2018年11月23日

2015年「日韓合意」は真の意味での合意だったのだろうか

共同会見に臨んだ岸田文雄元外務大臣と尹炳世元外交部長官(2015年12月28日)

済州島で10月11日、国際観艦式が開催されたが、韓国は各国に「自国と韓国の国旗のみ」を掲揚するよう求めていた。これに対し日本は反発、軋轢が生じたまま折り合いがつかず、艦艇派遣を見送ってしまった。しかしこれは日本の反応を読み越した上の参加拒否だったと言える。そして同月30日、韓国の最高裁にあたる大法院は、徴用工訴訟差し戻し審で新日本製鉄(現新日鉄住金)に対し、韓国人4人へ1人あたり1億ウォン(約1000万円)の損害賠償を命じた。さらに今月21日、日本政府が出資した10億円をもとに、元慰安婦への支援事業を行ってきた「和解・癒やし財団」の解散を発表した。矢継ぎ早の攻勢に、日本政府は強く反発、日韓関係は泥沼状態になっている。2015年末の日韓外相会談で結ばれた「慰安婦問題日韓合意」だが、両国間で公式な文書を交わすことは行われず、共同記者会見を開いて発表するという形式で行った。少女像について韓国の尹炳世元外相は、会見で「韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と発表したのみで、撤去を約束したわけではない。極めて曖昧で、真の意味での合意と言えるだろうか。問題をこじらせているのは「日韓合意」という呪文ではないだろうか。

WWW 外務省:日韓両外相共同記者発表(日本語・英語・韓国語)2015年12月28日

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