2023年11月19日

寺社の絵馬そして釘抜地蔵の達磨は儚き荼毘に

Cremation
石像寺(京都市上京区千本通上立売上る)
上賀茂神社片岡社(クリックで拡大) loupe

寺社で目につくのが絵馬や御神籤で、ついレンズを向けてしまう。下鴨神社の御神籤は色紙を使い綺麗である。これは縁結びの御神籤を謳ったものだ。女性の参詣客のそれが圧倒的に多いと観察した。縁結びといえば、地主神社が雑誌などに取り上げられて有名だが、上賀茂神社片岡社は見逃せない。このハート型の絵馬と誤解しそうだが、葵の葉をデザインしたものだ。紫式部が「ほととぎす声まつほどは片岡のもりのしづくに立ちやぬれまし」(新古今和歌集:第三巻 夏歌)と詠んだ和歌がプリントされている。ほととぎすというのは、未来の夫のことで、紫式部は何度もここにお参りしたという。絵馬で連想するのが、北野天満宮の合格祈願のそれである。夥しい数の絵馬が奉納されている。観察すると、絵馬掛けはすぐに満杯になってしまう。一体、その行方はどうなるのだろうか、という俗な興味が湧いてくる。焼却するのだろう。釘抜地蔵の名で親しまれてる石像寺の地蔵堂は、実物大の八寸釘と釘抜きを張り付けた絵馬で外壁が埋め尽くされている。これとは別に寺務所で厄除ミニ達磨を求めることができる。無病息災を願い、家に持ち帰り、一年を経ると寺に返納する。裏の墓地に足を伸ばしたところ、荼毘に付されているミニ達磨が目に飛び込んできた。一瞬ギョっとしたが、普段目にしない光景ゆえ、価値ありという誘惑に負け、カメラのシャッターを切った。撮ってはいけない写真を撮ってしまったという恐れが脳裡をかすめた。人もまた同じ運命を辿るのであるが。

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