2020年9月6日

安倍政治を踏襲する菅義偉の姦計

犬猿の仲と言われていた麻生太郎まで菅義偉推薦に転じたという。自民党内の雪崩現象は、忖度という悪しき風習が残存していることの象徴かもしれない。菅が出演した日本テレビのニュース番組で、メインキャスターの有働由美子が、安倍首相が残り1年余りを残して辞めたことから「ピンチヒッターですか?」と訊いたという。放送終了後、ネット上では有働の言動に「失礼」「感じ悪い」と批判が殺到したそうだが、弱腰の政治記者より真っ当な質問である。これまで何度も官房長官としての会見をテレビで観たが、例の「問題ない」を繰り返すばかり。これからは「コメントは控えさせていただく」を連発するのだろうか。菅には政治家としてのカリスマ性の片鱗がないと私は思う。人を惹き付けるキャラクターや発信力の要素がない。自民党総裁になり首班指名で首相になることは間違いなさそうだが、党内の評判と異なり、国民の人気を得られるか極めて不透明である。会見で菅は安倍政治を踏襲する意向を示した。本来政権が代われば路線の抜本的な変更が求められる。

自由民主砦の三羽烏(作者不詳)

安倍退陣の表向きの理由はあくまで病状悪化である。従って安倍と闘って得た椅子でないから、新たな路線を展開できないのである。むしろ安倍路線継承と称して、新たな強行政策を打ち出す危険を孕んでいる。具体的には愚策アベノミクスの継続、憲法改悪、軍備の増強、沖縄の辺野古埋め立ての強行、などなど。特に憲法問題は大いなる警戒が必要だ。蛇足ながら外交面ではまるで期待できない。家人は「各国首脳と並んだら見窄らしい」と酷評する。国際社会では語学力を求められるし、風貌もまた政治家の重要な要素ではある。

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