2022年10月3日

安倍晋三の「国葬」強行は失敗だった

三人組
反民主主義勢力三羽烏(作者不詳)

時事通信デジタル版によると自民党の麻生太郎副総裁は10月2日、福岡市での講演で賛否が割れた安倍晋三元首相の国葬について「いろいろな話がわんわん出ていたが、何時間もかけてずっと若い人なんかが並んで立っている、それが国葬の現場だ」と指摘したという。その上で「その人たちの声がなぜ新聞やらマスコミには載らんのですか」と述べ、一般献花に訪れた人たちの報道が不十分だったとの認識を示したそうだ。麻生は「強制されたわけでも何でもない。あれだけ多くの人が夜まで並んでいる状況を見て、何とも言えない気持ちになった」と語ったという。事前の FNN の世論調査では、国葬決定について年齢の若い人ほど「よかった」と答える人が多く、年齢の高い人ほど「よくなかった」と答える人が多かった。ところが FNN や日経の調査も含めて、全体として、調査時期が新しくなるにつれて「賛成」が減って「反対」が増えていた。

国葬反対デモ
日増しに増えた国葬反対デモ

世論の反対を押し切って安倍晋三の国葬が強行されてから、菅義偉の弔辞が感動的だという記事がネットで繰り返された。これは裏返せば国葬は失敗だったということである。テレビ中継は最後まで見る根気がなかった。極めて粗雑で、故人を謙虚に偲ぶような雰囲気にほど遠かったからである。10月3日付けの朝日新聞朝刊によると、同紙の世論調査では、安倍晋三の国葬を、岸田内閣が国の儀式として行ったことについて「評価しない」は59%「評価する」は35%という結果が出たという。麻生の反論は世論を察知、もしかしたらその動向を予測してのことだったかもしれない。そして「これは理屈じゃねえんだよ」と電話して恫喝し、渋る岸田文雄を捻じ伏せて国葬強行に持ち込んだという伏線があったことを忘れてはならない。菅の友人代表弔辞に戻すと「総理、あなたの判断はいつも正しかった」とは噴飯ものである。

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