2020年8月1日

ストリーミング主流でも CD を購入する理由


Western Jubilee founder Scott O'Malley
米国のレコードレーベル Western Jubilee(ウエスタン・ジュビリー)が今年3月 Smithsonian Folkways Recordings に買収された。日本では馴染みがないと思われるが、1996年にウェスタン&カウボーイ音楽の蒐集家、スコット・オマリーがコロラドスプリングスに創設したレコード会社だ。ノーマン・ブレイク、ワディ・ミッチェル、ドン・エドワーズ、ケイティ・モファットなどのアルバムをリリースしてきたが、これらは Folkways から発売されることになった。Western Jubilee の社屋は、サンタフェ鉄道のかつての倉庫で、コンサートスペースとレコーディングスタジオを兼ねている。ジャケット写真は4月30日に Folkways からリリースされた Western Jubilee のセレクションアルバムだが、通販サイト Amazon を覗いてみたところ、MP3 ファイルのダウンロードのみの販売となっている。念のため米国サイトも調べたところ、同じだった。Folkways のウェブサイトにライナーノーツが掲載されているのでオカシイなと思ったが、どうやら Amazon の珍しいミスらしい。そこで再びネット検索したところ、タワーレコードのオンラインショップがヒットした。

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というわけで無事 CD を入手することができた。米国では売上のほとんどがストリーミングやダウンロードとなっているが、何となくその理由が分かる。CD は保管場所が必要だし、再生オーディオ機器が別に必要である。スマートフォンと携帯型デジタル音楽プレイヤーの普及が、音楽の聴き方に変化をもたらしたようだ。私も気に入った CD をリッピングし、MP3 ファイルをタブレットに入れて外出時に持ち歩いている。しかし自室では基本的にはオーディオ装置を介して聴いている。ディスクに拘るのは、音楽配信サービスの音源は、データ通信量を削減するため、圧縮処理がされているので、CD に慣れていると物足りないからだ。蛇足ながらビニール盤(アナログレコード)も私は愛好している。上掲の棒グラフは米国レコード協会の統計データによる、フォーマット別売上の推移だ。売上全体のピークは1999年で、主役は CD だった。その後 CD の激減によって売り上げが下落したが、2015年ごろからストリーミングの需要が増えて持ち直しつつある。音楽テープが再生装置と共に市場から消えが、昨今の音楽再生モバイルデバイスは、かつてのラジカセに通ずるものがあると思う。その代わりに操作に手間がかかるビニール盤が、わずかながら蘇っているのが興味深い。日本でも CD の売上が次第に減少しているのに対し、ビニール盤が年々連続で増加しているという。レコードジャケットは目で見て楽しい。曲の解説や歌詞、アーティストの写真などが掲載されているライナーノーツが魅力を倍加し、その購入意欲をそそると思う。いささか時代に取り残されてるようだが、自分ではその自覚はない。

PDF  アルバム "Take Me Back to the Range" ライナーノーツの表示とダウンロード(PDF 1.13MB)

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