大発見と騒がれた写真だけど
これは当ブログの「ロバート・ジョンソンの修復写真に思うオリジナル写真とは?」と題した記事に添付した写真である。伝説のミシシッピ・デルタ・ブルーズシンガー、ロバート・ジョンソン(1911-1938)の写真は2枚しかないと信じられていたが、3番目の写真が発見され、傷んでいたので修復されたという内容だった。ソースが米国の "Popular Photography" 誌だったので躊躇せず掲載した。しかし今から7年前の2012年夏だったので、すっかり忘れていた。ところが最近、ネットを徘徊していたら、ガーディアン紙の「ロバート・ジョンソンの写真は、かのブルース・レジェンドのではないと音楽専門家が指摘」という記事が目に止まった。実は怪しい写真という噂を私は読んだことがあるが、追及せずに放置してきた。2015年の記事だから、決して新しいものではないが読んでみた。それによると隣に写っている、音楽仲間のジョニー・シャインズ(1915-1992)の上着のボタンが、向かって右側にあるのは逆じゃないか。それに腕時計が左腕というのも、何となくおかしいという指摘である。なるほど、腕時計はともかく、女性用のジャケットを着ていたというのは不自然ではある。第一このダブダブの上下揃いの服、どう見ても男物である。
それではというわけで、画像を左右反転してみた。これを見ると、確かにシャインズの服装は自然である。ところが今度はジョンソンが、右指でギターの絃を押さえていることになる。つまり左利きということなのだが、いずれの史料でも彼は右利きであり、極めて不自然である。ガーディアン紙は指摘していないが、ギターのネックが大きく反っているのも気になる。シャインズの反転写真と、ジョンソンらしき人物の写真を合成したと断定しても構わないのではないだろうか。それでは何故このような手の込んだことをしたのだろうか。おそらくふたりが半ば向かい合った構図のほうが、デザイン上しっくりすると考えたのだろう。いずれにせよ、合成写真であることには間違いなく「3番目の写真」というのは怪しい。クレジットが "Robert Johnson Estate/Hulton Archive" となっていたが、肝心のウェブサイトを見つけることができなかった。フェイクであると結論できそうなので、前エントリーにその旨を追記しなければと思っている。
写真を左右反転してみたら
それではというわけで、画像を左右反転してみた。これを見ると、確かにシャインズの服装は自然である。ところが今度はジョンソンが、右指でギターの絃を押さえていることになる。つまり左利きということなのだが、いずれの史料でも彼は右利きであり、極めて不自然である。ガーディアン紙は指摘していないが、ギターのネックが大きく反っているのも気になる。シャインズの反転写真と、ジョンソンらしき人物の写真を合成したと断定しても構わないのではないだろうか。それでは何故このような手の込んだことをしたのだろうか。おそらくふたりが半ば向かい合った構図のほうが、デザイン上しっくりすると考えたのだろう。いずれにせよ、合成写真であることには間違いなく「3番目の写真」というのは怪しい。クレジットが "Robert Johnson Estate/Hulton Archive" となっていたが、肝心のウェブサイトを見つけることができなかった。フェイクであると結論できそうなので、前エントリーにその旨を追記しなければと思っている。
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