大洋ホエールズを知っているだろうか。1949(昭和24)年に大洋漁業が設立したプロ野球の球団で、現在は横浜 DeNA ベイスターズに引き継がれている。その大洋漁業の前身は大洋捕鯨株式会社で、1936(昭和11)年に南氷洋捕鯨を開始した。要するにホエールズは鯨を意味し、マルハブランドの鯨缶を子どものころ食べた記憶がある。兵庫県明石市が本拠地だったが、後に山口県下関市に移転した。安倍首相が国際捕鯨委員会(以下IWC)脱退を後押ししたそうだが、下関が選挙地盤だからと言われている。IWC 脱退表明をしたが、主要7カ国(G7)の一つである日本が国際協調から離れるのは異例で、批判のリスクも残る。すでに豪州や英国などから批判を浴びている。来年7月から領海や排他的経済水域(EEZ)で商業目的の捕鯨を再開するそうだが、果たして産業として成り立つだろうか。水産庁は IWC 脱退の決定を受け、調査捕鯨の拠点である下関で沖合操業を復活させ、同時に和歌山県太地町など全国6カ所でミンククジラなどの沿岸捕鯨をする構想を描いているという。しかし鯨肉の需要は激減しているし、経済的自立は難しいのではないだろうか。京都市内には鯨肉料理店がないので縁遠くなったが、大阪で仕事をしていたころはよく食べたものである。特に道頓堀のおでん屋「たこ梅」のサエズリ(ヒゲクジラの舌)の関東煮が絶品だったことを思い出す。しかし1串 900 円と高価。鯨肉は今や高級食材で、昔を懐かしむ懐古料理化している。消費が伸びるとは考え難く、捕鯨の未来は暗い。
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