2011年12月28日

花と散り玉と見えつつあざむけば雪降る里ぞ夢に見えける


辰の絵馬 北野天満宮(京都市上京区馬喰町) Fujifilm Finepix X100

年の瀬、北野天満宮では大鳥居や楼門などの注連縄(しめなわ)が取り替えられた。楼門に掲げられた辰の大絵馬は日展評議員の三輪晃久氏の筆になるもので、元日から授与される絵馬と同じ図柄だという。看板に「花と散り玉と見えつつあざむけば雪降る里ぞ夢に見えける」という菅原道真の歌が見える。梅の名所。境内あちこちの枝に、蕾が傷むのでお神籤(みくじ)を結ばないようにという、初詣客への注意書きの短冊が下がっている。大晦日から元日もかけてこの天満宮と平野神社を参詣するのが習慣になってしまったが、今年も出かけることになると思う。夕方、火之御子社鑽火祭(ひのみこしゃきりびさい)で新しい火がきりだされ、中庭のかがり火に移される。八坂神社の「おけら詣り」が有名だが、天満宮も古来からの習わしに従っているという。2日からは「天満書」つまり神前の書初めが行われる。それではみなさま良いお年を。

2011年12月25日

腹立ちまぎれに現代を生きているのだ


山之口貘さんの詩を読みたくなって、講談社から出ている文庫版の詩文集を購入した。私は写真のような古ぼけたハードカバー版を所有しているが、持ち歩くにはやはり文庫版がよい。上掲の詩集は昭和33(1958)年、昭和39(1964)年に原書房から初版が出たものだが、いずれも昨年の暮れに復刻版が出た。貘さん(面識はなかったけ「さん」付けしたくなる)沖縄県立図書館では「山之口貘文庫」が開設されるなど、再評価されて人気が高まってるという。『鮪に鰯』の巻末には娘さんの泉さんが「後記にかえて」という一文を寄せている。「パパ、あなたの詩集です。子供のように眼を輝かせ毎日きょうを見つめていたあなたの新しい詩集です」云々。獏さんの詩集を手にしていたら、今度は高田渡さん(面識があったので「さん」付けしたくなる)の歌を聴きたくなった。渡さんの『生活の柄』『鮪に鰯』は獏さんの詩である。後者は「鮪は原爆を憎み 水爆にはまた脅かされて 腹立ちまぎれに 現代を生きているのだ」という下りで分かるように、ビキニ島の核実験を題材にした作品である。

2011年12月21日

帰ってきた木製暗箱デアドルフ


シカゴ時代の広告
ちょっと調べたいことがあり「Deardorff & Sons」をキーワード検索したら、上掲のようなページが目に飛び込んできた。なんとそこには大判木製暗箱デアドルフが、20年ぶりに帰ってきたという意味のことが書いてある。最初は中古販売サイトかと思ったが、どうやら限定注文生産を始めたようだ。4x5と8x10、それぞれ15台ずつ製造したようで、画面下部に前者は3台残っているが、後者は売り切れとある。デアドルフについては Deardorff Historical Web Site に詳しいので、興味ある方はアクセスすることをお勧めする。簡単に一瞥すると、1923年にカメラの修理工であったラバーン・F・デアドルフがシカゴで木製暗箱の製造販売を始め、やがてそれはアメリカを代表する名機となる。しかし時代の波に逆らえず、1988年に製造中止になってしまった。その後日本の銀一と駒村商会の支援受けて1992年テネシー州で再開した。大きな変更点はニッケルメッキした真鍮の代わりにステンレス鋼を使用したことだったが、やはり売れなかったようで、1996年に幕を閉じた。実は私の記憶もここで終わっている。だからこのサイトに出会い、ただただ驚いている次第である。シカゴ製の8x10を持っているので新たに食指を動かすことはないが、このデジタル時代に大判フィルムカメラ、その行方がどうなるか興味津々である。

2011年12月20日

イルフォードのピンホール写真キットが届いた


Harman Titan 4x5 and Zero 4x5 Pinhole Camera

©ILFORD PHOTO
米国のネット通販B&H社に発注したイルフォードのピンホール写真キットが届いた。ニューヨークからわずか5日、早いものである。かかった費用はB&Hには送料込みで262.41ドル、そして個人輸入の関税と消費税をあわせて500円だった。合計およそ2万円強ということになるが、ピンホールカメラとしてはちょっと高価という感じがする。ただし4x5のフィルム、ポジ印画紙、多階調印画紙、それぞれ10枚ずつ付属している。今のところカメラだけ売ってくれない。というよりイルフォードは感材メーカー、フィルムと印画紙を売るためにピンホール写真キットを発案したのかもしれない。写真右は傷だらけになってしまったゼロイメージ社の4x5ピンホールカメラだが、厚さ25ミリの木枠を重箱のように重ねる仕組みになっている。3個で焦点距離75ミリ、ハーマン・チタンは72ミリだから、だいたい同じ厚さになる。ただしピラミッド型の蛇腹もどきで、筐体は小さく軽い。とりあえずIlford Delta 100を使ってテスト撮影するつもりだ。ピンホールカメラは長時間露光になるので相反則不軌特性を知る必要がある。初めて使うフィルムなのでデーターシートがあればダウンロードしようと思っている。

Harman Titan 4x5 Pinhole 焦点距離:72mm(2.8in) 針孔口径:0.35mm(0.0138in) F値:206 画角:97°