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Flora Chandler Weston, The Lane Collection, Photograph © Museum of Fine Arts, Boston |
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Edward Weston (1886–1958) |
アメリカの偉大なる写真家のひとりであり、写真界の真のオリジナルであるエドワード・ウェストン(1886-1958)は、その作品が広く世界に知られている写真家である。彼の最も有名な作品は、黒い背景に白い貝殻、マッシュルーム、キャベツの葉、歪んだパプリカなどの静物画である。またヌード作品でも高い評価を得ている。痩せていてしなやかな女性、剃り残しのある脚などが撮影されている。1800年代後半から2000年代にかけて活躍したウェストンは、アメリカの初期写真に革命をもたらした。しかしウェストンが最初の20年間に撮影した初期の作品は、ほとんど破壊されてしまっている。ウェストンはオリジナルの写真に満足できず、プリントの大半をネガもろとも焼却してしまった。これは彼が後になって深く後悔した過ちであった。しかしボストン美術館の協力により、失われた日記帳から画像が復元され、ウェストンの貴重な写真が公開されたのである。16歳になったウェストンは、父親から初めてのカメラをプレゼントされた。それは、当時11ドルに過ぎなかったコダックのブルズアイNo.2というシンプルなものだった。父の助言のもと、ウェストンが最初に撮影したのは風景だった。野原や砂漠、湖などのシンプルな風景を撮っていた。そして、写真が上達するにつれ、人間を撮るようになっていった。ウェストンの最初のミューズは、若き日の妻フローラ・チャンドラーだったようだ。
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Margrethe Mather (1886–1952) © Museum of Fine Arts, Boston |
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The Early Years (2018/6/19) |
しかし後年、彼の写真の相談相手であり、真の芸術的ミューズとなったマーグレーテ・マザー(1886–1952)との関係が始まる。彼女は、彼が「私の人生で最初の最も重要な人物」と呼んだように重要な人物だった。 彼の初期の作品の多くは、スタジオで隠されて撮影されたメイザーのポートレートである。この頃の彼の撮影スタイルは絵画的で、アルフォンス・ミュシャが描いたアール・ヌーヴォーの女性の裸体やしなやかさを彷彿とさせるものだった。柔らかく、かすんでいて、不定形である。ウェストンはその後、さらに別の愛人兼モデル、イタリアの女優ティナ・モドッティ(1896–1942)を得た。彼女の写真はメイザーの写真に取って代わり、彼女自身も有名な写真家となる。他の多くの写真集とは異なり『エドワード・ウェストン:初期の時代』は、ウェストンの初期の写真が彼自身の破壊を免れなかったために、写真家の人生についての素晴らしい記述になっている。この本は単なる写真エッセイではなく、歴史的な記述となっている。エドワード・ウェストンが現在のエドワード・ウェストンになる前の姿を、写真と言葉の両方で理解することができるのである。この本は、故人となった写真家の美しい思い出であり、後に有名になる前の彼の初期の考えやスタイルを垣間見ることができる。彼の写真は実にクラシカルで、若い頃から写真の美しさとそれを捉える方法を見事に理解してた。彼は柔らかな光と影、そして女性の体の優美さを表現していた。彼女たちは、彼の初期の人生の美しいタイムラインを作成している。
Karen E. Haas with Margaret Wessling "Edward Weston: The Early Years" MFA, Boston
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