2018年11月2日

遊びで殺されるアフリカの野生動物

Game trophies exhibited by Kerry Krottinger and his wife Libby ©Robert Clark/National Geographic

自らが射殺した動物たちに囲まれて写真に収まっているのは、テキサス州ダラスの石油業者、ケリー・クロッティンガー氏と妻のリビー。ナショナルジオグラフィック誌のロバート・クラーク氏が撮影、2017年11月のブログにも掲載されているので引用した。狩猟の目的は次のように大別できるが、クロッティンガー氏の狩猟は趣味に過ぎなく、多くの人々の怒りを買っている。
仕留めたライオンと笑顔で記念写真に納まる一家(南アフリカ)
  1. 食糧の獲得
  2. 毛皮などの生活物資の獲得
  3. 危害を及ぼす野生動物の棲息数管理
  4. 趣味の殺戮
趣味の狩猟を英語で "Trophy hunting"(トロフィー狩猟)と呼ぶ。スポーツ狩猟という欺瞞に満ちた言い方もあるが、要するに遊びである。野生動物を射殺することがリクレーションで、動物の頭や、角、牙、皮などがトロフィーになり、これを自宅に展示して自慢する。生け捕りした野生動物を放ち、狙撃させる牧場が北米にある。いわば釣り堀のようなものだが、簡易狩猟で、ビジネスとしてそれなりに成り立っているようだ。このトロフィー狩猟牧場を紹介した報道にまだ私は接したことがない。北米では広い地域にピューマ(クーガー)が棲息しているが、これを駆除して鹿の数を増やしたいという動きがある。コロラド州、ユタ州、ワシントン州をはじめとするいくつかの州では、このピューマ狩猟が増えつつあるようだ。無論、これに対する反対運動が起きている。トロフィー狩猟の最たるものが、絶滅の危機にあるアフリカの野生動物の殺害である。1980年代初頭、私は山崎豊子の著書『沈まぬ太陽』(新潮社1999年)の主人公恩地元のモデルとなった、小倉寛太郎(1930-2002)氏が率いていた「サバンナクラブ」の人たちとケニアを訪れた。同クラブが動物保護区の監視用自動車を贈呈したのだが、現地の人たちと話し合う機会があった。ケニアにとって野生動物は観光資源であり、密漁から守る意味に対する認識を新たにした。他のアフリカ諸国にとっても今でも同じことが言えると思う。ところが南アフリカやナミビア、タンザニアなど、アフリカの多くの国で合法的に狩猟が行われている。高価な狩猟許可料が貴重な収入源と言われている現実があり、毎年推定600頭ものライオンが「合法的」に殺されているのである。いわばこの需要と供給という悪しき繋がりを断ち切る必要がある。

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