米国の情報調査シンクタンク
ピュー研究センターが昨年末に公表した
調査結果によると、電子書籍読者の人口は増え続け、16歳以上のアメリカ人の電子書籍を読んでいる人の数は、16%から23%に増加したという。逆に過去12ヶ月間に印刷された本を読んでいる人の数は、72%から67%に低下したという。上の表は電子書籍を読むため所有しているデバイスの推移である。2010年5月の時点では電子書籍リーダーとタブレットのどちらかを持ってる人は6%であった。持ってる比率はタブレットより電子書籍専門リーダーのほうが多かったのだが、昨年、それが逆転したことが分かる。電子書籍読者増加はタブレットの普及が押し上げていると同研究センターは分析している。タブレットのみの人は4人にひとり、いずれかを持っている人は3人にひとりに達している。日本の状況はどうだろうか。公的調査機関による調査結果を見つけることができなかったが、昨年9月「価格.com」ユーザーへ実施した
意識調査によると、現在電子書籍を利用しているユーザーの割合は全体の2割弱だったことがわかったという。
|
電子書籍の年代別利用率(価格.com) |
|
角川事務所280円文庫 |
年代別では、20代の利用率が31.7%ともっとも高く、年代が上がるにつれて利用率は下がっている。電子書籍を利用していない人でも 52.8%は、今後電子書籍を「読んでみたい」と答えたそうだ。ところで今年の夏に公開される、宮崎駿監督の長編アニメ映画『風立ちぬ』について書いた際、堀辰雄は自伝的小説『風立ちぬ』が角川春樹事務所から廉価版「280円文庫」シリーズの一冊として出版されているが、アマゾンの電子書籍
Kindle版は0円であると紹介した。著作権が切れた作品なのでこの値段が設定できるのだが、両方を読み比べてみた。電子版に関しては書籍リーダーKindleを持っていないので、Kindleアプリを使ってタブレットNexus7でダウンロード、読んでみた。字を大きくできるので老化した眼には優しく、正直言って紙の本より読みやすい。年代が上がるにつれタブレット所有者は減るようだが、これは逆で高齢者ほど使うべきだと痛感した次第である。アップルのiPadが発売された2年前「それ、電子書籍元年!」と騒がれたが、日本では残念ながらブレイクなかった。ところがグーグルのNexusなど最近は安価なタブレットが登場、本家アマゾンも日本語対応のKindleシリーズをリリースした。その普及が電子書籍の読者数を今度こそ押し上げる思われるが如何だろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿