A Perfect World (1993) |
ハロウィンは古代ケルト人の祭が起源で、秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的行事だったという。本来キリスト教とは関係ないが、11月1日に行われるキリスト教の万聖節「All Hallows」の前夜祭として紐付いたようである。日本でもカボチャのカービングや仮装行列が行われるようになったが、クリスマスと同様、宗教行事とは程遠い。ハロウィンというと私はずいぶん昔に観たクリント・イーストウッド監督作品の映画『パーフェクトワールド』(1993年)を思い出す。ケビン・コスナー演ずる脱獄囚ブッチ・ヘインズが、逃走途中に民家へ押し入り、8歳の少年フィリップ・ペリーを人質にアラスカに向けて逃亡する物語である。途中、フィリップは雑貨店でハロウィンの仮装用お面などに目を輝かす。エホバの証人の信者である彼の家庭では、母親が宗教に厳しく、キリスト教の友だちが開くパーティにも参加できず、ハロウィンの仮装も許されなかった。米国では近くの家々を訪れ「Trick or treat(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)」と唱えてお菓子をもらったりするそうだ。それがフィリップにとって羨ましくてしょうがなかったのである。クリント・イーストウッド演ずる刑事レッド・ガーネットはブッチを追い詰め、人質を解放するように求める。それに対しブッチは「母親がフィリップをハロウィンに行かせろ」という降伏条件を出す。この下りで思わず涙腺が緩んだことを憶えている。そし現場に到着したフィリップの母親がその要求を受け入れ、ブッチはフィリップを解放したのだった。
A Perfect World - Theatrical Trailer 1993(映画『パーフェクトワールド』劇場公開用予告編)
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