宇宙開発企業スペースXの創設者および CEO であり、電気自動車企業テスラの共同創設者、CEO およびテクノキング、テスラの子会社であるソーラーシティの会長などを務めるイーロン・マスク(50歳)が Twitter を440億ドル(約5兆7,000億円)で買収合意した。ニューヨーカー誌電子版によると、マスクは「ソーシャルメディア企業の株式を非公開にすることを計画しており Twitter が言論の自由の原則にもっと忠実であることを望むと述べている」という。マスク自身 Twitter を頻繁に利用しており、今後も同プラットフォームを利用し、ドナルド・トランプ前大統領のアカウントを復活させる可能性もあると推測されているそうだ。マスクはかねてから Twitter による投稿内容の制限を声高に批判し、真の言論の自由を可能にするプラットフォームにならなくてはならないと主張してきた。曰く「言論の自由は機能する民主主義の礎石で Twitter は人類の未来に不可欠な事柄が議論されるデジタルの町の広場だ」と表明している。買収合意成立が発表されると「言論の自由絶対主義者」を自称するマスクが手にする権限について、複数の人権団体が懸念を表明した。
投稿内容へのモデレーションがなくなれば、ヘイトスピーチやフェイクニュース、陰謀論などが増えるのではないかという恐れがあるからだ。国際人権団体アムネスティー・インターナショナルは「Toxic Twitter(有害なツイッター)」などとツイートを連投し「利用者を守るために設計された利用規約や仕組みの徹底を損なう方向へ Twitter が進むのではないかと懸念している」と主張している。Twitter の政治利用に関しては、アカウントを永久凍結された米国のトランプ前大統領をいやが上にも思い出す。ただアカウントが復活しても「私は Twitter には行かず Truth Social(2021年にトランプが起ち上げた新たな SNS のトゥルース・ソーシャル)に残る」と表明している。しかしニューズウィーク誌は「暴力煽動、フェイクニュース流布、脅迫、ありとあらゆる権利の濫用をやって追放された」トランプ前大統領や、深型コロナウイルスについて誤解を招く情報を繰り返し流布したとして Twitter のアカウントを永久凍結された、ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員のような人物が戻ってくるのではないかとの懸念が生じているとしている。
ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト『イーロン・マスク』に関する記事一覧
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