全米レコード協会(RIAA)によると2020年上半期(1~6月期)のビニール盤(アナログレコード)の売り上げが CD を上回ったという。ビニール盤の売り上げは2億3,210万ドル(約243億円)で、CD は1億2,990万ドル(約129億円)だった。米国の録音音楽収益は、小売額で5.6%増の57億ドル(約5,975億円)となり、ここ数年のプラス成長傾向を継続している。ストリーミング配信は、前年の80%に対し、金額ベースでは85%に成長した。ホールセール価格では、収益は5.1%増の37億ドル(約1,436億円)となった。の第1四半期と第2四半期では、小売店の閉店、ツアーのキャンセル、その他新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響が音楽業界に大きな影響を与えたため、トレンドに違いがあった。ただビニール盤の売り上げが増えたといえ、CD と合計しても全体の7%に過ぎない。売上全体のピークは1999年で、主役は CD だった。
その後 CD の激減によって売り上げが下落したが、2015年ごろからストリーミングの需要が増えて持ち直しつつあるようだ。ところでビニール盤や CD といった物理媒体を購入するのはどんな人たちだろうかという点が気になる。音楽を聴く一番安易な方法は、ラジオで、その選曲が不満ならストーリミングを利用する。何しろスマートフォンを所持していればすべてが OK だからだ。次はダウンロードだが、ややストーリミングより面倒だが、iPod や Walkman など携帯音楽プレーヤーを所持者が利用しているのだろう。最後の物理媒体だが、CD ならリッピングできる。いずれもアンプやスピーカーなどのオーディオ再生装置が必要だが、所有することのメリットがあるからだろう。私自身が愛好者だし、どうせならビニール盤という心理は理解できる。日本では未だに物理媒体が主流で AKB48 などのアイドルグループのお陰で CD が生き延びている。
全米レコード協会2020年上半期の録音音楽収益の展開とダウンロード(PDFファイル 1.68MB)
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