2016年11月29日

安倍内閣支持率 60% の戦慄


共同通信が11月26・27日実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三内閣の支持率は60.7%で、前回10月の53.9%から上昇。不支持率は30.4%だった。支持率が60%を超えるのは2013年10月の調査以来だという。TPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案に続き、公的年金の支給額を引き下げる、年金制度改革法案を25日の衆院厚生労働委員会で、強行採決したばかりなので驚いた。そこで私はソーシャルメディア Facebook に、共同通信の記事を引用しながら「先の参院選では自民党の得票率は35.91%(全国)だったけど、どうしてこんな高い数字になるのだろう?」と投稿してみた。併せて朝日新聞[11月19・20日実施]の調査では安倍内閣支持率51%、政党支持率は自民36%、民進8%、公明3%、共産4%、維新2% という結果で、内閣支持率と政党支持率にはズレが生じているのが不思議であるとも。するとかつて仕事場で同僚だったFBフレンドから「朝日新聞の今年9月定例調査の詳細(「Journalism」11月号掲載)を見ると、支持政党なしの人の26%、民進党や共産党の支持者ですら約20%が安倍内閣を支持しています」という驚きのコメントをいただいた。つまり政党支持率が低いにも関わらず、本来敵対している政党の支持者すら安倍内閣を支持しているというのだ。この不可解な動向に戦慄と落胆を覚える。

2016年11月27日

音盤パッケージの魅力


着せ替えコラージュ(クリックで拡大)
アナログLPレコードのジャケットは約31センチ四方もあり、嵩張って置き場に困ることがある。しかしその大きさゆえ、写真やイラストを楽しむことができる。カントリー系はおおむね演奏者のことが分かるが、他ジャンルの場合、ジャケットの出来具合で判断することが多かったことを思い出す。CDに移行してから、その魅力が半減した。気のせいか凝った写真やイラストが減ってしまったようだ。面積が小さいので、ライナーノーツもちゃんとしたを作ろうとするとページ数が増えるので、簡素化されてしまったように感ずる。ところが昨今では音楽のストリーミング配信システムが跋扈、CDなどの物理メディアが売れなくなってきたという。その要因はスマートフォンの普及だと思われるが、音楽産業の形態に大きな変化が起きていることは事実だろう。それでも CD 売り上げに関しては、日本はまだマシな方だそうだが、世界レベルでは2014年にデジタルメディアが物理メディアを超えてしまったという。私はインターネットラジオはよく聴くが、音楽ファイルをダウンロード購入したことはないし、今年9月に日本上陸を果した Spotify のようなサービスと、今のところ契約する気はない。やはり古い人間なのだろうか、どうせお金を出すなら、物理的なパッケージがないと落ち着かないのである。ところで写真は最近購入した「The Complete Trio Collection」で、ドリー・バートン、エミルー・ハリス、リンダ・ロンシュタットによる CD パッケージである。広げるとご覧のように、三人の写真をあしらった三面鏡仕立てになっている。三人の着せ替えコラージュも面白い。プラスティックケースではなく、環境に優しい紙ジャケットなのも好ましい。久しぶりに好感を持った音盤パッケージ、3枚組で1,950円、お勧めのコレクターズアイテムである。

2016年11月23日

TPP協定履行は民主主義の放棄

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朝日新聞11月22日付け電子版「TPP発効不可能に」によると、トランプ次期米大統領は21日、就任後100日間で進める政策の改訂版を公表し、就任初日にTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を表明する意向を改めて示したという。トランプ氏はTPPについて「我々の国にとって災難になりうる」としたうえで、「その代わり我々は雇用や産業を米国国内に取り戻すため、公平な二国間の貿易協定を交渉していく」との考えを示したそうだ。つまりオバマ政権が進めてきた自由貿易政策が米国の雇用を奪うという主張である。一方、米国抜きの発効を目指す動きもあるという。しかし安倍首相はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで記者会見し、TPPは「米国抜きでは意味がない。根本的な利益のバランスが崩れてしまう」と訴えたという。読売新聞は11月23日付け電子版で「TPP離脱は誤った判断だ」と安倍政権に対し醜い援護論評を掲げている。
ジェーン・ケルシー教授
懸念するのは、日本の主権が制約されるということです。これはTPPのルールそのものというよりも、外国の政府や企業が、みなさんの将来や法律について、モノが言えるようになるということです。毎年、アメリカの通商代表部(USTR)が、各国に対して通商に関する要求事項を発表しています。私は日本について書かれた部分について読んでみました。これは、この先数年の間に、米通商代表部が特に目を光らせて監視していく項目です。
以上の引用は「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」が招いた、ニュージーランドのオークランド大学教授ジェーン・ケルシー氏が、去る10月31日に行った講演の一部である。TPPは一般には「関税をなくすこと」と単純に認識されているが、例えば日本に対しては食品安全法、健康保険、共済などをターゲットにされているのである。そして何よりも怖いのは、それが私たちが知ることができない、秘密交渉であることである。TPP協定を履行することの最大の問題点は、各国の経済的利害関係ではなく、自分たちの将来を他国の人や他国の企業や政府に決められるということである。法案を強行に通そうとすること、それは市民の手で決められる力を奪われること、民主主義の放棄に他ならない。TPP協定を反対する理由は、トランプ氏の離脱宣言のそれとは別の次元であることを認識して欲しい。

2016年11月20日

プーチン大統領相手の北方領土問題交渉に暗雲


朝日新聞11月20日付け電子版「安倍首相 平和条約問題に厳しい認識 日ロ首脳会談」によると、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に出席するため、ペルーの首都リマを訪れている安倍首相は、ロシアのプーチン大統領と会談を終え「70年間できなかったわけで、そう簡単な話ではない」「大きな一歩を進めることはそう簡単ではない」と時折言いよどみながら、厳しい認識を繰り返したという。これは政治のシロウトでも、ロシアが北方四島はおろか、二島すら放棄する意思がないということじゃないか、と推測できる。首相はリマに向かう前、ニューヨークに立ち寄って、就任前の次期米大統領トランプ氏の私邸を訪ねた。これは朝貢外交と揶揄されかねない。会談後、首相はトランプ氏を「信頼できる指導者」と讃えたという。そのトランプ氏はプーチン大統領を高く評価、大統領就任後の最初の外遊先はロシアになると、米華字ニュースサイトの多維新聞が「最初の訪問国が判明、安倍晋三首相の望みかなわず」という見出しを付けて報じている。トランプ氏の外交政策は不透明だが、もしプーチン大統領と急接近すれば、クリミア問題に変化が起こる可能性がある。つまりロシアに対する経済制裁を解くということである。日本の頭越しに新たな米ロ関係が築かれることになれば、北方領土問題を含む平和条約締結交渉にも大きく影響するだろう。要するに今まで安倍首相を利用してきたが、その片寄った八方美人的外交姿勢を切り捨てる、はっきり言えば安倍首相を蚊帳の外に放り出すということである。一筋縄では行きそうもないプーチン大統領相手の交渉、俄かに暗雲が垂れ込めてきたようだ。