2019年5月31日

新聞はなぜ縦書きのままなのか

朝日新聞大阪本社発行5月31日付け夕刊

ワシントンポスト紙のレイアウト(クリックで拡大)
これは松山市の道後温泉にある「ローソン道後ハイカラ店」の看板のLの字が、夕方になっても消えたままという記事である。ツバメがLの字の下に巣を作ったので、この字だけを点灯させないようにしたという、心温まる記事だ。見出しの「Lの愛」も秀逸だが、横書きであることが興味深い。ときどき同紙はこのようなレイアウトをするが、なぜ全面的に横書きにしないかという疑問が沸く。日本語は縦書き、横書き、どちらでも書くことのできる便利な言語だが、新聞は縦書きを踏襲したままである。日本語の記述は漢文に倣ったもので、縦書きを前提にしているからだろう。寺院の扁額や紙幣は、あるいは横断幕はいわばフォーマットが扁平であり、必然的に横書きになっている。これはいわば例外で、書籍などはやはり縦書きが主流である。新聞の場合英数字が読みやすい横書きのほうが良いと思っているが、異端の意見として反発を受けそうだ。しかし昨今、コンピュータの普及により、多くの人が横書きに慣れ親しんでいると思う。公共機関、その他に提出する文書も横書きになっている。従って横書きの新聞に違和感を覚えないと想像するが、如何だろうか。ネット記事のアルファベットが全角なのは、本来縦書き用だからである。数字データも半角横書きのほうがベターだ。それに英字紙を見ればわかるが、何よりも、横書きのほうがレイアウトの自由度が高く美しいからだ。

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