2020年5月15日

このマシンはファシストを殺す

The fiddle owned by Woody Guthrie who wood burned all of the writing into it

Woody Guthrie 1941
これはウディ・ガスリー(1912–1967)が持ち歩いていたフィドルで、オクラホマ州タルサにある公立博物館「ウディ・ガスリー・センター」に展示されている。自身の名前と日付けを中心に、ウッドバーニングがびっしりと施されている。画像をクリックすると拡大表示されるので、細部を見て欲しい。左上に This Machine Killed 10 Fascists(このマシンは10人のファシストを殺した)と焼かれていることが分かると思う。1939年の第二次大戦勃発時、ニューヨークのフォークシンガーたちは反戦の立場をとっていた。1941年にピート・シーガー(1919–2014)らとオルマナック・シンガーズを結成、プロテストソングという社会変革の音楽を世に送り出した。ウディは反ファシスト運動に参加、ギターに This Machine Kills Facists(このマシンはファシストを殺す)と書きなぐった。特筆すべきは、彼が軍隊に入隊したことである。つまり「参戦反対」から「参戦支持」への転向したわけで、ファシストとはアドルフ・ヒットラー(1889–1945)であったことは言うまでもない。ギターに書かれた「ファシストを殺す」は、ヒットラーを倒すためには銃をも取ろうというメッセージであった。のちにステッカーに切り替えたが、多くのミュージシャンに影響を与えた。振り出しに戻ろう。フィドルには「ファシストを殺した」と過去形で焼き刻まれている。盟友ピート・シーガーへの手紙の中で「ファシズムと自由の闘いの決着がつくまで、世界は2,500万年間待っていた」と書いているという。下記リンク先の音楽共有サイト SoundCloud でウディのフィドルを聴くことができる。

SoundCloud  Listen to "Nine Hundred Miles" by Woody Guthrie (fiddle) and Cisco Houston (guitar)

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