2020年8月5日

廉価ターンテーブル DP-300F で愉しむアナログレコード

0ENON DP-300F + SHURE M44G

SHURE N44G
若い世代を中心に LP や EP など、アナログレコードならではの、温かく柔らかな質感の音源を愉しむ人が増えている。アナログレコードを英語圏では Vinyl(ビニール)盤と呼び、それ以前の SP 盤や、基盤がポリカーボネートの CD と区別している。ビニール盤を乗せる回転板をターンテーブルと言うが、転じてレコードプレーヤー自体もターンテーブルと呼ぶ人が多い。200時間以上使用したと思われる SHURE のレコード針 N44G を交換した。2018年夏に SHURE はフォノ製品の生産を終了したので、巷では交換針の在庫が僅少である。オーディオマニアではないので、再生装置にお金をつぎ込む気持ちはなく、いや、つぎ込む資金がなく、実勢価格3万円弱と廉価なターンテーブル DENON DP-300F を使用している。交換針は通販サイト Amazon に1個だけ残っていたが、なんと14,000円、ターンテーブルの半分近い高騰ぶりである。交換した針の耐用年数が過ぎたら、次はフォノグラフカートリッジごと別の製品に切り替えることになるだろう。安価な普及機とはいえ、フォノグラフカートリッジの交換ができるからだ。

DENON PMA-50
フォノイコライザーを内蔵しているので、フォノ入力端子がないパワーアンプやミニコンポに直接繋げるのも嬉しい。パワーアンプといえばこれまた DENON の PMA-50 を使用しているが、50W + 50W(4Ω)と筐体サイズを超える高出力を備えている。アナログ音声入力端子があるので、ビニール盤用のターンテーブルを使えるのは無論だが、USB、光デジタル、同軸デジタル入力端子を備えている。USB-DAC(デジタル/アナログ信号変換)機能を搭載しているので、パソコンと USB ケーブルでつなぐだけで、ストリーミングや動画サイトなどのインターネット音源を楽しむことができる。さらにハイレゾ音源の再生も可能で、スピーカー出力用パワーアンプとは別に、高音質ヘッドフォンアンプも搭載されている。デジタルソースについては、入力から最終段の PWM 変調まで一貫してデジタルでの処理が可能であるため、変換による音質劣化が生じない。DALI の小型スピーカー ZENSOR PICO を愛用しているが、プリアウト端子があるので、YAMHA のサブウーファー NS-SW210 を接続してで重低音を補強している。ターンテーブルの話に戻そう。モータ軸がターンテーブルの軸に直接つながっているダイレクトドライブは、モーターを低速で回す必要があるので、回転がカクカクしてしまう。速度や音程を自由に変えられるので DJ プレイ向きである。

ストロボスコープ
また DP-300F はレコードの再生が終了した際に自動的にトーンアームをリフトアップし、ターンテーブルの回転を停止する。聴きながらうたた寝をしてしまっても、大切なレコードやフォノグラフカートリッジを痛めることがない。ところで通販サイトのレビューを読むと「回転数が早いんじゃないの?」という疑問が結構多い。ターンテーブルの回転数は、商用電源の周波数毎に明滅する蛍光灯を利用して、ストロボスコープの縞が静止する様に見えるか否かでチェックする方法が一般的だ。市販されてるストロボスコープは2,000円ほどするが、下記「回転数表記が正確なストロボスコープ」と題した PDF ファイルをダウンロードすれば自作できる。蛍光灯がない場合は、足元灯などに使われる小型 LED 電球で代用できる。回転数に狂いがある場合だが、ターンテーブルの底板に 33 及び 45 と刻印した横に穴があり、ドライバーで調節できる。しかしこれは技術者用だから、マニュアルには書いていないので要注意。この点が気になるようだったら、やはりメーカーに修理を依頼することをお勧めしたい。調節機能を備えた、上位機種導入を視野に入れるのも、選択肢のひとつだ。

PDF  回転数表記が正確なストロボスコープの表示とダウンロード(PDFファイル 280KB)

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