2012年8月16日

精霊たちも冥府に帰ったようだ


親鸞聖人の廟 大谷粗廟(京都市東山区八坂鳥居前東入る) Fujifilm Finepix X100

香港製ZERO4x5ピンホールカメラで仏花を撮る
盂蘭盆というとお坊さんの稼ぎ時のようだが、ある意味で私にも言えることである。というのは、いつの間にか墓地の仏花をピンホールカメラで撮り歩くのが慣わしになってしまったからだ。8月14日は昼間、激しい雨となり、出かけるのを控えた。翌15日の敗戦記念日、東本願寺の大谷粗廟に出かけた。境内の一角に臨時の花壇に作られる花文字が目的だったが、文字があったものの、例年のような花の縁取りがない。仕方なく第二十三世法主の彰如上人が「口あいて落花ながむる子は佛」と詠んだ句碑を横目に、石段を昇って親鸞聖人の廟の前に出た。扉の両脇にはおびただしい数の仏花が供えられのを知っていたからだ。供花台があっという間に満杯になってしまうが、下げられた花は例の花壇で再荘厳されるが、最後は腐葉土となる。誰でも持ち帰ることができるので、ちょっと重かったが、ビニール袋に詰め込んだ。そして今日、16日。今度は法然院の墓地に出かけた。私の仏花シリーズ撮影にはちょっぴりノウハウがある。それは直射日光の下で撮らないことだ。いわゆる雨奇晴好、雨もよし、晴れもよし、というわけにはいかないのである。法然院を選んだのはそのためで、晴れ間が見えても樹木で遮られるからだ。撮影を終え帰路、百万遍でバスを降りた。大飯原発再稼働反対の大きな看板が見えたからだ。看板をカメラに収め帰宅、夕食後マンションの屋上に上がって五山の送り火を眺めた。どうやら精霊たちもこの世から冥府に帰ったようだ。

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