これは1945年4月28日に米陸軍省のために政府印刷局が発行したパンフレットの表紙の挿絵で、日独伊三国同盟のドイツのルドルフ・ヒトラー、イタリアのベニート・ムッソリーニ、日本の東条英機が描かれている。イタリアとドイツが降伏したため、ヒトラーとムッソリーニの顔に×印がついている。消されていないオリジナルは1942年に制作され、他の印刷物にも掲載されていたようだ。作者のアーサー・シック(1894-1951)は陸軍省、特に戦時国債の販売に必要な美術品を惜しげもなく提供したことで知られている。山本五十六元帥(1884-1943)の肖像は、政治風刺戯画の傑作である。真珠湾奇襲攻撃のわずか2週間後の『タイム』誌1941年12月22日号の表紙を飾ったこの作品は、最大の軍事的失敗の余波の中で、優秀で危険な敵に対する恐怖と尊敬を自然に表現したものである。原画の所在は不明だが、カラースライドを所有している米連邦議会図書館は「日本の侵略者」というタイトルを付けている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3月16日に行われた米連邦議会のオンライン演説で「真珠湾攻撃を思い出してほしい 1941年12月7日、あのおぞましい朝のことを」「あなた方の国の空が攻撃してくる戦闘機で黒く染まった時のことを」と訴えた。
これに対し反発した日本人が多かったようだが、残念ながら「本質的には報道規制で国民が洗脳されてるロシアとそんなに変わらない」と思ってしまう。真珠湾奇襲による米側の主な損害は、戦艦5隻が沈没したほか、戦艦4隻、巡洋艦、駆逐艦各3隻が損傷、飛行場への攻撃で航空機188機が破壊された。人的被害も戦死行方不明者が2,300人を超えたが、ニューズウィーク誌によると民間人死者は68名、負傷35名となっている。この点がゼレンスキー大統領の「真珠湾発言」への強い反発となったようだ。山本五十六元帥は日本を遥かに上回るアメリカの工業生産力を熟知しており、戦争が長期化すれば到底勝ち目がないことを知ってい。そのため日米戦に反対していた。しかし開戦が避けられないならアメリカ海軍にできる早く大きな被害を与えて早期に講和に持ち込むという筋書きを山本は考えたのである。しかし宣戦布告のないままの奇襲にアメリカ側は「騙し討ち」だとして即座に日本に宣戦を布告、さらに欧州戦線にも参戦をすることを決めて第二次世界大戦は一気に拡大することになる。日本は自分たちが始めた戦争を一体どこで止めるのかという戦略がなく泥沼化して行ったのである。プーチン大統領は、旧日本軍の陸軍大将で第40代内閣総理大臣だった東條英機とオーバーラップする。
Arthur Szyk (1894–1951) | Biography, Soldier in Art, News & Events, Contact | Historicana
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