2012年11月1日

遺伝子組み換え作物は限りなく不自然だ

GMO... i'm hatin' it  (Image Credit: NixSeraph

試しにGMOをキーワードにネット検索したところ、IT企業や金融機関などのサイトがぞろそろ並ぶだけで、肝心の「遺伝子組み換え生物」(GeneticallyModifiedOrganism)がヒットしない。日本ではまだこの英略語が浸透していないのかもかもしれない。遺伝子組み換えといえば、アメリカのミズーリ州クレーブクールに本社を置く多国籍バイオ化学メーカーのモンサント社を想起する。ベトナム戦争で多くの奇形児を生んだ枯れ葉剤の製造で知られる化学薬品会社である。そしてラウンドアップ(除草剤)に耐性のある遺伝子組み換え大豆を発明したことで食品会社に転じたという歴史を持っている。従って当然のことながら、遺伝子組み換えによって作られた農産物が果たして安全か、という議論がある。そこから生まれたのがフランスの女性ジャーナリスト、マリー=モニク・ロバンが監督した映画『モンサントの不自然な食べもの』である。遺伝子組み換え作物から、過去に発売された枯葉剤、農薬、PCB、牛成長ホルモン。1世紀にわたるモンサント社のヴェールに包まれた歴史を、貴重な証言や機密文書によって検証したドキュメンタリーである。42カ国で公開され遺伝子組み換え作物政策に大きな影響を与えたが、日本では今年9月から全国公開が始まった。

遺伝子組み換え作物の安全性について、日本モンサントは「国際的な遺伝子組み換え食品の安全性評価基準に基いて国が安全性評価を行い、安全性が確認され、認可された遺伝子組み換え作物だけが流通しています」と説明している。これに対し安全性に対し危惧を抱いてる動きが活発である。モンサント社が認めてるように、農業バイオテクノロジーはヨーロッパで厳しい反対に直面、現在ラウンドアップレディー大豆の栽培は認められていない。また9月19日付でフランスのルモンド紙が「モンサントの遺伝子組み換え食品に毒性の疑い」という記事を掲載している。ところで上のイラストは明らかにマクドナルドを意識したデザインだが、同社日本法人はGMO作物使用を否定しているようだ。しかし世界の大豆生産の81%を占めるアメリカ、アルゼンチン、ブラジル三国の大豆はGMO作物だという。であれば、大豆かすが混ざっているマクドナルドのすべてのハンバーガーも遺伝子組み換えであることを意味する。加工食品の多くに使われているのて、遺伝子組み換え作物が大量に輸入されている。依存大国ニッポンの現状に関しては、ネット上での議論が盛んだが、マスメディアのほとんどが無視している。新聞やテレビにとって、大手食品会社は大スポンサーだからだと私は想像している。

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