁判にかけ、当初は死刑判決を下していたが、懲役20年の判決を下した。2018年の時点では CIA は皇太子が殺害を命じたと考えていたと報じられていたが、皇太子が関与していたという疑惑はこれまで米当局者によって公にされたことはなかったのである。世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは、中東における米国の重要な同盟国という背景がある。ジョー・バイデン米大統領は、サウジアラビアの人権と法の支配について、前任のドナルド・トランプよりも毅然とした路線を取ると予想されている。ロイター通信が引用した情報筋によると、バイデン政権は人権問題を引き起こすサウジアラビアとの武器取引の中止や、今後の軍事販売を「防衛用」の武器に限定することも検討しているという。しかし大統領は前任者のドナルド・トランプとは異なり、ムハンマド皇太子と直接接触することはないと明言しているという。
Jamal Khashoggi: All you need to know about Saudi journalist's death | BBC News