2021年1月4日

淀みに浮ぶ泡沫かつ消えかつ結びて久しく止まる事なし

cassette-tape
復活の兆しが窺えるカセットテープ

学生時代に初めて触れたコンピュータ、いや当時は電子計算機と呼んでいたが、その記録装置は紙の穿孔テープだった。ちょっと記憶は曖昧だけど、マシン自体はかなり大きなものだった。仕事を始めてからは、電子計算機世界とは縁遠くなった。ところが70年代末、仕事で日本電気の PC-8001 を撮影する機会があった。玩具のようなパソコンにはオーディオ用のカセットテープレコーダーが繋がっていた。オペレーティングシステムは N-BASIC だったが、興味を持った私は「カラオケ」のプログラムを書いたことを今でも覚えている。その次に出てきたのはお馴染み、フロッピーとハードディスクだった。私は1983年春に PC-9801 を購入したが、同時に買ったハードディスクの容量はわずか 20MB だった。それでもフロッピーだけよりマシだった。

microSD_Exress
microSD Express Memory Cards

やがてそのフロッピーは5から3.5インチにダウンサイズ、これが比較的長く続き、ディスクが山のように貯まったことを覚えている。同じころ、画像が奇麗だろうということで LD(レーザーディスク)デッキを購入した。30センチのディスクで、映画のタイトルを何枚か購入した。結構高価だったように記憶している。ところが肝心のデッキが壊れ、修理しないまま時が流れ、結局いつの間にか LD そのものが世の中から消えてしまった。パソコンに CDドライブが搭載されるようになり、撮った写真をコダックのフォト CD に収納するようになった。最初はリードオンリーだった CD も書き込みができるようになり、ディスクも値下がりして、自分で取り込むようになった。前後するかもしれないが MDドライブが搭載されたアンプを購入した。いつの間にかテープを使ったウオークマンがこの世から消えていたのである。据え置き型のカセットデッキもあったが、壊れたにも拘わらず、これまた修理をせずに葬ってしまった。残った大量のカセットも処分せざるを得なくなってしまった。録音するなら今やリニア PCM レコーダで、最近では microSD カードに記録および再生できるようになった。MD も衰亡の運命を辿り、アップルから首飾りのような iPod が出た。

XFMEXPRESS SSD
KIOXIA's new XFMEXPRESS SSD

デジタルカメラが最初に使ったのは名刺サイズのカードだったけど、コンパクトフラッシュでに変わり、現在は SD カードが主流で、携帯電話カメラ用は microSD カードである。小型軽量そして安価なモバイル PC は、5インチディスク駆動装置を外す傾向にある。私はタブレットに 64GB の microSD カードを挿しているが、音楽ファイルが占有しているのは約20%である。収録曲は2,540曲で、まだまだ詰め込む余裕がある。新しい規格の SD カード「SD Express」の記憶容量が 128TB まで拡張されたが、さらに半導体メーカーのキオクシアが新しいリムーバブル PCIe/NVMe メモリデバイス「XFMEXPRESS」を開発した。かつて使用したフロッピーやハードディスクは、地上から消えてしまった恐竜に似ているような気がする。ただ音楽分野では、アナログレコードやカセットテープが見直されているのが興味深い。

technology 新しいリムーバブル NVMe™ メモリデバイスの開発について | キオクシア(旧東芝メモリ)

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