2013年1月22日

確証がないまま不正選挙と騒ぐネット世論の怖さ


選挙に対する疑惑は付き物のようだ。ずいぶん昔になるが、投票所での有権者を観察したことがある。目に付いたのは、マイクロバスやタクシー、自家用車で集団投票にやって来る人たちだった。その多くがお年寄りであったことも印象に残っている。知り合いのタクシーの運転手さんに聞いたところ、投票日には会社を休んで選挙事務所から頼まれて有権者をピストンで運ぶという。さてそこで疑ってしまったのは、投票を誘導するなんらかの工作をしているのではないかということだ。「誰それをご支援お願いします」というなら問題ないが「誰それに投票してください」と頼んでないかということだった。運ばれてきた人たちにその点を聞くのはやめたが、疑いを持ったのは言うまでもない。今でもこのようなことをしているかは知らない。これは投票にまつわる疑念だが、開票および集計に不正があったのではないか、いや不正があったという指摘がネットの片隅で流れている。その一例としてブログ「ひょう吉の疑問」から「不正選挙10の疑問」を引用してみよう。
  1. 戦後最低の投票率、というのが最大の疑問。投票総数ではなく入場者数を示すべき。特定政党への投票が抜き取られたのではないかという疑惑。
  2. 1.にもかかわらず、投票所に長蛇の列ができたこと。こんなことは今までになかったこと。都知事選と重なった東京以外でも長蛇の列ができている。事前の世論調査でも、国民の関心が高かったことが裏付けられている。
  3. 1.にもかかわらず、多くの投票所で、投票終了時間の繰り上げで、さらに投票率が低下したこと。
  4. ネット上の世論調査では未来の党が1位か2位を走っていたいたにもかかわらず、選挙結果との隔たりが大きすぎること。
  5. 消費税増税・TPPが選挙の争点から隠されていたこと。大手マスコミによる世論操作の疑い。
  6. ある選挙区では、筆跡が同じ投票用紙が多数あったという声が上がっていること。
  7. 圧勝した自民党の得票数自体は惨敗した3年前の総選挙と変わっていないにもかかわらず(比例区では全体の27%)、自民党が過半数をはるかに超える294名の当選者を出したこと。そのことはライバル政党への投票が抜き取られた可能性とも符合すること。その辻褄を合わせるために、大手マスコミが投票日の午前中から戦後最低の投票率を強調したのではないかという疑惑。
  8. 自民党参議院議員の三原じゅん子氏が、投票終了時刻の30分前に出口調査の結果として『自民党が厳しい』状況にあることをブログで公表していること。ところがその30分後のテレビの選挙報道番組では、出口調査の結果として逆に『自民圧勝』と伝えられたこと。
  9. ここ3年間、大手マスコミによる執拗な小沢一郎叩きが続いていること。
  10. 維新の会への過剰なる応援報道が続けられたこと。小沢叩きと好対照をなしていること。
このような疑惑を元に「不正選挙」の裁判提起訴状を提出した人がかなりいたという情報がネットに流れているが、実際の数字は不明である。ひとつ分かっているのは埼玉5区から立候補した高知市の藤島利久氏が。訴状の「ひな型」作成をしブログで公表、氏自身も訴状を提出したというくらいだ。先の選挙では旧未来の党(実質は旧生活が第一)が61から議席と大惨敗したわけだが、かいつまんでいえば、小沢グループの一部およびその賛同者が「未来の党は不正選挙で負けた」と主張しているようだ。上記「不正選挙10の疑問」を読んだ限りでは、不正を裏付ける決定的証拠が見当たらない。また状況からの判断記述は極めて非科学的といえる。一般論として、多数の議員がその議席を失うといった、開票結果の大勢に及ぶような操作しようとした場合、かなり大がかりな仕掛けが必要で、その分発覚するリスクが大きい。もし明るみになれば、仕掛けた政党ないし組織は壊滅的なダメージを免れないと思う。私は不正がなかったと断言する材料を持っていない。しかし確証がないまま、不正、不正と騒ぐことにネット世論の怖さを感ずる。

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