2024年12月2日

限りなく黒に近いグレーの斎藤元彦兵庫県知事

大作戦を提案中
折田楓のオフィスで「大作戦」を提案中? ©2024 merchu

兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事を支援したPR会社「merchu(メルチュ)」の経営者、折田楓がメディアプラットフォーム "note" に投稿した「兵庫県知事選挙における戦略的広報」が炎上したままだ。すでに内容の一部がが改竄されているが、オリジナルの記事、所謂「魚拓」を読んでみた。目次は次の通りである。

はじめに
きっかけ
1. プロフィール撮影
2. コピー・メインビジュアルの一新
3. SNSアカウント立ち上げ
    セキュリティについて
    公式アカウントとしての信頼感の担保
    ハッシュタグについて
4. ポスター・チラシ・選挙公報・政策スライド
5. SNS運用

当初の記事では「斎藤陣営で広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」とある。まさしくメルチュが斎藤元彦の選挙運動に関わった証拠であるが、現在の "note]" は「今回広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」と言い換えられている。斎藤陣営の代理人弁護士はメルチュに報酬71万5,000円を支払っていると説明している。その内訳は(1)スライド制作30万円(2)チラシデザイン制作15万円(3)メインビジュアル企画・制作10万円(4)ポスターデザイン制作5万円(5)選挙公報デザイン制作5万円(合計65万円)と消費税(10%)6万5,000円だという。ちなみに選挙運動用ポスター(個人演説会告知用ポスターを含む)およびチラシの製作費は公費負担で済むが、あくまでデザイン料ということらしい。またSNS運用はすべて斎藤陣営で行っていたと主張しているが、これは折田楓の記事と大きく乖離している。SNS運用はメルチュが請け負ったと思われるが如何だろう。

プロフィール撮影風景 ©2024 merchu

斎藤元彦の写真撮影に関しては「プロフィール写真の撮り直しからスタート。3年前の兵庫県知事選挙の時のイメージは、今の斎藤さんのイメージと異なるため、撮り直しのご提案をしました。大阪にプライベートスタジオをお持ちの信頼できるカメラマンさんと、友人に紹介してもらったヘアメイクさんに急遽ご依頼をしました」とあるが、撮影費用はどうしたのだろうか。プロの写真家にとってメルチュはクライアントであり、タダとは考え難いが、この辺りの説明は見当たらない。メルチュの「広報全般」が有償なら公選法に抵触する可能性があり、無償でも贈収賄の可能性があるという。本人は会社や自信の実績としてPRしたつもりだろうが、クライアントつまり斎藤陣営の情報を自ら公開するなど、広報のプロとしてはあるまじき行為だろう。斎藤知事側は契約書もかわしていなかったという。斎藤元彦の代理人である奥見司弁護士が11月27日に会見を開いたが、メルチュの提案とされる「#さいとう元彦知事がんばれ」とのキャッチコピーについて「10月入ってからスタッフで相談して決めた」と説明した。記者が「もしかして改竄後の "note" を見ています?」と畳みかけると、目を見開きながら表情を曇らせ、プリントアウトした手元資料をめくりながら「私の持っているのと違う」と発言したという。コミュニケーション不足なのか、リスク管理の甘さなのか、斎藤元彦を巡って起きる事案はどれも類似、限りなく黒に近いグレーである。12月2日付けABCニュース電子版によると、元検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大学法学部の上脇博之教授が、斎藤元彦知事とPR会社メルチュ代表の折田楓を兵庫県警と神戸地検に刑事告発した。万が一公選法違反となれば、公民権停止となり再立候補はできなくなる。

note  折田 楓(メルチュ)「兵庫県知事選挙における戦略的広報」魚拓(改竄前のオリジナル記事の写し)

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