2019年3月15日

音楽に罪はない


坂本龍一が3月15日未明にツイッターで、テクノユニット「電気グルーヴ」の楽曲配信などがメンバーのピエール瀧容疑者逮捕後に「自粛」されたことに強く疑問を示した。瀧容疑者はコカインを使用したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたと12日深夜に報道された。


賛否両論が飛び交っているようだが、この意見に私は賛成である。ソーシャルメディア Facebook で、この件に関しコメントの形で「テレビドラマの撮り直しもオカシイ。何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」と自論を公開した。いささか飛躍に過ぎるかもしれないが、アメリカのフォークブルーズのレジェンド、レッドベリー(Leadbelly または Lead Belly 1888-1949)を思い出した。
レッドベリーは殺人未遂罪で刑務所に戻って来て、この時はルイジアナに収監された。ここで、3年後、彼は伝承音楽学者のジョンとアランのロマックス親子に「発見」された。彼らはレッドベリーの才能、情熱、演奏者としての特異性に魅了され、彼の曲を議会図書館用にポータブルレコーダーで数百曲録音した。その翌年、ロマックス親子がルイジアナ州知事のO・K・アレンに早期釈放を陳情し、レッドベリーはもう一度放免された。(ウィキペディア
時代も国も違う。しかし収監中のミュージシャンの歌を、ロマックス親子は米国議会図書館のためになぜ録音したか。ウィキペディアにもあるように、レッドベリーの才能を、いわば国家機関が認め、記録したのである。罪人であるが、その音楽に罪はない、ということなのだ。

YouTube  Lead Belly "Goodnight Irene" by John A. Lomax & Alan Lomax on March/April 1935

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