2018年10月9日

ピスヘルメットを着用したメラニア夫人の非常識

Melania Trump on a safari in Nairobi National Park (Carolyn Kaster/AP)

ケニアを訪問したメラニア・トランプ夫人が、ナイロビ国立公園で白いピスヘルメットを着用してサファリカーに乗ったことをツイッターで知った。ツイートしたのはニューヨークタイムズ紙のファッション記事編集者、ヴァネッサ・フリードマンさん。さっそく同紙10月8日付けの彼女の記事を見て驚いた。まさに植民地時代の扮装である。ピスヘルメットは日本では探検帽、サファリヘルメットなどと呼ばれているが、夫人は野生動物見物にお似合いだと思ったのだろう。記事は「植民地主義」「無知」と酷評している。イギリスの植民地支配の象徴であることをメラニア夫人、あるいは彼女のスタッフは知らなかったのだろうか。
韓国の SBS NEWS も夫人がケニアのサファリで「植民地主義者」のヘルメットを着用したという記事を掲載している。どうやら日本は見過ごしているようだが、CNN、アルジャジーラなど、海外メディアは競って取り上げている。ニューヨークタイムズ紙のフリードマンさんは、記事の表題に "Out of Africa" という言葉を使っている。アフリカからという意味だが、これはデンマークのイサク・ディネセン著『アフリカの日々』を暗示している。梅毒をうつされて離婚したディネセンの夫は狩猟好きで、ナイロビ近郊にコーヒー農園を開いたころ、彼女も動物狩りに付き合ったことがあるらしい。しかし著書には「(農園が麓にある)ンゴング丘陵全体が禁漁区指定に入らなかったことを、私はいつも残念に思っていた」と狩猟に対して否定的なことも書いている。トランプ大統領のことを「裸の王様」と皮肉る向きがあるが、夫人もどうやら同類のようだ。

PorcoRosso  写真少年漂流記:イサク・ディネセン『アフリカの日々』への追想

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