2019年2月20日

梅の花今盛りなり思ふどちかざしにしてな今盛りなり

梅宮大社(京都市右京区梅津フケノ川町)

今日2月25日に上七軒の舞妓芸妓が野点をする「梅花祭」が北野天満宮で開催される。しかし何事もイベント待ちの今日このごろ、人ゴミを想像するとうんざりなので、どうしようか迷っている。市バスを乗り継いで梅宮大社に出かけた。社名が示すように、ここも梅の名所である。寒空の下、早咲きの品種が紅白に色づき、春めいた香りを漂わせていた。今年は例年よりも開花が早く、白梅の「香篆(こうてん)」や「寒紅梅(かんこうばい)」が満開である。さて標題だが万葉集(巻5-0820雑歌)から筑後葛井大夫の歌を引用した。
烏梅能波奈 伊麻佐可利奈理 意母布度知 加射之尓斯弖奈 伊麻佐可利奈理
万葉仮名ではこのように書くが、漢字を表音文字として使っているのが新鮮だ。梅の花が今が盛りですよ、親しき人々よ、梅の枝を髪かざりにしよう、今が盛りですよ、という意味である。和歌の作法は不案内だが「今盛りなり」をダブらせて強調しているのが興味深い。駆け足でやって来た、春の足音が聴こえてくる。

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