檀林皇后九相図絵(西福寺蔵) |
過去、三度ほどこの絵を拝観したが、実に不気味である。不気味ゆえにまた見たくなるという心理が働くようだ。興味ある方は拡大表示されるので右の図をクリックしてください。ちなみにこの辺りは清水焼の窯元が多かったことから、轆轤(ろくろ)町という地名がついているが、かつては髑髏(どくろ)町と呼ばれていたらしい。この西福寺から南に下がったところにあるのが六波羅蜜寺で、六道詣りのついでに寄ることにしている。空也上人が創建したと伝えられているが、「市聖」「阿弥陀聖」と称せられた上人は、常に民衆の中にあって念仏を唱え、路傍の無縁の遺骸を見つけると埋葬供養したという。源平両氏の興亡の舞台となったところでもあるので、大河ドラマ『清盛』の影響で今年は参詣客が多いようだ。境内に浄瑠璃「壇浦兜軍記」に登場する傾城阿古屋の宝塔がある。平家の落ち武者の所在を追及されるが、弾かされた琴に乱れがなかったので釈放される「琴責め」の段は、歌舞伎の名場面としても知られる。阿古屋の宝塔が隣の平清盛の五輪塔より大きいのが印象的である。松原通に戻ったら西福寺の向い側のお店で「幽霊子育て飴」を買い求めるのも六道詣りらしいかもしれない。
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