Taeko Onuki: MIGNONNE and PURISSIMA
大貫妙子のCDアルバム「PURISSIMA」(1993年)「PURE ACOUSTIC」(1996年)「MIGNONNE」(2008年)をタブレットNexus7で聴けるようにした。パソコンとUSBケーブルで繋ぎ、アップルのiTunesに保存しているファイルをNexus7のフォルダMisicに転送しただけで、作業は極めて簡単だ。試しにWindows Media Playerを使いMP3に変換したものも入れてみたが、無論これも問題なく再生できた。私はアメリカンルーツ音楽が好きで、ブルーグラスやデルタブルースなどをよく聴いているが、日本人のものは沖縄民謡くらいだ。ジャケット写真撮影で関わった豊田勇造や古川豪などのCDも持っているが、やはり大貫妙子は突出した例外と言えそうだ。彼女の歌ではラブソングが抜群に良い。男の恋唄は女性への想いということになるが、何故か聴くのが気恥ずかしいことが多い。逆に女性にとっての恋歌のターゲットは男であり、従って当然のことながら男への想いが綴られている。それを男が愛聴するのはちょっと倒錯しているよう思われるかもしれない。
しかし例えばこの『新しいシャツ』が描写しているのは、実は相手の男のことではなく、彼女自身、つまり女性の心理なのである。だから不思議なことに違和感がないのである。それに澄んだ彼女の歌声がなせる業も加わっているではないかと思ったりする。その大貫妙子、ター坊と一度お会いしたことがある。1987年秋から暮にかけて、細野晴臣の対談シリーズ『音楽少年漂流記』が週刊「朝日ジャーナル」誌で連載された。ゲストは当時活躍していた9人の女性ミュージッシャンたちで、新潮社から文庫本になって出版化された。写真を私が担当したが、第1回目がオノ・ヨーコで2回目のゲストが彼女だった。本に収録されていないけど、彼女がふと漏らした「ライブが終わって楽屋に戻り、一人でカップ麺をすすったりすることもあるの…」という言葉を今でも鮮やかに覚えている。あの時「そんな時はいつでもお付き合いします」と何故言わなかったのだろうか。そういえば彼女は1953年11月28日生まれ。そうか、来年は還暦を迎えることになるのか。時が流れた。新しいシャツに袖をとおしながら
PURE ACOUSTIC(1996年)
私を見つめてるあなたの心が
今はとてもよくわかる
さよならの時に穏やかでいられる
そんな私が嫌い
涙を見せない嘘吐きな芝居をして
0 件のコメント:
コメントを投稿