2020年9月8日

ディズニー映画『ムーラン』のボイコット運動

中国の伝説の少女「花木蘭」を演ずる劉亦菲

米国ロサンジェルスタイムズ紙電子版など、各マスメディアの報道によると、動画配信が始まったディズニーの映画『ムーラン』を見ないようにと、香港の民主活動家がボイコットを呼び掛けた。同作品は1998年に制作された長編アニメーション映画『ムーラン』の実写リメイク作品である。古代中国を舞台にした物語で、伝説『花木蘭』をモデルとしており、ストーリーは一部異なるものの豫劇『花木蘭』に基づいている。全米公開は8月21日、日本公開は9月4日に予定されたいたが、新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響で無期延期となった。その代わりに Disney+ のサービスによるプレミア公開が9月4日、一部の国を覗いた全世界で始まった。香港の民主化運動の活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)は同日、次のようなツイートをした。映画の主演女優である劉亦菲(リウ・イーフェイ)が8月15日に「逃亡犯条例」改正案をめぐる抗議デモに関し、現地の警察を支持する内容をソーシャルメディアのウェイボーに投稿し、物議を醸したためだ。

黄之鋒は「ディズニーは北京に屈服しており、劉亦菲は香港の警察の残虐行為を公然と誇らしげに支持している」ので 人権を信じる全ての人に映画のボイコットに加わるよう呼び掛けたのである。叩頭はかつての中国皇帝の前にひれ伏す行為。この呼びかけにより、ハッシュタグ #BoycottMulan は米国と香港の Twitter でトレンド入りした。影響力が大きい女優の「中国寄り」の発言を警戒したしたツイートだが、実質的効果については不透明ではないだろうか。ただこのハッシュタグに触れた場合、なぜ映画をボイコットするのか、という疑問符を考えるきっかけになるに違いない。蛇足ながら日本の Disney+ のサービスの月額会費は税抜き700円で、この作品にアクセスするには2,980円を追加する必要がある。

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