ロイター通信によると、起業家のイーロン・マスクは NHTSA(米国道路交通安全局)に、電気自動車メーカーテスラの現在の運転支援システム(自動運転)に対する執行措置を4年以内に放棄するよう強制する見込みだという。同局の情報筋は、この億万長者はテスラが設計した自動運転車や「ロボタクシー」の開発に必要な決定の採択も実現したいと考えていると主張している。米国大統領選挙の投開票は11月5日に行われた。民主党の候補者カマラ・ハリスと共和党の代表ドナルド・トランプがこのポストを争った。軍配はトランプに上がり、ハリスは敗北宣言をした。第47代米国大統領の就任式は2025年1月20日に行われる。マスクは7月にペンシルベニア州バトラーで起きたトランプ前大統領暗殺未遂事件の直後から共和党支持を表明した。次期大統領の重要な支援者の一人として、このテクノロジー界の大富豪は、トランプの再選を目指すスーパー PAC に1億1900万ドル(183億円)以上を寄付した。彼はまた、選挙日の最後の数週間を激戦州での投票促進活動に費やし、その活動にはこれらの州の有権者への毎日の100万ドルのプレゼントも含まれていた。このプレゼントは法廷闘争の対象となったが、後に裁判官は実施してもよいとの判決を下した。マスクはトランプに名前、資金、そして政策を投じてきたので、トランプの再選によって得るものはたくさんある。次期大統領は、2期目には政府の無駄をなくすためにマスクを政権に招き入れると述べている。マスクはこの潜在的な取り組みを「政府効率化局」または同氏が広めたミームと暗号通貨の名前である DOGE と呼んでいる。この実業家は、すでに政府の衛星を宇宙に送る事業を独占しているスペースX社のオーナーとして、トランプの就任から利益を得ることもできるだろう。ホワイトハウス内に親しい同盟者がいることで政府とのつながりをさらに活用しようとするだろう。
彼はボーイングを含むライバル各社の政府契約の構造について批判し、それが予算と期限通りにプロジェクトを終わらせる意欲をそぐものだと主張している。国防総省や米国の諜報機関が数十億ドルをスパイ衛星に投資する準備を整えている中、SpaceX 社もスパイ衛星の建造に乗り出した。電気自動車メーカーのテスラは、トランプが「規制負担が最も少ない」と述べている政権から利益を得る可能性がある。先月、米国の道路安全規制を担当する機関は、テスラの自動運転ソフトウェアシステムを調査していることを明らかにした。マスクはまたテスラの労働者の労働組合結成を阻止しようとしているとして非難されている。トランプは企業と富裕層への税金を引き下げると約束した。これはマスクがおそらく守ることを望んでいるもう一つの約束である。下記リンク先はタートアップやベンチャー企業に関するニュースを配信するブログサイト TechCrunch(テッククランチ)の11月6日付け記事「トランプ氏の勝利がイーロン・マスクにとって何を意味するか」(英文)である。
What Trump's win might mean for Elon Musk by Rebecca Bellan and Aria Alamalhodaei
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