フランスのパリがイーロン・マスクが所有するソーシャルメディア・プラットフォーム X での発信を停止すると発表した。誤った情報の増加や暴力的なコメントを助長しているなどと指摘している。ル・パリジャン紙によると2023年11月にアンヌ・イダルゴ市長が旧ツイッターからから去った後、閉鎖されていた市長のアカウントは、ドナルド・トランプが大統領に就任する1月20日月曜日の時点で X プラットフォームに存在しなくなるという。市長はソーシャルネットワークを「広大な地球規模の下水道」と形容し、彼女は「X のアルゴリズムによって推進され、世間の議論を左右している」「論争、噂、粗雑な操作」と非難したのである。2009年、パリはフェイスブックとツイッターに参加し「ウェブ2.0が提供するコミュニケーションの機会を捉える」最初の公的機関のひとつとなった。 しかし、時は流れ、アメリカの億万長者イーロン・マスクに買収された後 X と改名されたツイッターは、最初のユーザーのひとりがこのプラットフォームから去ろうとしている。アンヌ・イダルゴの第一副市長であるパトリック・ブロッシュは、プレスリリースの中で「X が買収されて以来、ますます毒性を増し、政治的な操作を受けていることは、われわれが事実を直視しなければならないことを意味する」と語ったそうである。市は、同プラットフォームにおける「誤った情報の増加と、非道で暴力的なコメントの矮小化」について言及している。イーロン・マスクが旧ツイッターを乗っ取ったのは2022年10月28日だったが、アンヌ・イダルゴ市長自身2023年11月27日に X を退会している。
この新たな決定は「平和的で公共の議論を尊重するデジタル空間を育成するという市のコミットメントとハッシュタグ #HelloQuitteX が推進する市民中心のアプローチに沿ったもの」であるという。X を所有するイーロン・マスクがドイツの極右政党の共同代表と X 上で対談し、投票を呼びかけたことなどを念頭に「ドイツやイギリスなどの民主的な生活に干渉している疑いがある」などと指摘してされていることがこの決定の根底にある。X をめぐっては、前エントリー「ソーシャルメディアの弊害(10)動画共有アプリ TikTok マスクへの売却の危険」で詳述したようにドイツやオーストリアの 60 以上の大学や研究機関も「このプラットフォームには、多様性、自由、科学を促進する価値観はもはや存在しない」として利用を停止すると発表している。「ネットワークは事実と客観的なメッセージの到達範囲を狭めます。あり得ない、このネットワークはヘイトスピーチや偽情報を助長しており、その節度が欠如していることが問題となるからだ」とパリ市は反対している。ここ数週間、イーロン・マスクは X でさらに積極的に活動しており、欧州当局は特にドイツと英国での地方政治への介入の試みを非難している。正しい情報を提供することはもはや不可能と断じている。今や X ユーザーであることが恥ずかしい時代になりつつあるようだ。下記リンク先の PDF ファイル(482KB)はパリ・メディア・センターの「パリは1月20日(月)に X プラットフォーム(旧ツイッター)から離脱する」です。
La Ville de Paris quittera la plateforme X (anciennement Twitter) ce lundi 20 janvie | CDN
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