2019年3月18日

ゾーンプレートの作り方

ゾーンプレートは下図のような弓道の的に似たパターンを、黒白フィルムで縮小コピーして作ります。横から断面を見ると格子状になっています。この格子の透明部分を通った光が回折して像を結びます。ピンホールは光の直進性、レンズは光の屈折を利用しますが、この点がゾーンプレートとの違いです。ピンホールカメラとの共通点は、レンズレスということです。
まず最初に大きさが100倍の焦点距離50ミリあるいは80ミリ用のパターンを下記からダウンロードします。


ファイルをダウンロードしたら、なるべく高品質のA4ペーパーを使ってプリントします。焦点距離50ミリ用は直径145ミリ、80ミリ用は183ミリになるはずですが、異なる場合はプリンタ設定を微調節してください。これをポスターサイズの白いボードに貼り、複写用フィルム1/100に縮小複写し、微粒子硬調現像剤コで現像します。パターンを複写する場合、レンズの繰り出しが加わりますので、焦点距離と撮影距離の関係は以下の表のようになります。
レンズの焦点距離と撮影距離
Focal Length35mm40mm45mm50mm55mm60mm65mm70mm75mm80mm
Distance (m)3.5354.0404.5455.5556.0606.5657.0707.5758.0808.585


パターンの中心とカメラのレンズが同じ高さになるように三脚をセットして、画像が歪まないように複写します。単焦点レンズのほうがベターで、ワイドレンズは避けたほうが良いでしょう。現像すると黒白が反転、ネガがそのままゾーンプレートになります。プレートをピンホール同様にカメラに装着すれば出来あがりです。写真はニコンのデジタル一眼レフ普及機D40のボディキャップに付けたものです。


マガモ(京都市北区小山下内河原町)Nikon D40 + Zoneplate ISO800 1/20sec

これはサンプル写真ですが、ゾーンプレートはピンホールと比べると口径が大きく、比較的早いシャッターを切ることができるので、このような動く被写体を撮ることが可能です。回折現象が作りだす画像は、トーンが柔らかく、独特の美しさがあります。

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