2020年11月27日

画像編集ソフト GIMP を試用する

ScreenShot
GIMP 2.10.22 の操作画面(クリックで拡大)

遅ればせながら高機能グラフィック編集ソフトウェア GIMP をインストールした。フリーウェアのオープンソースソフトウェアでありながら、有償グラフィック編集ソフトウェアに匹敵する、高機能のレベルを備えているという。Linux・Windows・Mac OS X・Sun OpenSolaris・FreeBSD などの環境に対応しているが、私は Windows 版 2.10.22(2020-10-04)をダウンロードした。デジタルレタッチ、オリジナルアートワーク作成、グラフィックデザインが可能だが、フォトレタッチを主眼とし、以下の機能を試用することにした。

技術評論社(2020年)
  1. トリミング
  2. 合成
  3. 明るさ/色合いの調整
  4. シャープネス調整
  5. フィルタ加工
  6. 修復ブラシ
  7. レンズの傾きによる視点の歪み修正
  8. レンズのバレルディストーション
  9. クローンツールを使用した不必要部分の除去
  10. パースペクティブ視点でのオブジェクトクローン化
  11. その他

要するにデジタルカメラで撮影した写真の画像処理なのだが、これは普段 Adobe Photoshop でしている作業である。ツールボックスなど、Photoshop とはインタフェースが当然違うので、ちょっと戸惑ったが、そのうちに慣れるだろう。私は大昔に購入したパッケージ版 Photoshop CS4 を未だに使っているのだが、新たに導入するならクラウド上で利用する Photoshop CC ということになる。利用料は 3,480円/月、26,180円/年 となっている。簡易版の Photoshop Elements はパッケージ版だが、実勢価格は2万円弱である。GIMP の実力が Photoshop CC に匹敵するなら実にありがたい。現段階では試用期間が短いので、しばらく使ってからから私なりの評価を結論したい。インストールの際に言語選択のプルダウンメニューが出るが、日本語はない。しかし English を選択しておくと、何もせずに日本語モードになる。不思議だがパッチを当てるなどの手間が省けるのが嬉しい。それにしても無償ソフトに本格的な解説書籍が、数社から出版されているのに驚かされる。しかしこれは人気の裏付けと言って良いのだろう。なお開発チームは11月6日に開発バージョン GIMP 2.99.2 を発表した。次期メジャーリリースの GIMP 3 に向けた最初のステップで、レイヤーの複数選択、レンダーキャッシュ、複数言語でのプラグイン開発などを導入したという。

download Download GIMP 2.10.22 (2020-10-04) for GNU/Linux | Mac OS X | Microsoft Windows | All

2020年11月25日

ホワイトハウス報道官ケイリー・マケナニーの影響力

娘のブレイクを抱いたケイリー・マケナニーと家族(2020年5月1日)

ホワイトハウス報道官のケイリー・マケナニーには、ソーシャルメディア Twitter のフォロワーがなんと620万人、Parler のフォロワーが120万人ついている。最初の誕生日である11月25日が近づいたため、両サイトに #BabyBlake のハッシュタグをつけて娘のブレイクの写真を掲載している。トランプ大統領が彼女を4人目のホワイトハウス報道官に指名したのは2020年4月だった。マケナニーは公式のブリーフィングで記者の質問に答えることで、就任後10ヶ月間、一度も記者会見を開いたことがなかった、前任者のステファニー・グリシャムよりも目立つ存在となり、またたく間にその地位を確立しのである。彼女の履歴を追ってみよう。ハーバード大学法学部を卒業した後、CNN テレビの政治コメンテーターになる。ソーシャルメディア上で、バラク・オバマ前大統領を常に批判していたことで有名になったのだが、リベラルな CNN でどのような発言をしていたのだろうか。共和党全国委員会のスポークスマンや、大統領の再選キャンペーンの全国報道官を務めたのだが、彼女の私生活が一般の好奇心をかき立てたようだ。

ギルマーティンとマケナニーは2017年11月に結婚した

2017年11月に結婚したのだが、その相手がプロ野球選手のショーン・ギルマーティンだったからである。2人はギルマーティンがニューヨーク・メッツのルーキーだった2015年から交際していたという。マッケナニーが初めての公式記者ブリーフィングを行った日、ホワイトハウスで娘を披露する。そしてフェイスブックに「娘のブレイクとこの日を共有できることは、とても特別なことです。演壇からマリンワンまで、アメリカ国民に仕え、トランプ大統領の偉大な仕事を分かち合えることを光栄に思います!」と綴ったのである。最近、彼女は Parler に次のような一文を寄せている。

I will never forget listening to these lyrics alongside our GREAT President Trump 2 weeks before the Election... "So I yield to You and to Your careful hand When I trust You I don't need to understand... Jesus, bring new wine out of me." (November 20, 2020)

曰く「選挙の2週間前に偉大なるトランプ大統領と一緒に、この歌詞を聴いたことを決して忘れることはないでしょう... "だから私はあなたにひれ伏し、あなたの御手にすべてを委ねます。あなたを信頼するとき、私は全てが分からなくていい... イエスよ、私の中から新しいワインを出してください"」云々。引用された歌詞はペンテコステ派のヒルソング教会の讃美歌 "New Wine"(新しいワイン)である。本当に一緒に聴いたかどうかは知るよしもないが、これはトランプ信奉者でなくてもグッと来そうだ。ソーシャルメディアで莫大な数のフォロワーを持っているし、影響力を持った言葉ではある。次期バイデン政権も、戦闘型ではない彼女のような報道官が欲しいのではないだろうか。下記リンク先のワインポスト紙に、メディア評論家のエリック・ウェンプルが「トランプが得ることができる最高のスポークスマン」という論評を寄せている。もしも彼女がリベラルで、反トランプの論陣を張ってくれていたら、というのは夢のまた夢の仮定で終わりそうだ。

news  Kayleigh McEnany is the best spokesperson Trump can get | The Washington Post

2020年11月22日

ソーシャルメディア Parler を体現する

Parler のロゴマーク

話題のソーシャルメディア Parler(パーラー) のアカウントを取得した。Email アドレスとパスワード、ユーザーネームを入力すると登録できるが、Facebook のように「実名」を求められることはなく、しかも人名である必要はない。本人認証は携帯電話で行う。パスワードは8文字以上で、大文字小文字のアルファベット、数字、記号の4種類を混ぜる必要がある。当然のことながらアカントを取得しただけではタイムラインに何も流れない。取りあえず参加した旨を投稿したが、誰かをフォローすることにした。

最高経営責任者 ジョン・メッツ

推薦リストが表示されるのだが、日本人はいないし、知らない人ばかり。唯一人目に止まったのが Ivanka、すなわちトランプ大統領の娘、イヴァンカだった。フォローしてみたところ、一週間前に参加したばかりなのに、すでに38万7,000人のフォロワーがついている。Parler は2018年8月に創設された。CEO(最高経営責任者)のジョン・メッツは、常に偏りのないプラットフォームなることを約束しているという。大統領選以来 Parler の人気は急上昇しており、人々はビッグテックの検閲に辟易しており、あらゆる表現を受け入れてくれる場所を探しているからだという。トランプ大統領の「選挙は盗まれている」という根拠のない陰謀論に対し Twitter が、誤解を招く恐れがあるとの警告ラベルをつけたが、トランプ側は「検閲」と反論したことが記憶に新しい。ウィキペディア英語版は、Parler にはトランプ支持者、保守派、右翼過激派のユーザーが多く存在する。投稿にはしばしば極右コンテンツ、反ユダヤ主義、陰謀論が含まれている。Parler は Twitter に代わるものと評されており、主流のソーシャルメディアから追放されている人や、モデレーションポリシーに反対する人に人気があると喝破している。しかし「私たちの使命はアメリカ合衆国憲法修正第一条の精神を具体化するソーシャル・プラットフォームを作ることだ」と Parler のコミュニティ・ガイドラインには書かれている。「言論の自由」「検閲しない」を掲げた Parler は一部のユーザーに急速に支持されるようになった。アプリ調査企業の Apptopia によるとSNS アプリ Parler が、米国の iOS アプリの総合ランキングで1位を獲得し、Google Play では2位に入ったという。

parler  ソーシャルメディア Parler の概要解説とアカウントの新規登録

2020年11月20日

陰謀論 Stop the Steal の狂気

インターネット百科事典ウィキペディア英語版は Stop the Steal を「米国のドナルド・トランプ大統領の一部の支持者が、2020年の大統領選挙で不正が行われているという、虚偽の主張を広めている米国の右翼の陰謀論」と説明している。Facebook のページや Twitter で、制御不能のウイルスのように押し寄せ、誤報と暴力的なレトリックを広めてきた。しかし Stop the Steal は多くの人にとって2020年の新しい政治スローガンのように聞こえるかもしれないが、それはドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデンとの闘いにおける不正投票についての広範な懸念の上に有機的に出現したものではない。何年も前からあったからだ。起源はベテランの共和党工作員であり、自称「汚いトリックスター」であるロジャー・ストーンに遡るのである。

ロジャー・ストーンとニディア夫人(2020年2月7日)

ストーンの政治行動委員会は2016年に Stop the Steal というウェブサイトを立ち上げ、大統領選に先駆けて民主党の候補者)は「選挙を盗むだろう」と吹聴して1万ドルの寄付を募ったのである。その Stop the Steal は2018年の中間選挙の頃に再浮上したが、本当に火がついたのは2020年だったのである。Facebook グループは、右翼の工作員の緩い連合によって管理されていた。そのうちのい何人かは元トランプ顧問スティーブ・バノンと一緒に働いてきたが、グループは Facebook が今年11月5日に閉鎖措置をする前は、1日余りで数十万人のフォロワーを集めていたという。ストーンはバイデンが選挙を盗もうとしているという根拠のない主張を捏造するために、極右ラジオのコメンテーターであるアレックス・ジョーンズの番組に出演、バノンは彼のポッドキャスト上で同様の陰謀論をエコー、選挙を「大規模な詐欺」と呼んでいた。

ペンシルベニア州議会に集まったトランプ支持者(2020年11月5日)

誤解を招くようなコンテンツをシャットダウンをしようとした Facebook の努力は遅過ぎた。250万人のフォロワーを集めていたのである。しかも単なるキャンペーンスローガンや資金調達のウェブサイトではなく、投票所を監視するボランティアを求める自称「投票保護者」プロジェクトにもなったのである。現在 StopTheSteal.org は、ストーンの個人ウェブサイト StoneColdTruth.com にリダイレクトしているが「広範囲にわたる不正投票」に関する陰謀説を投稿しているようだ。トランプ大統領は CNN テレビやニューヨークタイムズなどに批判されると「フェイク」と切り捨ててしまう。米国の保守派の政治家や支持者の間では、最近になってソーシャルメディア Parler に人気が急上昇しているという。トランプ大統領の長女イヴァンカがアカウントを開設したが、すでに20万人のフォロワーを集めているそうだ。Parler は検閲に対して強く反発し言論の自由を守ると主張している。どうやらその意味をはき違えていると思う。米国の民主主義を右翼が破壊しているが、日本にもトランプ擁護の著名人が少なからずいることに驚く。同類相憐れむ右翼たちである。

CNN  Stop the Steal's massive disinformation campaign connected to Roger Stone | CNN