2018年12月14日

バンジョーを取り戻したアフリカ系アメリカ人ミュージシャン

Songs of Our Native Daughters (Smithsonian Folkways SFW40232)

最近は写真少年ならぬ、音楽少年の感がある私だが、愉しみなニュースが飛び込んできた。シンガー&ソングライターのリアノン・ギデンズが結成した "Our Native Daughters" のデビューアルバムが来年2月にリリースされる。アメリカの公共放送 NPR の記事によると「このアルバムはこの国の黒人女性の歴史を取り戻すための大きな運動の一環」とブレスリリースに記述されているという。演奏自体の内容は CD を手にしないと分からないが、曲目リストは発売元である Smithsonian Folkways のサイトに掲載されている。
    Rhiannon Giddens (1977-) with Fretless Banjo
  1. Black Myself Our Native Daughters (4:00)
  2. Moon Meets the Sun (3:59)
  3. Barbados (5:55)
  4. Quasheba, Quasheba (4:44)
  5. I Knew I Could Fly (3:43)
  6. Polly Ann's Hammer (4:03)
  7. Mama's Cryin' Long (2:12)
  8. Slave Driver (4:43)
  9. Better Git Yer Learnin' (3:58)
  10. Lavi Difisil (2:35)
  11. Blood and Bones (4:46)
  12. Music and Joy (3:32)
  13. You’re Not Alone (5:42)
ギデンズはノースカロライナ州グリーンズボロ出身だが、バンジョーやフィドル、ギターなど、複数の楽器を演奏するマルチプレーヤである。特に彼女が弾くフレットレスのバンジョーは、素晴らしいの一言に尽きる。アルバムジャケットには4人のメンバーの写真が掲載されているが、いずれもバンジョーを手にしている。南部アパラチア山系の伝承音楽を典型とする、白人音楽の楽器と誤解されそうだ。しかしそのルーツはアフリカであり、本来は黒人奴隷の楽器だった。アフリカ系アメリカ人ミュージシャンがバンジョーを取り戻した、意義深いアルバムになりそうである。

YouTube  Folkways: The Making of "Mama's Cryin' Long" from 'Songs of Our Native Daughters'

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