2012年7月31日

鳥辺山から清水寺への無常の道を歩く

西本願寺大谷墓地(京都市東山区五条坂東鳥辺山)Fujifilm Finepix X100

京都市バス「五条坂」を降り、西本願寺大谷本廟沿いの小道を登る。廟の築地塀が切れた道沿いに「肉弾三勇士」の墓があった。第一次上海事変のとき、蔡廷鍇率いる十九路軍陣地に爆弾を抱えて突入して戦死した3人の兵士だが「爆弾三勇士」とも呼ばれている。昭和になって最初の「軍神」となった、いわば日本の軍国主義の象徴ともいえる存在である。靖国神社でレリーフ像を見たことがあるが、こんなところに墓があるとは知らなかった。さらに急こう配の道を登ると視界が大きく開けた。この道は稜線なんだろうか、何しろ夥しい数の墓石の間を通っているので、山という概念を捉えにくい。しかし、おそらくこのあたりが山頂なのだろう。途中、いずれも鳥辺山の名を冠した通妙寺、そして妙見堂に立ち寄ってみた。帝釈天を祀った祠があったり、絵馬堂があったりする、神仏習合の寺院である。現在の清水山から福寺に至る山麓一帯をかつては鳥辺野と呼び、葬送の地、無常の地であった。

小野篁が蓮台野、鳥辺野、華頂、西院、化野の五箇所に葬場を制定したが、鳥辺野は現在に引き継がれ広大な墓地となっている。墓地を抜け、石段を登りきると、いきなり清水寺の境内に出た。静粛な死の世界から喧噪の現世に呼び戻された気分である。灼熱の太陽にふらつきながら仁王門をくぐり、随求堂の前に出る。石の道標があり、右は舞台のある本堂、左は成就院と矢印が指し示している。観光客の流れは当然のように右に折れて行くが、私は左に逸れる。すると右手の斜面に突然石像の群れが現れた。地蔵菩薩、観音菩薩、阿弥陀如来、大日如来、釈迦如来などとさまざまである。かつて京都の各町内にお祀りされていた石仏。明治の廃仏毀釈の際に、捨てるに忍びないと、地蔵信仰の篤い京都市民から寺に運び込まれたものだという。再び静粛が戻った。斜面上の木々の間から細く美しい光線が漏れていた。

2012年7月30日

今朝の朝日新聞はスポーツ紙ではなかった

朝日新聞(大阪本社発行分)7月30日朝刊1面(クリックすると拡大表示されます)

昨日日曜の朝日新聞はまるでスポーツ紙のごとしだったが、今朝はちゃんと元に戻った。昨夜の国会を取り囲む反原発行動を1面トップで扱っていた。山口県の知事選も含め、2、3面にも原発関連記事が掲載された。報道姿勢としては当然だと思う。ところでNHKはどうだろう、メインのチャンネルはまさにスポーツ局、2チャンネル(Eテレ)でカバーしてるつもりだろうけど、酷い番組編成だ。そもそもNHKは高い放映料を払って米国大リーグの中継するなど、無駄が多すぎる。オリンピック中継は衛星放送に回し、地デジではスポーツニュース番組で結果を報ずれば良いのではないか。

2012年7月27日

レコードジャケットがアートだったころ


Robert Johnson first records in a markeshift studio in a San Antonio hotel room - Nov. 1936

King of the Delta Blues Singers Vol.II: Colombia 300034
このパノラマ風の細長いイラストはレコードジャケットの裏表を合成してトリミングしたものである。Facebookに作成したページ「アメリカンルーツ音楽」用に作ったもので、掲載したところ少なからぬ反応があった。オリジナルは左のアナログLPレコード「King of the Delta Blues Singers Vol.II」である。表のイラストには小柄の男がホテルの部屋の片隅で、マイクに向かってギターを手に歌っている。ロバート・ジョンソンである。マイクのケーブルが床を這い、ドアの下を這い出ている。裏面を見る、このケーブルは録音機に繋がっていることが分かる仕組みだ。技師は白人である。商業レコード黎明期の様子が彷彿として蘇ってくる見事なイラストである。数多くのジャケットを見てきたが、これは傑作のひとつである。LPジャケットは約32x32センチあり見応えがある。その見応えゆえに、このジャケットがアートになっているのである。レコードがCDになった利点はあるが、ジャケットの見栄えに関しては不満が残る。LP時代はジャケットのデザインだけで判断して買ったことが何度もあるが、最近はそのようなことはしない。ましてやジャケットどころかライナーノーツもない、音源だけの曲をダウンロードして購入したことは一度もない。高域周波数カットによって「倍音」がなくなり、艶のない音になってしまったが、視覚的アートも失われてしまったのである。

2012年7月26日

京都で「緑の党」結成プレイベント


日本でも「緑の党」が結成されますが、8月3日(金)に京都でそのプレイベントが開催されます。詳細および問合せに関しては文末掲載の主催者のウェブサイトをご覧ください。

原子力から命を守る-日本とドイツ・女性の役割
日時:8月3日(金) 14:00~16:00(13:30開場)
場所:京都府国際センター(京都市下京区烏丸通塩小路下る京都駅ビル9階)
会費:600円(中学生以下無料)  
定員:60名(お申込の方優先)

原発のない未来をみんなでつくろう!
日時:8月3日(金)19:00~(18:30開場)
場所:キャンパスプラザ京都 5F 第1講義室(京都市下京区西洞院通塩小路下る)
会費:1000円(中学生以下無料)

主催:「緑」の京都・準備会 070-5650-3468(内富)
Email: midori.no.kyoto@gmail.com  Web: http://greens-kyoto.jimdo.com/

2012年7月24日

超ロングセラーのローランド調律チューナー


今月はじめ京都のライブハウス「拾得」で開催された「七夕コンサート」に飛び入り出演したが、楽屋でローランド社の楽器調律チューナー「BOSS TU-12」を取りだしたら、ちょっと珍しがられたようだ。本来ギター用だけど、無論フィドルにも使える。世界初のオートマチック・チューナーとして1983年に発売、2009年に発売中止になったというから、実に26年のロングセラーを続けたことになる。電子機器としてはギネス記録に値する長寿命製品と言えるだろう。ちょっと記憶は曖昧だが、発売当時買った筈だから、30年弱使ってきたことになる。実に古い代物だが、ちゃんと動く。強いて難点を言えば、角形の9V乾電池を使用することだ。電気店に行けば売っているが、コンビニなどには置いてないことがある。

デジタルカメラ用の多種多様の電池よりマシだが、やはり所持する電池は種類が少ないに越したことはない。先月購入したセコニックの単体露出計も単三電池で動くことが決め手となった。というわけで単四電池2本で動くコルグ社の「KORG CA-1」を最近購入してみた。一瞬クリップ式チューナーも視野に入れたが、やはり電池の問題があるし、第一ギターならいいけどフィドルには恥ずかしい。そもそも音叉で第2絃を合わせ、隣接する絃を5度の和音調絃をすべき楽器だからだ。なおTU-12は私のフィドルケースに入らないが、CA-1はコンパクトなので収まるのが好ましい。蛇足ながら現在TU-12を2台所有しているが、1台を残し、もう1台は誰か欲しい人に譲ろうと思っている。

2012年7月22日

香港のピンホール写真展に出品します



香港の賽馬會鯉魚門創意館で、今月28日から来月11日まで開催されるピンホール写真展に出品します。一般公募作品展と併設の「國際著名針孔攝影師展」に招待されたためで、決して著名写真家ではありませんが、シリーズ「仏花」の一枚を送りました。会場は香港賽馬會(香港ジョッキークラブ)が運営する文化施設で、さまざまな芸術活動を支援しているとのことです。なお作品はメールでデータ送信、現地でプリントアウトするというシステムです。シビアな色合わせはできないと想像されますが、インターネット時代に相応しい国際写真展といえるでしょう。

2012年7月21日

流失したキヤノン未発表ミラーレスカメラの写真


キヤノンが発売すると噂されているミラーレスカメラの写真が流失、掲載されたサイト「デジカメinfo」にアクセスが集中、金曜の深夜からサーバーがダウンする騒ぎとなったようだ。現在は復旧しているが、肝心の写真は消えたままの状態になっている。上掲の写真は「CANON WATCH」からダウンロードしたものだが、最新エントリーでは交換レンズの写真も掲載されている。ミラーレス機のAFは応答速度が遅く、ニコンやキヤノンのフラッグシップ機は未だに光学式一眼レフである。しかしミラーがない故の利点がたくさんある。光学系の構造が簡単であることが最大の利点だろう。フランジバックが短いので、無理のないレンズ設計ができるし、動画機能も付加しやすい。キヤノンのミラーレス機センサーはAPS-Cサイズで、どうやら一般向けのようだ。高級機を含め、将来的にはこのタイプがデジタルカメラの主流になると私は想像している。

7.29脱原発国会大包囲の呼びかけ


日       時:2012年7月29日(日)
集合場所:日比谷公園中幸門(日比谷公会堂裏)
集会開始:15:30 デモ出発:16:30 国会包囲:19:00(集会 /キャンドル・チェーン)
主       催:首都圏反原発連合
協       力:さようなら原発1000万人アクション / 原発をなくす全国連絡会 / ザ・アトミックカフェ/ 脱原発世界会議 / WISE Amsterdam
詳      細:http://coalitionagainstnukes.jp/

2012年7月19日

7.20緊急!大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議


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日時:7/20(金)18:00〜20:00 予定
場所:首相官邸前および永田町・霞が関一帯 (霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください)
         ※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます
呼びかけ:首都圏反原発連合有志
詳細:http://coalitionagainstnukes.jp/?p=747

ファミリーブロックの場所など、こちらの地図でご確認ください。

2012年7月18日

反原発デモに情報革命を実感する

さよなら原発10万人集会 東京代々木公園(2012年7月16日) 撮影:野田雅也(JVJA)

一昨日の16日、東京代々木公園で開催された「さよなら原発10万人集会」には何と17万人(主催者発表)が参加したという。また毎週金曜の恒例行事となった「官邸前行動」も回を重ねるごとに増え、7月13日は15万人(主催者発表)に達したという。この動きに連動し民主党参議院議員が離党、今日の読売新聞電子版「離党理由は"再稼働反対"…民主執行部に危機感」によると、あわてた同党執行部は「原発再稼働問題を深刻に受け止めて党運営にあたる考えを示した」という。政治家もそうだが、当の電力会社も世論の動向を大きく見誤っているようだ。すでに報じられてるように、ここまで反原発運動が大きなうねりとなったのは、フェイスブックやツイッターなどのネット情報によるものだからだ。既存組織の呼びかけなら調べれば把握できるだろう参加者情報を、政府も電力会社も掴みきれないのだろう。

というか、抗議行動ががこれほど続き、膨れ上がるとは思ってもいなかったに違いない。もうひとつ特筆すべきは、新聞やテレビ放送などの既存メディアに厳しい目が注がれるようになったことである。例えば、新聞。個人で各紙併読している人は少ないだろうし、職場などで各紙を読める人以外は、一紙のみの情報に頼っていた。ところがネットの電子版は、少なくとも各紙のヘッドラインを横断的に読める。だから例えば同じ記者会見でも、その内容をどの新聞社がどのように伝えようとしているか、比べることができるようになったのである。また新聞紙面をコピーして、そのまま画像として配布されることも多い。著作権法に抵触する可能性があるのがちょっと心配だが、私はこれによって東京新聞および日本共産党の機関紙、しんぶん赤旗の紙面扱いを知った。ご存知、ネット情報はものすごい速度で拡散する。この拡散力が、多くの人々をして抗議活動に力を貸しているは紛れもない事実である。反原発デモに情報革命を実感する今日この頃である。

2012年7月16日

ウディ・ガスリーは「我が祖国」ではなく「私の土地」と歌った


7月14日はアメリカのフォーク歌手ウディ・ガスリーの生誕100年目の日だった。これを記念してスミソニアン・フォークウェイズから、豪華本つき3枚組のCDボックスセットが発売されたが、日本版は8月12日にリリースされるようだ。アメリカでは音楽関係以外にもさまざまなサイトで生誕100年に関する記事が掲載されたが、私も何か書こうと思っているうちに誕生日を逃してしまった。遅ればせながら、昨日Facebookページ「アメリカンルーツ音楽」に The Whimsical Letters Of Woody Guthrie と題したアルバムを作り、写真5葉をポストした。ソースはフォークミュージックの権威ステファン・ウィニック氏ブログ記事で、国会図書館が所蔵するガスリーの「奇妙な手紙」を紹介したものである。さて上掲の画像だが、1945年に出版された小冊子に掲載されている「This Land Is Your Land(この土地はあなたの土地)」の楽譜と歌詞で、もっとも古いテキストだという。この歌は余談ながら「我が祖国」と訳す人がいるが、ちょっとニュアンスが違うと私は思う。
This land is your land, this land is my land
From California to the New York Island
From the Redwood Forest to the Gulf Stream waters
This land was made for you and me
This land is your land, this land is my land
From the redwood forest to the New York island
From the Canadian mountain to the Gulf Stream waters
This land was made for you and me
ガスリーが残した録音は上の歌詞で、ウィキペディア英語版にも1944年に書かれたオリジナル歌詞と紹介されている。ところが上掲画像では下の歌詞になっている。つまり「カリフォルニアからニューヨーク島まで」ではなく「カナダの山からメキシコ湾岸水域まで」となっているのである。ウィニック氏も指摘しているように、カナダを入れることによってアメリカのための国家主義の賛歌でないことを主張している。つまり私は"Land"を「国」ではなく「土地」と訳したが、それが証明されたようでなんとなく嬉しい。些細なことのようだが、重要なことではないだろうか。

2012年7月15日

さようなら原発10万人集会の案内

日時:7月16日(月・休)12:15~
会場:東京・代々木公園B地区全体(サッカー場、イベント広場、ケヤキ並木周辺)
内容:2つのステージを設置し、2台の案内カーを配置して集会を行い、3コースに分かれてパレードを行います。

詳細:http://sayonara-nukes.org/2012/06/0716sayonara_nukes/

2011年JPS展関西展と表彰式および講演会のお知らせ

JPS展関西展
会 場:京都市美術館別館
会 期:2012年7月31日(火)~8月5日(日)
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)

表彰式
日 時:8月3日(金)13:00~14:30
会 場:京都市国際交流会館イベントホール

講演会
テーマ:「レンズが教えてくれたこと」
講演者:大石 芳野(写真家・日本写真家協会会員)
日 時:8月3日(金)15:00~16:30
会 場:京都市国際交流会館イベントホール

大石芳野
写真家。日本大学客員教授。学生時代に訪れたベトナムで強い衝撃を受け、卒業と同時にフリーランスのドキュメンタリー写真家としてアジア、アフリカ、ヨーロッパなどに単身で取材を行う。戦争や内乱と言った極限状況を経験した人々のその後の姿を、最高の愛情と敬意を持って記録し続けている。日本ジャーナリスト会議(奨励賞)、芸術選奨(文部大臣新人賞)、2011年に写真集「ベトナム凛と」で土門拳賞、長年の活動に2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章など。写真集に「沖縄に活きる」、「HIROSHIMA半世紀の肖像」、「カンボジア苦界転生」、「子ども戦世のなかで」、「それでも笑みを」他。

同時開催
JPS写真学習プログラム「関西小学生のワクワク・ドキドキ写真展」

2012年7月14日

レコードジャケットがFSAプロジェクトの写真を教えてくれた


Fiddlin' Bill Hensley, Asheville, North Carolina
アナログLPプレーヤーが絶不調と書いたが、あやうく廃棄するところだった。うまく動かなかったのはオートプレーで、迂闊なことに手動で針を盤に落とすことを怠っていた。どうやら自動化に飼い慣らされたせいか、基本のことを忘れていた。もともとレコードプレーヤーは手でアームを操作するものだ。やってみたらちゃんと動いた。純正はとっくに製造中止のレコード針も、互換品を通販で新たに入手、再びアナログ環境が戻った。ところでFacebookにページ「アメリカンルーツ音楽」を作っているのだが、昨日連続してNLCR(ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズ)のことをポストした。1960年代から今日まで、ずっと聴き続けてきた、というより尊敬し続けてきたグループである。リーダー格のマイク・シーガーは、ピート・シーガーの義弟、父親が米国国会図書館の研究員だったため幼いころから古い商業レコードに囲まれて育った。彼が結成したNLCRは、その古い商業レコードの演奏を再現することだった。私が感服したのは演奏ばかりではなく、ジャケットにしばしば使われたFSA(農業安定局)プロジェクトが世界恐慌勃発後の農村を記録した写真である。上掲アルバムの写真は画家ベン・シャーンが撮影したもので、この他にノースカロライナ州アッシュビルで撮影したフィドル弾きビル・ヘンズリーの写真が有名である。実は私がFSAプロジェクトの写真を知ったはNLCRのレコードからであり、いわばドキュメンタリー写真史の一端を教えてくれた恩師なのである。なおメンバーのひとり、ジョン・コーエンは写真家でもあり、ボブ・ディランなど、1960年代のニューヨークのフォークシーンの貴重な写真を残している。ロバート・フランクとも親交があり、上掲アルバムのライナーノーツに彼が撮ったNLCRの写真が掲載されている。また "Modern Times" (Folkways FTS 31027)のジャケットのカバーには、そのフランクにしては珍しいカラー写真が使われてるのも興味深い。

2012年7月13日

原発だけではない電力会社のもう一つの怠慢

空を遮る電柱電線  京都市北区衣笠大祓町  Fujifilm Finepix X100

無電柱化の現状(国交省道路局)
これまで何度か「京都は国際電線都市」をキーワードに電柱電線問題を取り上げてきた。テレビの世界遺産特集などを見ると、海外の古都の美しさにため息が出る。その要因のひとつが無電柱化であることに気づく。京都も世界に誇れる古都だが、三山の麓の社寺、京都御所周辺、そして一部の観光スポットなどは早くから電柱の地中化が行われたが、商業地域、一般住宅地のそれは遅々として進んでいない。祇園花見小路からやっと電柱が消えたのは、わずか数年前のことだった。国交省道路局のサイトには無電柱化のメリットとして(1)安全で快適な通行空間を確保します(2)都市景観を向上します(3)情報通信ネットワークの信頼性を向上します、の3点を挙げている。無論、異議はない。特に(2)が重要で、いかに電柱電線が都市の美観を損なっているのか、腹正しい思いで毎日空を見上げている。日本で初めて電線地中化が行われたのは、兵庫県芦屋市の高級住宅街で1928(昭和3)年だったという。本格的な法整備としては1995年度に「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」(平成7年3月23日法律第39号)が制定され、電線共同溝の建設及び管理に関する事項等が定められたという。あきれるばかりの遅延措置である。電力の黎明期のことを調べる必要があるが、どうして当初から地中化を考えなかったのだろうか。水道やガス管が地中に埋められたのに、できない筈はなかっただろう。電柱電線が汚いことは承知らしく、京都の場合は上記の社寺や御所以外に、烏丸通が綺麗である。これは「国賓が通る道だから」と一部に揶揄する人がいるようだ。福島第一原子力発電所の事故以来、電力会社への批判の眼が集まってるのはご承知のとおりである。そして気になるのが彼らの電柱に関する認識である。先人たちのミスをそのまま容認、庶民から高い電力代を巻き上げ、抜本的な対策をとらずにのうのうと過ごしているのではないか。原発の対応を含め、電力会社の体質を強く批判したい。

2012年7月10日

疾風70年代の音楽交遊が走馬灯のようにぐるぐる回り出だした

七夕コンサート  (写真左から)豊田勇造・中山ラビ・古川豪・私・三浦久(後ろ)ひがしのひとし  撮影:佐々木米市

古川豪「フルッチンのうた」
一昨日の7月8日、京都市上京区のライブハウス「拾得」へ出かけた。今月初めに当ブログで紹介した「七夕コンサート」を聴きにゆくためだった。今年で40回、同じメンバーによるコンサートとしては日本最長寿だそうである。もう何年もライブハウスとはご無沙汰だったが、ビールを注いだコップ片手に客席に坐していると、疾風の70年代が蘇り、走馬灯のようにぐるぐる回り出した。フィナーレではステージに引っ張りだされ、恥ずかしながら音痴なフィドルを弾いてしまった。いずれのメンバーも70年代初頭に知りあっている。前回紹介したアルバム「フルッチンのうた」の原盤制作は1971年に遡るが、これをきっかけに、それこそ芋づる式に多くのミュージシャンと知り合いになったことが思い出される。翌1972年、仕事の都合で神戸から東京に転居したが、その付き合いは続き、岡林信康や高田渡、友部正人、田中研二、林亭(佐久間順平・大江田信)、武蔵野タンポポ団などの知己を得た。たまたま私がヴァイオリンの弾き語りで唖蝉坊の演歌を歌う縁で、高田渡のコンサートにゲスト出演したこともある。ちょっと路線が違うが、荒井由美(ユーミン)と知り合い、自宅を訪ねたこともあった。70年代後半には、東京・晴海で開催された「ローリング・ココナッツ・レビュー・コンサート」をきっかけに。YMO結成前の細野晴臣と、そして横尾忠則と一緒にインド旅行、アルバム「コチンの月」制作の手伝いをしたことが懐かしい。とここまで書き流したが、どうも筆、いやキーボードが進まないので交遊メモにとどめておこう。70年代関西フォークの話は、やはりもう少し気合いが入ったときに書くことにしよう。

2012年7月9日

京都市の無線LAN計画とタブレット端末導入の検討

サンフランシスコの Google I/O 2012Nexus 7 tablet を紹介する担当者のヒューゴ・バラ氏 (6月27日)

京都市無線LANスポットのステッカー
タッチパネルを嫌ってるわけじゃないけど、アップルのiPhone、iPadに代表されるスマートフォンもタブレット端末も持っていない。なんとなく時代に取り残されてるような気分ではあるが、強く欲しいとは思っていなかった。強いていえばアマゾンの電子書籍リーダーKindleには若干の興味を持っている。でもこれは書籍に特化したものであろうし、日本語版が出た段階で考えてみようと思う。汎用タイプのタブレットはどうか。最近になってちょっと食指を動かしつつある。その最大の理由は、京都市が無料無線LANスポット「京都どこでもインターネット(KYOTO_WiFi)」600箇所を8月中旬以降順次設置して運用を開始すると発表したからだ。自治体が展開する無線LANスポット事業で、具体的な設置個所数が示されているものとしては全国最大規模だという。他の政令市の実は最多80箇所、しかも有料だそうだから、画期的な事業といえるだろう。観光庁の調査によれば、外国人旅行者が旅行中に困ったことの第1位が「無料の公衆無線LAN環境が整っていないこと」だったという。すなわち、割高なローミング料金のため、日本への旅行中にスマートフォンなどで手軽にインターネットを利用できない状況にあるわけだ。そこでこのような展開になったようだが、市内に住むものとして利用しない手はないと考えている。ネットブックでもいいが、やはり小型のタブレットがいいのではと思うが、視野に入っているのがグーグルのNexus7である。OSはAndroid 4.1 Jelly Bean、ディスプレイは7インチで、重さは340g、製造は台湾のASUS。価格は8GB版が199ドルで、16GB版は249ドル、やはり値段に惹かれる。平行輸入品が今月20日に発売になるようだが、8GB番が27800円でる。国内仕様はもっと安くなるだろうか。京都市の無線LAN施設状況に合わせ、秋になったら導入を検討したいと思ってる。

2012年7月8日

お気に入りツールiGoogle廃止に備える


私のブラウザのスタートページはグーグルのiGoogleにしてある。ホームページには、スケジュール表や天気予報などをおき、その他に10個余りのタグを作り、RSS購読しているページを「ニュース」「写真」「科学」といった具合に分けてチェックしている。ブックマークを使ってのサイト巡回閲覧は面倒で、この方法が気に入っている。ところがこのiGoogleが将来廃止になることを最近知った。グーグルのアナウンス「iGoogle の今後」によると、その理由を「最初にiGoogleを発表した2005年当時は、パーソナライズされた情報をウェブアプリやモバイルアプリを使用してリアルタイムで簡単に操作できる日が来ようとは誰も想像していませんでした。ChromeやAndroidなどのプラットフォームで動作する最近のアプリでは、iGoogleのようなサービスの必要性が徐々に失われてきたため、2013年11月1日をもってiGoogleを廃止することになりました」と説明している。この措置はスマートフォンやタブレットPCの普及の影響だと想像する。廃止されるのはだいぶ先だが、ちょっと困ったと思っている。対策としてはchromeウェブストアでアプリケーションを入手、スタートページを変更して、少しずつブラウザをカスタマイズしようと思っている。

2012年7月4日

アナログLPレコードプレーヤーが絶不調になって

KENWOOD R-K700 and DENON DP-33F

DENON DP-200USB
マニアではなかったけど、大型の木製ボックスに入ったスピーカーなど、昔はそれなりのオーディオ機器を持っていた。時間の流れと共にそれらは引退し、そして転居に伴って狭くなった自室に合わせ、アンプやスピーカも小型化してしまった。写真左のコンパクトアンプは、チューナー、CDプレーヤー、MDプレーヤー(ディスクを持っていないけど)一体型である。オーディオ機器の売り場を覗くと、高級機と普及機が二分化されて価格差が激しい。これは普及機で、右にあるアナログプレーヤーに合わせ、PHONO端子があるので選んだものだ。さてこのプレーヤーだが最近調子が絶不調である。スイッチを入れても動かないことが多い。かなり前に友人から譲り受けたものだが、余りにも古いので修理不能かもしれない。そこで新しい製品をネット検索したところ、これまた価格の二極化が激しい。おそらく高級機は、管玉式アンプに木製ボックスのスピーカーなどを好む、かつてのオーディオブームを引きずったアナログ派向けなのだろう。一方普及機はとにかく持ってるLPレコードを再生できれば良い、あるいはパソコンに取り込みたいといった人をターゲットにしているようだ。購入するなら普及機になる。金銭面もさることながら、高級機は大きく、奥行きが狭い現在のキャビネットの棚には収まらないからだ。LPレコードのCD化を考えていないでもない。そこでちょっと気になったのがDENONのDP-200USBである。これはパソコンに繋がないでもUSBメモリーをスロットに差し込めばデジタル録音できるという。私の場合はパソコンとアンプの場所が離れてるので、これに注目した。さて、どうしようか?

2012年7月3日

祇園囃子が聴こえてきた

布団に描かれた山鉾(部分) 北川商店(京都市中京区西洞院通り丸太町下る) Fujifilm Finepix X100

月が変わって長刀鉾町の町内一同が稚児や禿と共に八坂神社に参拝し、神事の無事を祈願する「お千度」が行われ、いよいよ祇園祭がスタート、祇園囃子が聴こえてきた。この季節になると市内の商家がショーウィンドウに祇園祭にちなんだ飾り付けをするが、それを覗くのが私の愉しみのひとつである。例えば今年はまだ訪れていないが、四条通の京人形店「田中彌」には、見事に細工された山鉾のミニュチュアが陳列される。写真は昨日撮影したもので、中京区の布団屋さん「北川商店」の丸太町通に面したショーウィンドウに飾られた掛け布団である。正確には「鏡」で、布団の中央部分に使われる生地のこと。昭和41(1966)年、丹後で織られた正絹の生地に手描きされたものだという。祇園祭は17日の山鉾巡行でそのピークを迎え、31日の疫神社夏越祭で長い祭事の幕を閉じる。

2012年7月2日

七夕コンサートへのお誘い


出演: 豊田勇造・三浦久・中山ラビ・ひがしのひとし・古川豪
日時: 7月7日(土)8日(日)開場午後5時・開演午後6時
場所: ライブハウス「拾得」(京都市上京区大宮通丸太町上る)TEL:075-841-1691
料金: 前売り・予約4000円 当日4500円(飲食別)二日通し1000円増し
予約: 〒603-8217 京都市北区紫野新大宮3丁目 イスズ内 七夕オフィス(古川)
              TEL&FAX:075-494-6131 Email:f.go@titan.ocn.ne.jp