2019年5月13日

企業は何故ロゴを変更するのか

復活したコダックの「K」マークロゴ(2016年)

「K」マークを外したロゴ(2006年)
最近、写真関連企業のリンク用ボタンを作成して、当ブログのサイドバーに貼り付けた。各企業のロゴを援用したのだが、作業中、コダックのそれが変更になっていることに気づいた。同社は1880年4月創業、1880年に商標登録をした。当初は文字主体のシンプルなロゴだったが、1971年にカメラのシャッターをモチーフとする赤と黄色の「K」マークを採用した。フィルムメーカーを表現するために「K」の字の2本の線を光線のように描いたという。米国版 WIRED によると、デザインしたのはグラフィック・アーティストの C・ペーター・オストリッヒだった。ところが2006年、簡素な赤文字のロゴと差し替えた。このロゴを今まで使っていると勘違いしたのは、コダックのサイトを訪れることがなくなったからだった。調べてみたら、2016年10月下旬に「K」マークを復活させたのである。ボールド体のフォント大文字にし、縦に配置したものだった。せっかく浸透したデザインを何故わざわざ変更するのか。3年前の変更なので今や旧聞となってしまったが、やはり興味深い。同社は2012年に破産申請、再起を祈願して古いロゴを復活させたようだ。コダックのブランドディレクターであるダニー・アトキンスは、この古くて新しいロゴは「現代のノスタルジア」と説明しているという。ところで日本のキヤノンも変更を繰り返している。
これはキヤノンのロゴ変遷史インフォグラフィックである。1933年に高級小型写真機の研究を目的とする精機光学研究所を開設、翌年、国産初の35mmフォーカルプレーンシャッターカメラ「KWANON(観音)」試作した。 観音菩薩の慈悲にあやかりたいという気持ちからのネーミングだったという。そして1935年に商標 CANON を出願している。私はカノン砲を連想したことがあるが、キリスト教の聖書正典、すなわちカノンを意味するようだ。創業時のロゴには、千手観音が描かれ、火焔をイメージした KWANON の文字がデザインされている。1935年のロゴは細い文字だが、時代を経るごとに次第に太くなり、現在に至っている。ロゴの変更は写真業界ばかりではない。かのグーグルも2015年9月に変更している。GIZMODO によると、ウロコがあるセリフ体はモバイルの小さな画面では潰れて読みにくくなることが問題だった。そこで小さな飾りがないサンセリフ体のフォントにして回避させたようだ。コダックの新しいロゴもサンセリフ体である。

google Why Google changed its logo: the thinking behind the design (catchnews)

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