ずいぶん前のことだが、スマートフォンを手放したついでにインスタグラムのアカウントも削除した。インスタグラムは即時性に意味があると思ったからだが、考え直して PC 版を導入、アカウント @fotokiddie を再取得した。直接のきっかけは、新型コロナウィルス感染症パンデミックで会うことがままならない、東京に住んでいる娘のインスタグラム写真を観るためだったが、遅ればせながら自分でも投稿してみようかという魂胆だ。
Cindy Sherman (2019) |
上掲の写真はアーティストのシンディ・シャーマン(1954年生まれ)のインスタグラムである。彼女の作品を観たのは1996年夏、滋賀県立近代美術館での回顧展だった。巨大なカラー写真に圧倒されたことを憶えている。70年代後半、良く知られた映画のワンシーンを自ら演じた「アンタイトルド・フィルム・スティル」でデビュー、現代美術を語る上では欠かせない作家となった。92年以降は性の問題を手掛けた「セックス・ピクチャー」シリーズを展開し、常に時代の最前線で活躍している。その彼女がインスタグラムのアカウントを公表、ネット上に作品を展示しているというニュースが入ったのは2017年ごろだったと記憶している。彼女はタペストリーとインスタグラムを融合させたが、昨年5月11日付けヴォーグ誌のインタビューで「タペストリーのアイデアから離れることができず、また、気に入ったインスタグラムの投稿をどう作品に落としこもうか迷っていました。インスタグラム用の写真は、すべてスマートフォンか iPad で撮影したものなので、大判の写真作品には向きません。しかし、タペストリーであればピクセルのように組み立てられるので、インスタグラムの写真を再現するのに最適だと気づいたんです」と語っている。英国のバンクシーは1,122万人という破天荒なフォロワーを誇っているが、シャーマンの36.4万人は、知名度の割に立派な数字だと思う。以下リンク先はインスタグラムを利用している100人のアーティストのリストである。
100 art-world Instagram accounts to follow right now — Artists © 2022 Christie's
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