2018年12月20日

京都「民泊問題」異聞

京都市中京区西ノ京船塚町

私は目撃していないが、半年少し前、スーツケースをごろごろ引く外国人観光客が、マンションに入ってきたという。住宅専用マンションなので、民泊運営は入居規約違反。のちに管理組合から「民泊を禁止します」という通知があった。観光客増加で増えた民泊問題、身近なところで起こるとは思ってもいなかった。京都市は今年6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)施行、旅館業法に加えて住宅宿泊事業の届出を行うことで、民泊の営業を行うことができるようになった。しかし民泊情報サイト Airstair によると、市は無届け民泊など約2千件を廃業に追い込んだそうである。また京都新聞も簡易宿所の廃業が急増していると報じている。条例で簡易宿所に民泊同様の「駆けつけ要件」を義務づけたことも廃業に拍車をかけたそうだ。一定の場所に管理人の駐在などが求められ、人件費負担が増したからだという。民泊を巡り、地域住民とのトラブルのひとつが、管理人不在による治安上の問題だったが、民泊新法による規制の強化が功を奏したのだろう。それでも「民泊反対」の張り紙をよく見かける。商業地区ならともかく、住宅地域では、外国人が頻繁に出入りすることに嫌悪感を持っている可能性があるし、木造住宅が多い地域では火災を心配する声もある。さらに運営が地元資本とは違うのではないかという不信感もあるようだ。民泊増加が鈍化しているのは、収益性が低下、投資効果が薄れているのかもしれない。しかし京都の観光客は増え続けている。民泊よりランクが上のホテルの建築ラッシュは目を覆うものがある。それゆえに土地確保が難しくなり、その余波でマンションの価格が上昇しているという。

PDF  京都市「住宅宿泊事業法の概要」の表示とダウンロード(PDFファイル 1.43MB)

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