朝日新聞11月20日付け電子版「安倍首相 平和条約問題に厳しい認識 日ロ首脳会談」によると、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に出席するため、ペルーの首都リマを訪れている安倍首相は、ロシアのプーチン大統領と会談を終え「70年間できなかったわけで、そう簡単な話ではない」「大きな一歩を進めることはそう簡単ではない」と時折言いよどみながら、厳しい認識を繰り返したという。これは政治のシロウトでも、ロシアが北方四島はおろか、二島すら放棄する意思がないということじゃないか、と推測できる。首相はリマに向かう前、ニューヨークに立ち寄って、就任前の次期米大統領トランプ氏の私邸を訪ねた。これは朝貢外交と揶揄されかねない。会談後、首相はトランプ氏を「信頼できる指導者」と讃えたという。そのトランプ氏はプーチン大統領を高く評価、大統領就任後の最初の外遊先はロシアになると、米華字ニュースサイトの多維新聞が「最初の訪問国が判明、安倍晋三首相の望みかなわず」という見出しを付けて報じている。トランプ氏の外交政策は不透明だが、もしプーチン大統領と急接近すれば、クリミア問題に変化が起こる可能性がある。つまりロシアに対する経済制裁を解くということである。日本の頭越しに新たな米ロ関係が築かれることになれば、北方領土問題を含む平和条約締結交渉にも大きく影響するだろう。要するに今まで安倍首相を利用してきたが、その片寄った八方美人的外交姿勢を切り捨てる、はっきり言えば安倍首相を蚊帳の外に放り出すということである。一筋縄では行きそうもないプーチン大統領相手の交渉、俄かに暗雲が垂れ込めてきたようだ。
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