昨年の確か今頃だったと思う、ある方から「年賀状を出しません」という意味のハガキが着いた。意地悪く解釈すれば交換したくない人だけに出したのではと勘ぐれないわけではない。しかし真っ正直な性格を知ってる私は、余程困ってのことだろうと想像したものである。ある大きな団体の役員さんで、会ったこともない会員から年賀状がたくさん届き辟易としているのだろうか。私なら黙ったまま出さないかもしれない。そうすれば自然と減るのにと想像するからだ。いっそ、そうするなら同じ趣旨のことを年賀状に書けば良いのに、とも思った。しかし受け取る前に出す、やはり正直な人なのである。ところで今年は例年になく早くから印刷し、私製ハガキなので年賀切手も購入した。印刷だけでは味気ないので、宛名だけは万年筆で書くことにしている。今年もあと十日余りでお終い。そろそろ書かねばと思うのだが、正直言ってちょぴり億劫である。電子メールだけで済めば本当はいいのだが、という横着が脳裡をかすめる。しかし、元日。ポストから年賀状の束を取り出し、ああみんな元気だな、と一年一回の音信に安堵する。あの瞬間を思うと、やっぱり年賀状はやめられない。
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