2020年3月14日

去年の春 逢へりし君に 恋ひにてし 桜の花は 迎へけらしも

平野神社(京都市北区平野宮本町)

全国各地から桜の開花便りが届いている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、花見の際の飲食を伴う宴会等の利用を控えるよう、各地の行政が要請している。しかし密室空間ではない野外なので、宴会ではなく、散策しながら花見を楽しむのは問題ないだろう。暖冬だったので、今年はどこも開花が早いようだ。生憎の小雨模様だったが桜の名所、平野神社に出かけた。京都の一番バッター、一重の真っ白な枝垂れ、その名も魁(さきがけ)桜がご覧の通り満開に近くなっている。例年の開花が三月末だから二週間近く早いようだ。境内のソメイヨシノは流石にまだ蕾のままだが、晴天が続けば今月末には一気に開花しそうだ。表題は万葉集からの引用、若宮年魚麿(わかみやのあゆまろ)が伝誦した長歌で「去年の春にお会いしたあなたのことが恋しくて、桜の花が咲いて迎えているようですね」という意味だそうである。

京都観光NAVI  桜便り:京都市内外の桜の名所の情報(京都市観光MICE推進室京都観光NAVI)

2020年3月12日

世界保健機関(WHO)に失望と怒り


Tedros Adhanom Ghebreyesus
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は3月11日、ジュネーブで開いた記者会見で「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 はパンデミックである」と表明、感染者と死者は増えるとの見通しを示したという。何を今さらという感は拭えないが「コロナウイルスによるパンデミックはこれまで発生したことがなかった」と述べたようだ。テドロス氏はこれまで「たいしたことない、警報を出すほどではない」と楽観的発表を繰り返してきた。WHO は2月2~8日の日程で行理事会を開催したが、タイの代表が「旅行制限を確実に実行するなら、まずテドロス事務局長を隔離したうえ、今回の会議を中止にすべきと述べたという。ウィルス発覚当初から中国よりの発言してきたテドロス氏への批判は多い。伏線は前からあった。2017年8月21日付けの WHO のニュースリリースには「中国との新しいビジョンとパートナシップの強化」という見出しが躍っている。テドロス氏は北京を公式訪問したが「WHO の世界的活動を支援するために、2,000万米ドルの自発的な追加拠出について中国が署名した」という報告をしている。エチオピア政府で2005年から2012年にかけて保健大臣を務めたが、その保健省は中国から巨額投資を受けているようだ。ゆえに WHO は中国に忖度、COVID-19 対策に遅れが生じ、世界的な感染が拡大、今回のパンデミック宣言に至っている。学者として優れていても、政治的手腕に長けているとは限らない。いずれにせよ WHO が発信する情報は今やアテにならない。失望と怒りを禁じえない。

coronavirus  遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)習近平の武漢入りと WHO のパンデミック宣言

2020年3月11日

音楽 CD 不況の元凶はスティーブ・ジョブズか?


新型コロナウィルス(COVID-1) 感染が世界中に広まり、今やパンデミック状態の様相を呈している。こんな時こそ音楽を、というわけでライブハウスに出かける気持ちは理解できる。しかし大阪のライブハウスでのクラスター(感染者集団)が発覚した。おそらく他のライブハウスも営業自粛、あるいはオープンしても客が激減しているのではと心配している。さらに大がかりなコンサートも打撃を受けている。椎名林檎の「東京事変」が3月1日に東京公演を強行したところ批判を浴び、大阪公演を含む全国5公演の中止に追い込まれてしまった。音楽市場は CD が売れないため、ライブで成り立っている。その生産額は1990年代末にピークとなったが、以降減少の道を辿り続けている。特にアルバムの売り上げが、深刻な状態になっているという。その原因は音楽ファイルのオンライン販売、Youtube などの動画サイトの進展だとよく言われている。

講談社(2011年11月)
しかしバスや電車の中でイヤフォンを耳に挿し、スマートフォンで音楽を聴いている人が多い。私は CD をリッピングして MP3 ファイルに変換、タブレットにインストールして外出先で聴いているが、若い人たちはそんな面倒なことはしていないらしい。第一、スマートは持っているけど、パソコンは持っていない人が多いという。10年くらい前だったが、ある女子高校生のこんなエピソードを読んだ記憶がある。お気に入りのミュージシャンの曲を Youtube などで聴き、そのうちから曲を選んでダウンロード購入する。アルバムの中には好きになれない曲もあるからだという。上掲の写真はアイルランドのフィドル奏者マイケル・コールマン(1891–1945)の CD だが、歴史的記録ゆえにアルバム形式であることは自明である。また例えば「南北戦争時代の歌」といったアルバムは、アンソロジーゆえにファイルの切り売りはあり得ない。イーグルスのアルバム『ホテル・カリフォルニア』は、複数の楽曲を配置することによって、映画のの物語を構築している。そのアルバムをばらしてランダムに再生するようにしたのが、2001年にアップルが世に送り出した iPod だった。スティーブ・ジョブズ(1955–2011)はプレスレビューで「こんなに小さいのに1000曲も入るし、ポケットに入れて持ち歩くことができるんだ」と自慢した。ジョブズは音楽愛好家として知られ、彼の伝記を読んで私は『ブランデンブルク協奏曲』の CD を購入した。オーディオマニアでもあり、自宅に超高級装置を揃えていたという。MP3 形式の音質に満足したはずはないのだが、趣味とビジネスは違うということなのだろう。iPod はヒット、iTunes ストアは1曲99セントで販売を始めたが、2002年には米国の CD の正規販売は9パーセントに落ち込んでしまった。

YouTube  Steve Jobs is holding the original iPod at its unveiling in Cupertino, Calif., Oct. 23, 2001.

2020年3月8日

独裁に傾斜する安倍晋三首相に怒り

作者不詳

政府は今月5日、中韓両国などからの入国規制強化を表明した。野党や国民からの「対応が後手に回った」という批判をかわす狙いと思われるが、現場の混乱を招いている。安倍首相は中国、韓国からの航空機到着を成田空港と関西空港に限り、入国者を2週間隔離し、韓国、イランの一部地域を入国禁止対象に追加した。何をいまさらと思うが、人気取りのために某右派作家の助言を受け入れたという噂もある。大規模イベント自粛や全国の小中高校などの休校要請に続いたものだが、時事通信電子版によると、国民生活に直結する重大発表でも事務方の補足説明はない。それどころか担当省庁が詳細を把握していないケースすらあるという。小中高校などの休校要請に関して首相は「この臨時休業の要請については、直接専門家の意見を伺ったものではありません」と明らかにしている。卒業式が中止になったり、共働きやひとり親世帯が途方に暮れたりするような決断を「専門家に聞かずに決断した」というのだ。ではいったい誰から情を得て判断しているのだろうか。首相が頼りの、専門家ではない今井尚哉首相補佐官の台本だろう。入国規制強化も同じようなプロセスだったと思われる。日本は議会民主主義の国であるはずである。国会で何故かと問われても明確に答えていない。どうやら党内でも官邸の迷走と受け止められているようだ。まさにこれは独裁政治そのもので、激しい怒りを禁じえない。