2014年10月30日

自撮り写真が嫌われるならなぜ料理写真は違うのか

醤油ラーメン(京都市上京区今出川通六軒町東入る)2005年11月

フェイスブックのニュースフィードに何度か流れたので、当該のブログ記事「Facebookで気づかぬ内に嫌われる投稿&行動35パターン」を読んでみた。35パターンのうち、最初の5項目を引用してみよう。
  1. 自慢
  2. 自撮り写真
  3. 近況
  4. プライベートメッセージ
なんとなく分かるような気もするが、ちょっと気になるのはなぜ自撮り写真(セルフィー)が嫌われるかよく分からないことだ。理由は「Facebookで自分で自分を撮った写真をアップする人は少数派だと思いますが、なぜこの行為が嫌われるのかというとナルシスト感が漂うからだと考えられます」という。私は2度ほど自分の写真を投稿したが、いずれも「いいね!」のボタンを押して貰っている。中には「どんどんセルフィーを公開して欲しい」という海外からのコメントもあった。確かに「近況」「プライベートメッセージ」の色合いを感ずる。しかしソーシャルメディアというのは、バーチャル空間に実生活を持ち込むと言う側面があるので、私はセルフィーからナルシスト感を感じないし、旧友の元気な姿にホッとしたり、家族写真に微笑ましさを感じたりすることがしばしばだ。で、不思議に思うのは、自撮り写真が嫌われなら、なぜ料理写真はそうじゃないかという点だ。これこそまさに「近況」「プライベートメッセージ」そのものであるからだ。想像するに、ユーザーが話題作りとして料理写真を投稿するケースが多いので、他人のそれを嫌悪しないということではないだろうか。私は料理写真をフェイスブックにポストしたことはないが、9年ほど前、飲食点に入ってはテーブルの料理を撮り、写真共有サイトFlickrに投稿していたことがある。写真写りを良くするため、外光が入る窓際に意識的に座ったことを思い出す。まあ、いずれにしても、他人の目を神経質に気にしないことだと思うのであるが…。

2014年10月28日

京都府庁旧本館竣工110周年記念行事のリーフレット

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京都府庁旧本館は、1904年(明治37)12月20日に竣工し、今年で110周年を迎える。これを記念して、10月30日から11月16日までの間、秋の公開事業「観芸祭(かんげいさい)」を開催、そして明治当初の姿に修復整備された旧本館内にある「旧議場」が11月15、16日に一般公開される。詳細は下記ボタンをクリックするとリーフレットのPDFファイルが表示され、ダウンロードすることができる。

PDF  京都府庁旧本館竣工110周年記念行事のリーフレット(PDFファイル 1.44MB)

2014年10月27日

万能STAP細胞はネス湖のネッシー

A view of the so-called Loch Ness Monster, near Inverness, Scotland, April 1934.

新聞各紙10月25日付電子版によると、理研(理化学研究所)は、国際出願していたSTAP細胞作製法の特許について、複数の国で出願の継続手続きをとったという。論文は撤回されたが、STAP細胞の存在は完全に否定されてはいないとし、検証実験も続けていることから、特許取得の手続きを進めることにしたという。発明者には、理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子「博士」も含まれているそうだ。これを読んだ私はスコットランド北部、ネス湖のネッシーを思い出した。1934年に写真が公開されて以来、多くの目撃例が報告されてきたが、未だに存在を立証できない未確認動物である。首をひねる動物学者が多いにも関わらず、その存在を期待する人が多いようだ。おそらく一般にはネッシーの存在が、完全に否定されていないというのがその理由だろう。論文が撤回されたにも関わらず、特許取得手続きという理研の措置は、科学のシロウトにはとうてい理解し難い。ネッシーにロマンをかき立てられている夢想家と同類に見える。

2014年10月25日

世界で最も価値あるブランド百選


世界最大のブランディング企業であるInterbrandが、毎年行っている「世界の最良ブランド」の2014年度バージョンが公開された。図はスクリーンキャプチャーしたものだが、世界のトップはアップル、日本企業の1位はトヨタである。かつて隆盛を誇った任天堂はかろうじて100位につけてる。意外な企業もランク入りしているので、じっくり見て欲しい。クリックすると拡大する。

2014年10月23日

第38回秋の古本まつり~古本供養と青空古本市

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日 時: 2014年10月30日(木)~11月3日(月・祝)10:00~17:00
会 場: 百萬遍知恩寺境内(京都市左京区田中門前町)
詳 細: http://www1.kcn.ne.jp/~kosho/koshoken/event.html

2014年10月22日

電柱禁止法案を一応評価する

天空のお邪魔虫(京都市中京区裏寺町通四条上る)

自民党の「無電柱化小委員会」がまとめた、新しく造る道路では電柱や電線の設置を原則禁じるという法案にはオヤ?と思った。議員立法で今国会に提出し、来年4月の施行を目指すそうだ。秘密保護法とか、自民党が提出する法案は悪例ばかり、不審の塊に陥るざるを得ないので、何か裏があるのではと疑ってしまう。確か前は「地上にある電柱のほうが災害時に復旧しやすい」という意見があったと記憶しているが、今度は「地震で倒れて通行の妨げになったりする」というのも理由にしているそうだ。それはともかく、好意的に見れば、やっと気づいてくれたかという思いである。このブログでも何度か、いかに電柱電線が景観を壊すか書いてきた。まあ新設道路対象ということだから、実現は可能だろう。電柱は全国に約3500万本もあるそうだが、どんどん増え続けているそうだ。その歯止めがかかるだけマシではある。既存の電柱をすべて撤去して電線を地下に埋めることは夢のまた夢。コストがかかるというのが理由だが、じゃあ、どうして上下水道やガス管ができて、電線ができなかったという恨み節も出る。要するに電柱電線が景観の邪魔であるという思想に欠けた、電力会社と為政者の傲慢無知がこの国の景観を破壊したのである。

2014年10月21日

第17回京都北山ハロウィン2014

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25日(土)9:30~夕刻かぼちゃのカービング
10:00~21:00手作り市
11:00~21:00屋台村
16:00~21:00仮装パーティー
日没~21:00かぼちゃライトアップ
26日(日)9:30 ~16:00かぼちゃのカービング
10:00~16:00手作り市
11:00~17:00屋台村
13:00~15:00仮装パレード
15:00~17:00仮装パーティー
詳 細: http://www.kitayama-halloween.com/
主 催: 北山ハロウィン実行委員会

PDF  フライヤーの表示とダウンロード(PDFファイル 708KB)

2014年10月20日

京都府庁旧本館110周年記念「蘇る旧議場」一般公開

京都府庁旧議場(撮影年月日不詳)

京都府庁旧本館は、明治37(1904)年に竣工し、今年で110 周年を迎えます。この110 周年を記念し、府政情報センターとして使われていた旧本館内の「旧議場」を明治当初の姿に修復し、11 月15・16 日に、一般公開するとともに、記念コンサートや記念講演会を行います。

演 奏 会11月15日(土)13:30~14:20分 ハープ奏者 内田奈織 氏
講 演 会建築からみた、府庁旧本館と旧議場について」
11月16日(日)13:00~14:00 京都工芸繊維大学教授 石田 潤一郎 氏
一般公開(※申込不要)
11月15日(土)15:00~17:00(見学会16:00)
11月16日(日)10:00~12:00・15:00~17:00(見学会11:00・16:00)
申込期限10月24日(金) 記念コンサートと記念講演会
申込方法氏名・住所・電話・年齢・コンサートまたは講演会を記入の上、往復はがき、メール、FAXで
問い合せ〒602-8570 京都府総務部府有資産活用課 旧本館110周年記念事業係
FAX:075-414-5450 E-mail:huyushisan@pref.kyoto.lg.jp
PDF  京都府庁旧本館竣工110周年記念事業のリーフレット(PDFファイル 1.44MB)

2014年10月19日

綻びが切れ始めた安倍首相の陣羽織

Illustration by ©281_Anti nuke

アベノプレスと私が密かに呼んでいる産経新聞が、昨18日「小渕経産相辞任へ」と題した号外を出した。速やかな幕引きを図ろうする政府の意向を汲んだ、御用新聞のお先棒担ぎなのだろう。その産経新聞がさらに昨日午後9時前に「小渕経産相辞意固める 首相に近く辞表提出」という記事を掲載した。安倍政権のスポークスマンと化した同紙だから間違いはないだろう。今後の動静に関してはメディアに任せるが、報道を総合すると、小渕優子経済産業相が週明けに辞表を提出することになるだろう。安倍首相は自らが掲げた「女性の活用」をアピールするために、過去最多となる5名の女性閣僚を誕生させた。しかし鳴り物入りで就任した女性閣僚たちが早くも次々とやり玉に上っている。まさに奢る平家は久しからず。綻びが切れ始めた安倍首相の陣羽織、そう遠くない将来に凋落し、この国が暗いトンネルから抜け出すことを願いたい。

2014年10月18日

写真家エドワード・マイブリッジの偉業

Tokoya and Hunto. Valley of the Yosemite (The Basket,) 3,568 feet high. No. 24 (1872)

疾走中の馬の連続写真(1878年)
写真家エドワード・マイブリッジ(1830–1904年)といえば「疾走中の馬の連続写真」(1878年)を思い浮かべる人が多いと思う。12台のカメラを使い、歴史上初めて撮影した馬のギャロップの連続分解写真で、これはリーランド・スタンフォード(実業家、政治家でスタンフォード大学の創設者)の依頼を受けて撮影したものだ。この写真によって4本の足がすべて宙に浮いていることが証明された。これに刺激されたトーマス・エディソンが、後に映写機キネトスコープを発明、映画が誕生することになったのも有名な話だ。写真史における偉業だが、もうひとつの偉業はカリフォルニア州ヨセミテ渓谷を撮影、風景写真の道を切り拓いたことである。最初の撮影プロジェクトは1867年春に始まった。リチャード・リーチ・マドックスが乾板を発明したのが1871年だから、このプロジェクトはまだコロジオン湿板写真の時代だった。湿板写真は撮影直前にガラス板に乳剤を塗布するので移動暗室が必要である。彼は考案した装置をギリシャ神話の神の名をとって「ヘーリオス」と密かに呼んだという。大判カメラやガラス板など重い機材を運び上げ、テントの中で現像と作業はかなり過酷だったと想像される。しかしマイブリッジのヨセミテ渓谷への最初の旅行は大成功で、驚異的な風景写真を捉えることができた。写真は六ヶ月後に地方紙に紹介され、そして「ヨセミテ:その驚異とその美」題したガイドブックとして結実したのである。今日、ヨセミテ渓谷の写真と言えば、アンセル・アダムスのそれを多くの人が想起するかもしれない。しかし19世紀の写真術黎明期にその先駆者がいたのである。

2014年10月16日

デジタルカメラ写真のモノクロ化への違和感

賀茂川(京都市左京区下鴨上川原町)Fujifilm Finepix X100

写真共有サイトflickrや写真コミュニティ500pxで正方形のモノクロ写真が目に止まることがある。一瞬ハッセルブラッドやローライフレックスなどのスクエアフォーマットのカメラで撮ったかなと興味を抱き、さらに作者のプロフィールを見ると「モノクロ写真を主に制作」とあったりする。ところがそれがデジタルカメラによる作品だと分かると、何となく違和感を感ずるのは私だけだろうか。そういえば最近のエントリー「モノクロの歴史的写真のカラー化で知るそれぞれの特質」に「しかしモノクロ撮影モードを使ったり、撮影後に画像処理ソフトでカラ―情報を破棄、モノクロ化する人もこれまた多い」と書いた。アナログ写真術は絵画と違ってモノクロから始まり、カラー写真は後発の技術である。デジタルカメラは初めからカラーだったわけだが、そのモノクロ化はアナログ写真への憧憬なのかとも思ってしまう。あるいは「芸術写真」と呼ばれてる作品の多くがモノクロなので、それに擦り寄ってるのかなという皮肉な見方も脳裡を走る。私はモノクロ写真はフィルムカメラで撮るので、デジタル写真のモノクロ化をしないが、試しにフォトショップで加工したのが上掲写真である。蛇足ながらフォーカシングスクリーンに井桁に似た線を引た二眼レフもある。つまりアイレベルではなく、ウェストレベルファインダーはタテ位置での構えがし難く、従ってこのように苦肉の策をしている。正方形の写真はそのまま書籍や雑誌などに使い難く、矩形にトリミングすることを想定したものである。

2014年10月15日

アップルiPhoneからソニーXperiaZ3に乗り換え


スマートフォンをアップルのiPhone5から、ソニーのXperiaZ3に乗り換えすることを決め、予約した。キャリアはソフトバンクで、同社がソニー製品を扱うのは初めてだそうである。そのせいか、ドコモなどとは一か月遅れの11月下旬に入荷するそうだ。ウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブス』によると「電話がかけられるiPod」がiPhone開発のコンセプトだったという。2年弱にわたってiPhone5を使ってきたが、私にとってはまさに「電話がかけられるウォークマン」であった。デザインが素晴らしく、とてもよくできた製品だが、バッテリー容量が小さいのが弱点と言えば弱点である。しかしこの点はiPhone6で改善されたようだ。それでは何故ソニーに乗り換えか。CDを超える音質のハイレゾ音源に対応、さらに圧縮時に失った高音域を補完することで、MP3やAACなどの圧縮音源をハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングする、という触れ込みに釣られてしまったのである。iPhone5を6にアップ、ソニーのウォークマンを併用することも考えたが、2台持ち歩くのはバッテリー管理が増えるし、面倒である。やはり「電話がかけられるウォークマン」が望ましい。蛇足ながら同じ音源、同じイヤフォンを使って、iPhone5とタブレットNexus7を聴き比べたところ、後者のほうが音質が優れていた。ただ、これは私の主観であって客観性があるわけではないが、その時の印象が刷り込まれてしまい、機種変更に至ってしまったようだ。入手したらまた報告したい。

2014年10月12日

京都時代祭2014日程詳細

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10月15日13:30 時代祭宣状授与祭
行列の主な参役に選ばれた約500名の平安講社員が平安神宮のご神前に行列の無事執行を祈願し宮司より宣状が一人一人に授与される
15:00 時代祭奉祝踊り足固め
平安神宮境内で揃いの衣装の女性300名による民踊列が披露される
10月21日10:00 時代祭前日祭併献花祭
時代祭の無事執行を祈り献花などが平安神宮で行われる
10月22日7:00 時代祭(雨天順延)
総長・奉行が参列し平安講社を代表して総長が祭文を奏上する
8:00 神幸祭
2基のご鳳輦に桓武天皇・孝明天皇のご神霊をうつす
9:00 神幸列進発
神幸列が平安神宮を進発し10:00頃に京都御所の行在所に到着する
10:30 行在所祭
崇敬者と市民代表が参列し神饌講社より神饌が献じられ白川女の献花奉仕が行われる
12:00 行列進発
時代行列が京都御所の建礼門前を出発し平安神宮に向かい13時頃には御池寺町に14時頃には平安神宮前で奉祝踊りが披露される
16:00 大極殿祭並還幸祭
全行列が到着したあと御鳳輦を大極殿へ奉安し延暦文官参朝列の三位が代表で祭文を奏上し続いて御霊代をご鳳輦より本殿に還して祭典を終了
10月23日10:00 時代祭後日祭
祭典の無事終了を奉告し祭具を片付け格納される
京都観光NAVI  行列の解説や巡行コースなど時代祭詳報(京都市観光協会)

2014年10月10日

視界から消えた鞍馬の火祭の炎

鞍馬の火祭にて(京都市左京区鞍馬本町)1966年10月22日

懐かしい写真が出てきたのでスキャンした。1966(昭和41)年、大学を卒業した私は大阪の新聞社に赴任した。関西の生活は、関東育ちの私には何もかも珍しかったけど、京都へは頻繁に通うようになった。その年の秋、鞍馬の火祭を見物に出かけたが、写真はその時のものである。残念なことに誰が撮ってくれたか記憶にない。少なくとも48年前までは、このように沿道の見物客にミニ松明を配ってくれたのである。1989(平成元)年に東京での単身赴任を解かれ、4月に新聞社の京都支局員になった。そして秋、火祭の取材で鞍馬を再訪したが、ラウドスピーカーから流れる婦人警官の「立ち止まらないでください」という声に辟易とした。膨れ上がった人波に対する処置だったのだろうけど、とにかくうるさいし、やかましかった。翌年はアナウンスの音量が下がったようにも記憶しているが、喧騒は去らず、松明の炎がかき消されるかと思われる雰囲気だった。今月22日の昼間、もしかしたら軒下で待機する松明の撮影に出かけるかもしれないが、その場合は日没前に帰宅するつもりだ。勇壮かつ幽玄な炎は、もう二度と私の視界に戻ってくることはないだろう。

2014年10月9日

モノクロの歴史的写真のカラー化で知るそれぞれの特質

Country store on dirt road. North Carolina, July 1939 by Dorothea Lange. (Library of Congress)

もし写真術がカラーから始まっていれば、果たしてモノクローム写真は生まれただろうかと思うことがある。絵画と違って写真術はモノクロームから始まったが、黎明期からカラ―への希求があったようで、人工着色の写真がもてはやされた時代もあった。しかし今日では、カラ―フィルムがあるにも関わらず、モノクロフィルムを使い続けてる人は多い。現在のデジタルカメラは、ライカMモノクロームのような例外を除けば、カラ―写真を作ることを前提にしている。しかし「モノクロ撮影モード」を使ったり、撮影後に画像処理ソフトでカラ―情報を破棄、モノクロ化する人もこれまた多い。モノクロ映像の持つ独特の雰囲気が人を惹きつけるのだろうか、いわゆる芸術写真に多い。逆に最近ではコンピュータグラフィックスの技術を導入して、モノクロ写真に色彩を載せる試みも始まっている。英国のダイナミクローム社が有名だが、オリジナルと見比べると、モノクロとカラ―写真それぞれの特質を知ることができて興味深い。

2014年10月8日

コダックD-76デベロッパーは健在なり

Kodak Professional D-76 Developer

現在のコダックの事業形態については不案内だが、写真のD-76デベロッパーは店頭にあり、健在である。説明にはドイツ製と書いてあり、実勢価格500円強である。このような市販パッケージではなく、学生時代のように自家調合したほうが割安なのは分かっているが、作業を簡便にするために使用している。1リットル当たりの処理能力は、原液で8x10インチ4枚である。これを1:1に希釈しているが、4x5インチの場合は、1回におおむね半分しか使わない。残りの液の保存を考えると、半分のパッケージがあると有難い。私は大学で写真化学を学んだことになっているが、実は浅い知識しか持ち合わせていない。このD-76と、自分で考えたフェニドンを主薬とした現像薬を自家調合していた。写真を仕事にするようになった当初は新聞だったので、写真薬品会社に特注した迅速現像液を使っていたが、雑誌の仕事をするようになってからはD-76になった。というわけでこの現像液との付き合いは極めて長い。コダックのフィルムT-max400を使っていたころはT-maxデベロッパーで処理していたが、今は富士フイルムのAcros100が主体なので、やはりこのD-76を使っている。ただハイドロキノンを含まない、アスコルビン酸(ビタミンC)をベースにした、エクストール(XTOL)デベロッパーへの乗り換えも視野にあるのだが、5リットル用のパッケージしかないので躊躇っている。

PDF  コダックプロフェッショナルD-76デベロッパー説明書(PDFファイル 534KB)

2014年10月7日

彩りの京都「かみぎょう」フォトコンテスト

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撮影会: 2014年10月19日(日)10:00~12:00 北野天満宮
詳   細: https://kamigyo-photo.jp/satsuei1019.html
主   催: 上京区まちづくり円卓会議魅力発信部会有志の会

2014年10月6日

アメリカ先住民スー族の少女の写真に惹かれる

Katie Roubideaux, Native American girl, Rosebud Sioux. ca.1900
Nebraska State Historical Society John Anderson Collection

インターネット上をストロールするとアメリカ先住民の写真によく出会う。写真はネブラスカ州歴史協会が所有するジョン・アンダーソン・コレクションの一枚である。私が最も惹かれる一葉で、モデルはスー族の少女ケイティ・ロービドーである。スタジオ写真で、飾りで縁どられた服、ビーズを付けたゲートルおよびモカシンを着用、人形を抱えて立っている。ドノヴィン・アーレイ・スプレイグ著『バラのつぼみのスー族(アメリカのイメージ)』(英文 ISBN: 0-7385-3447-1)によると、ケイティは1890年生まれ、父親はサウスダコタ州ローズバッド・インディアン居留地の合衆国公式通訳だったルイ・ロービドーだった。上掲タイトルでは1900年ごろとなっているが、撮影は1898年、彼女が8歳の時だったようだ。

Amazon  Rosebud Sioux (Images of America) Arcadia Pub (2005/8/24) by Donovin Arleigh Sprague

2014年10月5日

四姉妹40年間40枚の肖像写真

2014, Wellfleet, Mass.

1975, New Canaan, Conn.

写真はニコラス・ニクソン氏が撮影した、彼の妻と、その三人の姉妹である。最初の撮影は1975年で、毎年撮影、今年で40枚になった。ニューヨークタイムス電子版で前40コマを見ることができる。11月にニューヨークの近代美術館から「40年間のブラウン姉妹」として出版される。

Forty Portraits in Forty Years:
http://www.nytimes.com/interactive/2014/10/03/magazine/01-brown-sisters-forty-years.html

2014年10月3日

古写真の背景を考察する面白さ

Young England's Floral Alphabet, Clonbrock Estate, Ahascragh, Co. Galway. Circa 1884

写真はFlickrにアイルランド国立図書館が掲載しているものだが、"Young England's Floral Alphabet"というタイトルが付いている。直訳すれば「若いイングランドの花のアルファベット」となるが、これでは意味が通じない。ふたりは姉妹で、テーブルの上に広げているのは、花文字のアルファベットが書かれたブロック。どうやら知育玩具であることが分かる。とするとブロックに「若いイングランド」と冠するのはちょっと違和感がある。そこでネット百科事典ウィキペディアで調べたところ「ヴィクトリア朝時代の政治グループ」という説明があった。ヴィクトリア女王が英国を統治していたのは1837年から1901年の期間だから、確かにこの写真が撮られた時代と一致する。しかしこの政治グループが知育玩具を作っていたかは不明である。ふと思いついてテーブルの下に転がってる箱を拡大してみたら、なんと"Young England's Floral Alphabet"と書いてあるではないか。つまりアイルランド国立図書館の担当者はこれを見てタイトルを付けたのである。さてこの先はあくまで想像に過ぎないが、"Young England"はメーカーのブランド名じゃないだろうか。さらにネット検索を続けたところ、同名の子ども服店が英国にあることを発見した。販売しているのはクラッシックな服で、まさにヴィクトリア朝時代を彷彿させるデザインである。ただ残念ながらホームページには沿革の記述がなく、19世紀から続いている店かどうか不明である。何らかの繋がりがあるかどうかメールで尋ねてみようと思っている。というわけでこの写真のすべてを解明できたわけではないが、背景をあれこれ考察する作業は面白い。

2014年10月1日

米国ジャズ史の克明壮絶なポスター

Highlights of the Jazz Story in USA Poster

イラストは米国ジャズ史を克明に描いたポスターで、制作はハンブルグのピーター・フォン・バートコウスキ氏である。価格はEUR19,00(2630円)制作者サイトおよびヨーロッパのアマゾンが取り扱っているが、日本アマゾンは現在在庫品切れのようだ。ポスターのサイズは27x39インチ(約70x100センチ)でびっしり書き込まれたインフォグラフィックに啞然とする。画像をクリックするとさらに拡大するが、細かい文字までは判読できないかもしれない。ただ情熱が籠った壮絶なポスターであることは感ずると思う。